プロセス・コンサルテーション―援助関係を築くこと

  • 白桃書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784561131403

作品紹介・あらすじ

健全な援助関係は効果的なコンサルテーションを行うのに不可欠である。助言者がODコンサルタントであろうと、あるいはセラピスト、ソーシャルワーカー、管理者、親、友人であろうと、助言者と被助言者との間のダイナミクスを理解し管理するのは容易ではない。コンサルタントとしての40年を越える経験をもとに、シャインは援助の一般理論と方法論を構築している。これによって、さまざまな読者集団が、うまく援助プロセスを進めていくことができるようにしてある。

感想・レビュー・書評

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  • R.I.P.シャイン先生ということで長らく積読だったこちらをやっと読みました。英治出版から出てる一連のシャイン本に比べると訳が硬くて読みにくさがありますが、プロセスコンサルテーションについて素晴らしく網羅的に解説されています。最近の言葉で言えばシステムコーチング的な視点がかなり丁寧に織り込まれていて、すべての現場でここまで丁寧なプロセスを踏めるわけではないけど、それでもじゃぁ何が省略されることになっていてどんなリスクがあるのかを考える上でもコンサルを名乗るなら読んでおきたい一冊。

  • <シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/464027

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99715956

    薬剤師や看護師など、対人支援を行う職業の人は読んでおくべき必読書です。もちろん、親、教師という立場の人も。 (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 表現が難しく読みずらかった。コンセプトは理解できたが、これを実践できたと思えるようになるには時間がかかる。ただ先輩は皆これを読んでいるんだろうという実感は持てた。

  • コンサルテーションの実践する上での方針や心構えについてまとまっている本です。著者が提唱している「プロセス・コンサルテーション」という援助の仕方が主な内容であるが、コンサルテーションに限らず援助に関する様々な分析・考察に溢れています。
    分析や考察はよく一般化されていますが、現実的なものが多く、自身の経験と対応付きやすいものが多かったです。そういった分析や考察が、質問方法やコミュニケーション、介入などの援助に関する様々な項目について語られており、視野を広げることにも繋がります。
    文章が内容的に詰まっていることもあり、ページ数の印象以上に読むのにパワーがいる本ですが、私にとって援助に関して困ったことがあれば読み返せるような教科書的な一冊になると思います。

  • # 書評☆3 プロセス・コンサルテーション | 本当の問題の解決には,当面の質問への回答は慎重に

    ## 概要
    過去に読んだ「[人を助けるとはどういうことか](https://senooken.jp/blog/2019/02/25/)」で引用されていて興味を持ち,本書を読んだ。

    著者のシャインが実践してきたプロセス・コンサルテーションについて書かれている。プロセス・コンサルテーションの原則を示し,シャインの経験談を元に,どうすればよい関係を築けるかが書かれていた。

    読んだ感じだと,けっこう堅苦しい感じで,やや読みにくかった。一般の人であれば,「人を助けるとはどういうことか」をちゃんと読んで実践すれば十分なように感じた。

    ## 参考
    > ### p. 15: 第1章 プロセス・コンサルテーションとは何か?
    > 当面の質問に答えるのが危険なのは,そうすることで会話は終わってしまい,隠れた問題が表面に出てくるチャンスがなくなってしまうからであう。

    支援の関係として,質問に対して回答するものがある。しかし,このやり方はあまりよくない。それがここで書かれていた。よく「質問に対して質問で返すな」とはいうが,質問に対して質問で返さなければ,本当の問題は解決できない。

    > ### p. 82: プロセス・コンサルテーションの一般的原則10ヶ条
    > 1. 常に柄らになろうとせよ。
    > 2. 常に目の前の現実との接触を保て。
    > 3. あなたの無知にアクセスせよ。
    > 4. あなたのすることはどれも介入である。
    > 5. 問題を抱え,解決法を握っているのはクライアントである。
    > 6. 流れに身を任せよ。
    > 7. タイミングが極めて重要である。
    > 8. 真っ向から対決する介入については建設的オポチュニズムであること。
    > 9. 全てはデータである。誤りは避けられないが,そこから学習せよ。
    > 10. 疑わしい時は,問題を共有せよ。
    >
    > 私の観点からみてうまくいかなかった例では,例外なくこれら10原則うちのどれかを破ってしまっていた。同様に,私は暗礁に乗り上げ,次の何をすべきかわからない場合は,この10原則を思い出すことにしている。

    プロセス・コンサルテーションの原則が書かれていた。この10原則がこの本の全てといってもいいだろう。

    巻末の12章にもこの原則が簡潔にまとまっているのでこちらも参考になった。

    ## 結論
    シャインの代表論であるプロセス・コンサルテーションについて書かれた本だった。

    援助関係を築くために重要な10の原則を元に,どういう過程でこの原則が導かれたのか,シャインの実体験を元に書かれており参考になった。

    ただし,内容はやや固かったので若干読みにくかった。援助関係について知りたければ,「[人を助けるとはどういうことか](https://senooken.jp/blog/2019/02/25/)」のほうが読みやすかったので,こちらもオススメしたい。

    パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/04/11/

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著者プロフィール

マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院名誉教授。



1972年から1982年までの間、組織研究グループの学科長を務める。産業心理、組織心理に関するアメリカ心理療法士協会の資格をもち、アメリカ心理学会の会員。NTL協会においてグループトレーナーを務め、アメリカやヨーロッパ諸国において組織文化、組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミックスについてコンサルティングをおこなう。



クライアントにはチバ・ガイギー、シェル・インターナショナル、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)、ゼネラル・フーヅ、IBM、アップル、ポラロイドなど国際的に有名な企業が数多く含まれる。



ゴードン・ハーウィック賞、社会科学研究会議の研究員、組織開発への貢献により、ASTD賞を受賞。


「2019年 『Dr.シャインの実践:対話型プロセス・コンサルテーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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