寝るまえ5分の外国語:語学書書評集

著者 :
  • 白水社
3.93
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本棚登録 : 463
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560087275

作品紹介・あらすじ

すぐれた語学書は限りなく文学作品に近づく
 書店の語学書コーナーを端から端まで眺めているとアヤしまれる。世界の絵本や小説を読むことは奨励されるけど、さまざまな外国語に興味を持つのは珍しいのかも。でも、いろんな言語について読む楽しみもある。各言語の語学書(ゴガクショ)には文法や会話表現だけでなく、それぞれの世界の魅力が詰まっている。著者曰く「語学書は文学書と同じように、ときに感動することもある。目の前に新しい世界がどんどんと広がっていく感動。そんな語学書もあるのだ」。さあ、ゴガクショを読もう。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の『その他の外国語 役に立たない語学のはなし』を先日読んで面白かったので、すぐに本書も図書館で借りた。

    語学書の書評集なんて初めて読んだが、これがまた非常に楽しかった。
    隅から隅まで読んだ。

    本書には、私が図書館で借りた1冊、購入して全ページやり切った問題集が1冊、購入した辞書が1冊、取り上げられていた。

    「白水社しくみシリーズ」については、ブクログ本棚にタグを設定していて、今のところ4冊読了して登録してあるが、本書でも取り上げられているこのシリーズが私は好きだ。

    本書に、NHKテレビドイツ語講座の先生だった小塩節先生のことが書いてあったことも嬉しかった。
    立派な言語学者の黒田先生と、凡人の私の間に共通項など無いが、ただ同年代ではあるので、黒田先生と同じく私も高校生の時に小塩先生の講座番組を観ていた。
    そして、40数年前のテレビの向こう側の先生のフルネームと風貌を私もいまだに覚えている。

  • 3度目。見返しと同じ色(表紙も)の遊び紙がついていて素敵な装丁です。そして使われている挿絵は私が(黒田センセイも)フランス語学習書として最初に買った『林田フランス語教室』のものです。そしてそして私が大好きなキヨオカトモヒコセンセイのことを「日本の語学教育界の革命児」と称えています。
    楽しみのために語学書を読むってのはありだと思わせてくれる良書です。


    1度目の感想‐--
    久々の黒田先生の本。わくわく。
    あまりにおもしろいので読み終わらないうちに買ってしまいました。久々にモーレツに語学学習したくなりましたよ、黒田先生。
    P193より,まず単語および例文を発音して、先生から丁寧に直してもらう。音読しながら例文をすべて暗記する。簡単な単語テストでつづりを確認して、それから音声教材を聴きながら和訳練習。さらにはその逆訳ということで日本語を読み上げてもらってそれを外国語に直す。最後は学習した例文を使って会話をする。

  • 語学が苦手である。社会人になってから何度か英語をやり直そうとしたけれどうまくいかず、
    他の言語にも手を伸ばしたが、上達する気配はない。
    外国の方とスムーズにコミュニケーションしている人を見ると、素直にすごいなと思う。

    本書は、語学書の書評集。
    「そもそも実用100%の語学書に書評が成立するのか?」という疑問は、しかし、いい意味で裏切られる。

    筆者の黒田龍之介さんは、言語学者でありロシア語の教師であると同時に、数十か国語を学ぶという経歴をお持ちで、その語学書の優れているところの紹介だけでなく、その言語を学ぶうえでの自らの苦労話や、その国にまつわるエピソードをうまく散りばめて外国語(とその国)をめぐる洒脱なエッセイに仕立て上げられた。

    また、単なるエッセイというだけでなく、怠惰な学生を学習に向かわせるための教師としての腕前も相当なもの。たとえばこんな感じ。

    『解説がくわしいスペイン語の作文』にはホセとカルメンという隠れキャラが登場する。
    P49で初めてホセとカルメンが登場する。「カルメンとホセはうまくいってないような気がする」
    ふーん、カルメンとホセは付き合ってるけどうまくいってないんだ。
    P68「私が食事をしていると、ホセから電話がありました」
    きっと、カルメンの話だろうな。
    P104「僕はカルメンは結婚してると思うよ。- 私はカルメンは結婚してるとは思わないわ」
    カルメン、一体どんな女?ホセは大丈夫?
    P114「ホセは本当のことは知らないかもしれない」
    ホセかわいそう…
    P114「ホセを愛してる人なんて誰もいない。彼はすっごい感じが悪いからね」
    ホセ~!
    果たして、ホセとカルメンの結末は…

    語学を学ぶ楽しさを知り、また勉強したくなること請け合いの書評集。

  • 珍しい、語学書の書評集。面白かったです。
    日本に帰ってきて1年半弱。あんなに必死で勉強して、毎日使っていた言葉を忘れかけていることに危機感を覚えていたため、自分のお尻を叩くつもりで読みました。

    さすが専門家。専門外の語学書も大変楽しそうに読んでいらっしゃるし、言葉のプロであるが故、エッセイとしてもとてもレベルが高い一冊。

    学ぶ予定のない言語の難しさや魅力をかじることができた上に、外国語を学ぶ際に共通するコツや学習法も確認できました。

    早速、紹介されていた語学書をAmazonのカートに入れました。当たり前だけど、言葉は継続が必要かつ重要。
    完全に忘れてしまう前に、毎日数分でも外国語に触れる時間を設けなくては。

  • もっと語学書は愛されていい。

    語学書は、それぞれの学習スタイルがあるから、その良し悪しを論ずるのは不可能なのではないか。そう思って読んでみたが、その考えは間違っていた。良し悪し、ではない。それぞれの語学書の性格やスタイルを紹介していく、大変面白い本だった。この語学書で勉強してみたい、と思うものが、いくつもあった。例文集や会話を抜き出したものは、思わず笑ってしまった。著者の限りない語学書への愛を感じると同時に、語学書を書いている先生方の苦労や工夫にも頭が下がる。

  • まさに黒田さんの真骨頂っていう感じの楽しい一冊でした。楽しいし読みやすくてあっという間に読み終わってしまいました。

    語学書を書評する、というあまり無い試み。いろんな言語を愛する黒田さんだからこそ為せる技だと思います。いつも以上にいろんな言語やってみたいなーとわくわくしました。

    全然勉強したことのない言語の語学書も、とりあえず読んで書評を書くってすごい。斬新。

  • 流し読み

  • 語学書の書評を書こうと思う発想がもう鬼

  • 語学書の著者による語学書に関するエッセー。当然ではあるが、対象はほとんどが白水社の書籍。一冊に対しておおむね見開き2ページの構成。半分以上は絶版のものなので、学習の参考にするためというよりは、語学書マニアが語学書に対して抱く感想に共感を抱くために読む、という視点。

    語学書の時代に合わせた工夫の変遷が垣間見えて興味深い。

  • 英語
    ことば

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著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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