アメリカを変えた夏 1927年

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (604ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560084663

作品紹介・あらすじ

20世紀の胎動を展望した5カ月間の物語
 一九二七年五月二十一日、初夏を迎えたアメリカで、二十世紀を代表する出来事のひとつとなった偉業が達成された。ニューヨークを離陸した若き飛行士チャールズ・リンドバーグがパリに到着、世界初の大西洋単独無着陸横断飛行に成功したのだ。そして夏も終わろうとしていた九月三十日、アメリカはもうひとつの快挙にわいた。ニューヨーク・ヤンキースのベーブ・ルースがシーズン六〇号ホームランを放って大リーグ記録を塗り替え、鮮烈な記憶を人々の心に刻んだ。一九二七年のこの五カ月間、それは二十世紀のアメリカにとっていちばん熱い夏だった。
 向こう見ずな冒険、常軌を逸した情熱、底知れない楽天主義と悪徳の栄え――。著者は、一九二七年の夏を駆け抜けた有名無名の人々の生きざまを、ウィットとユーモアを織り交ぜた軽妙な語り口で色彩豊かに描き出し、悲喜劇とも言うべき群像劇に仕立て上げていく。本書は、アメリカという大国が初めて世界の表舞台に存在感を示した五カ月間の、情感豊かな歴史物語である。「ひと夏」という小さな窓から激動の二十世紀の胎動を展望し、名手ブライソンがストーリーテラーとしての真骨頂を発揮した作品。

感想・レビュー・書評

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  • 1927年6月から9月のアメリカでは、歴史を変えるような様々な出来事や事件があった。 わずか4ヶ月の間に起きたことを詳細に紹介し、その後の経過影響を考察する。 この本には、多くの人達が登場するが、メインはリンドバーグ。 彼の大西洋横断飛行は、世界を広げ多大な影響をもたらした。その他にもベーブルース、ヘンリーフォード、アルカポネなどの有名人たちや、今は無名となった人たちも多く紹介されており、著者の見解も含めて大変面白く読めた。
    リンドバーグについては、昔伝記を読んだことがあり、彼の生涯についてはだいたい知っていたが、彼の成功の前には数人の大西洋横断の挑戦者がいたらしい。 彼らの話も興味深かった。 今では航空界の常識となっていることでも、航空創成期には知られていないことも多く、笑い話では済まされない話も多かった。
    ベーブルースについては、子供の頃、野球界の偉人として伝記を読んだが、今は Amazon を探しても伝記の類はない。 子供向けの本はあるが、おそらく良い話しか書かれていないだろう。 最近、二刀流選手の大谷と比較されることが多いので、興味深く読んだ。当時の野球(選手たちの生活や野球の内容)を知ると、今とは違って荒っぽくて厳しい環境だったことがわかる。 ベーブルースは、ホームランの魅力を広めて人気者になったが、私生活はひどかったらしい。酒や不倫などお構いなしの私生活でとても偉人とは呼べない人だった。今だったら、メディアやネットで大炎上していたかもしれない。 彼の驚くようなエピソードも満載で面白かった。
    アルカポネは、実質2年間のギャングボス生活だったのは意外だった。ヘンリーフォードも、実は大して能力があったわけではなさそう。 また当時の大統領達も、能力としては大した人物ではない。そう考えると、この時代で成功するには、能力や実力よりも幸運に恵まれることが大いに必要だったことが分かる。 逆に運のなかった人も多く紹介されていて、成功者と対比されている。 人権にうるさい現代だったら、救われた人も多かったと思う。 600ページ弱の本だが中身はそれ以上に濃くて面白かった。

  • T型成功後のヘンリー・フォードの変人ぶり
    知っているつもりの歴史的「事実」がいかに、極々一部の情報に過ぎず、時には間違って伝わっている/理解していることも多く、あるいは逆に後年のほうが客観的・俯瞰して捉えることができて、むしろその事象が起きた同時代の人々にはきちんと伝わっていなかったり、ということがよくよく理解できる一冊でした。分厚くて読み通すのに時間がかかりましたが、幸か不幸か、図書館で借用した直後にコロナ騒ぎで一時閉館になり、普段は2週間の貸出期間が1ヶ月以上となったのが幸いして読み通せた次第です。

  • 歴史

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/one_summer_america_1927.html【書評】『アメリカを変えた夏 1927年』〜アメリカが繁栄を謳歌した戦間期
    http://naokis.doorblog.jp/archives/lindberg_baberuth_1927.html【書評】『アメリカを変えた夏 1927年』〜今日の技術や文化が普及した年


    <目次>
    プロローグ
    5月 ザ・キッド
    6月 ザ・ベーブ
    7月 大統領
    8月 無政府主義者たち
    9月 夏の終わり
    エピローグ

  • 沢山の人がでてきすぎて,トリビア集のようになり,読み疲れる.

  • 長く重い本だが、圧倒的な情報量(話のネタ)と辛辣かつウィットに富んだ批評眼で、最後まで飽きさせない。

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著者プロフィール

[Bill Bryson]旅行記で有名になる。近年は革新的な本『人類が知っていることすべての短い歴史』(新潮社)によって一般読者に科学史を紹介。最新の本『The Life and Times of the Thunderbolt Kid』では、1950年代のアメリカで育った自叙伝を執筆している。

「2018年 『ニュートンとコーヒータイム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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