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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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彼ら(刃物師派/記入者補足)の祈りはただ一種類、哀歌しかない。それを彼らは聖歌と呼ぶ。一方で、唯一の儀式は、精子の奉納だ。彼らにこれ以外の祈り方はない。彼らによれば、神は人間とはかけ離れた存在で、人間と似たところなどなにひとつないし、神が人間の祈りなど、理解できるわけはないのだ
― 264ページ -
会話はものごとをだめにする。混乱の種を蒔き、明晰さを薄めてしまう。会話をすると、わたしのなかに、震えが走る。わたしはいままで生きてきて、なにか本当に大事なことを、口にしたことがあるとは思えない。
― 330ページ -
朝、彼女は銀行で、書類の山にかこまれてコーヒーを飲んでいた。外は水っぽい雪が降り、降ったそばから溶けていった。湿気はセントラルヒーティングで暖められた銀行のなかにまでしみとおり、ハンガーに掛かったコートや合皮でできた婦人用ハンドバッグや、ブーツや顧客までもが、そのせいですっかりじめついていた。そしてこの特別な日、信用貸部門責任者のクリシャ・ポプウォフは、生まれて初めて自分が、完全に、徹底的に、絶対的に、恋していることを悟った。この発見は、顔をぴしゃりとたたかれたみたいに強烈だった。
― 37ページ
みんなの感想・レビュー・書評
『あのイエスでさえが、ばかげた誘惑に抗えなかったのに。彼は悪霊に憑かれた者を癒そうとしてこう尋ねた。「このようになったのは、いつごろからか」(マルコによる福音書9ー21)でもおそらくいちばん大切なのは、そのとき目の前で起きていることだけ』-『マルタ』 『わかったのである。いかなる白も、自然に反すると。白は自然界には存在しない。雪でさえ白くはない。グレーだったり、黄色だったり、輝く金色だったり... 続きを読む »
すべて、人も地面もつながっていて、半分生きていて半分死んでいるようなものとして、世界が書かれている。粘菌的とでもいおうか。
因果関係を見たり重みをつけたりすることなく、隣のお婆さん、茸、性同一性障害の修道士、インターネットなどなどが、常温の筆致で並べ置かれる。そういうものが積み重なった腐葉土の上に、わたしたちが生えているという気持ちになる。
常温だからほのぼのかというとそうではなく、挿話に出てくる人々はあっけなく死に、消えていきもする。激しさはないのに、酷薄にさえ感じるトーンが独特だった。
一本一本は短いが、それぞれがつながっていて、文章は白いのに何とも言えず幻想的。不思議な魅力に溢れた、読むとキノコと神とでいっぱいになる本。
絵の質感とタイトルがいいなと思って。抽象と具象のバランスが妙。
この絵は、アリツィア・ウルバニャックの「秋」
http://www.asteion.co.jp/alicja.htm
「昼の家、夜の家」という小説の最初の一編(1.5ページくらい)読みました。この小説、幻想的な断片を集めて長編にした感じで、思えば同じポーランドのシュルツみたいな感じ。なんだか汎神論の神みたいな視点に立ってこれからの舞台を眺める、という導入部的なところ。家の中には人間が、人間の中には血液が、と家と人間を対比・類推しています…ってことは、このタイトルは… えーっと、この小説、ポーランドで電子書籍とし... 続きを読む »
メリット:表紙がいい。訳文のリズム感がいい。作中に登場する文学的な略伝を愉しめる。摘み読みができる。寝転がって読める。などなど。。
デメリット:通読には向いていない(途中で中弛…)。メタファーが強すぎる(文字どおり理解するほうがいい)。キノコに象徴されるように、日本と波蘭との距離感が遠すぎる。等等…。
個人的には、後半よりも前半のほうがよかったです。まんなかぐらいで読むのをやめてしまうのも、ありかと思います。印象がわるいのは、国境線をまたぐ遺体のくだり。安っぽくて興醒めです。
ポーランドとチェコの国境付近にあるノヴァ・ルダという町を舞台とした小説。主人公の身の回りのことをつらつらと書いていくのかと思いきや、あるときはインターネットの話、またあるときは聖人伝、そしてキノコ料理のレシピと、いろいろな話が次々に出てきます。
全体として、どんな話なのかをまとめろと言われると、かなり困る本ですが、何か不思議な感じでついつい読んでしまうんですよね。簡単なわかりやすい本ではないですが、こういうのも良いかなと。
110201*読了
初のポーランド文学。図書館でなんとなく惹かれて手にとったのですが、その後すぐに毎日新聞の書評に取り上げられていてびっくりしました。ポーランドの端のとある村の物語。だけではなくて、本当にさまざまなものが組みこまれていて、神話あり、レシピブログありな、こんな小説ってあり!?と思ってしまう、その変わった形式がすばらしい小説です。東欧の文学に触れることってあまりないのですが、これからは要チェック。
チェコとの国境にあるポーランドの土地(ノヴァ・ルダとその周辺)を舞台とする、様々な物語をコラージュし、シャッフルし、再構築したような、少し不思議な、そして目眩のするような印象の物語。タイトルの「昼の家」は、人間の意識、「夜の家」は夢や深層意識を指す、と、訳者解説にはある。 不思議と「足場のしっかりとした不安定さ」という、矛盾したものを感じる小説でした。どこかフワフワとつかみ所がない感じ。そう... 続きを読む »
個人的には「怒濤の読書」という体調でもないので、少しずつ読みながら、まだ読了してはいない。刊行は2010年だから「今年(去年?)の1冊」に入れるわけにもいかない。でも、とってもいい本に出会った、というような感覚は、確かに、ある。昨年末にいただいた図書カードは、これに使ったんだ、だから大事にするんだ。カヴァーもいいなあ、「キノコが重要モチーフ」って言われたら、私、抗うわけにはいかないじゃん。何分の一か読んだだけなのに☆5つにします。そのへん、みなさんはご勘案ください。

読み進めない!
関連性が無いような有るような短い文がたくさん続いていく。
そのひとつひとつは面白い。
が真っ直ぐにストーリーが進む訳ではなく、先に読んだ話がわずかに形を変え再び語られることに、や...





