- Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560509401
作品紹介・あらすじ
十三世紀初め、大学は、ボローニャなどで誕生した。このヨーロッパ・モデルが世界中へと広がり、それぞれの地域で独自に成長をとげていく。本書は、その足跡をたどり、制度の変容と、繰り返されてきた改革について紹介する。大学をめぐる議論が高まるいま、必読の解説書。
感想・レビュー・書評
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◆5/24 シンポジウム「自由に生きるための知性とはなにか?」と並行開催した「【立命館大学×丸善ジュンク堂書店】わたしをアップグレードする“教養知”発見フェア」に登壇者の推薦書としてご紹介いただきました。
http://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/news/article.html/?id=22
本の詳細
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b207412.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学をめぐる議論が高まる今、必読らしい。
世界史とか地理の前提知識があると更に理解が深まったかも。
この本だけなのか、このシリーズが全部そうなのか、活字が通常より一回り小さいのが少しつらい・・・ -
誕生から第二次大戦まで、どのような歴史を大学という制度は経てきたのかが淡々と述べられている。我々にとって大学とは何のためにあるのだろうか。この問いを考えるとき、大学の起源にさかのぼらねば見えてこないものがある。
大学は当初、教師と学生とからなる自律的な自治的な「組合」的な組織だった。そして、大学の歴史は権力に翻弄される歴史だ。どの時代でも権力の介入があり、自治が脅かされるときが多々あった。この本では第二次大戦以後のことには書かれていないが、日本の大学の現状はどうだろうか。日本において大学改革は何のためになされたのか。実際に学生として大学にいる我々は大学という制度に対してどのような姿勢を取るべきなのか。そう、権力に対する批判の精神を忘れているのではないか。本当の学問の場所を維持するためにいつだって我々は立ち向かわねばならない。
大学の歴史を知ることはその一つである、と解説にも書いてあったと思う。解説がとても熱い。本文とけっこう温度差を感じてびっくり。少々読みづらい文章だが、非常に勉強になる本だと思う。 -
12世紀のヨーロッパで大学が生まれてから今日に至るまでは、
まさに「大学改革」の連続の歴史である。
最後の著者でないものによる「解説」で、
日本の自虐史観が滲んでいて残念。よって★は1つ減らす。
明治期の先人たちの功績は大学史上も輝いていると思う。
国際的に比較しても、高等教育制度の導入は
うまくいっているようにみえる。
「大学とは、教師と学生が連帯して生み出していく自律的な共同体であり、
そこでは高い水準で諸科目の教育がおこなわれる。」-序文より-
<キーワード>
過去から相続してきた知的遺産
過去の知と革新的なものとのジレンマ
教会 国王 勅許
ボローニャ・パリ・オックスフォード大学
ナチオ→ウニヴェルシスタス 組合
キリスト教の布教、役人の養成・政治 国家
トリウィウム三学:文法学・修辞学・弁証法
クワドリウィウム四科:算術・音楽・天文学・幾何学
P.68 貴族学生
P.82 近代化への欲望
1860年以降:
個人の自己実現、国の国民統合、発展のための労働の担い手、
女性の社会進出に大学は重要
1862 モリル土地法
アメリカが、教養教育と専門・技術教育を結びつけた
フランスは相変わらずグランゼコールがエリートを養成
1945年以降
大学に係る人口増
教育の多様化・行政の錯綜
教育と研究の絆の維持
日本
アメリカ・モデルへの大衆高等教育への早期参入により大国に