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みんなの感想・レビュー・書評
綺堂さんの「初めて本」
玉藻の前の妖しい魅力が読者の自分にもオーラのように降りかかってくるようでした。
金毛九尾の狐の伝説を、半七捕物帳の作者が悲しい恋物語として表したのが本書。九尾の狐伝説ってこんな話だったのか・・・まず、タイトル読めんかった・・・天竺から中国に渡り殷を滅亡に導き、絶世の美女として日本の宮中に潜入しようとする。そこに表れるのは陰陽師安倍晴明の子孫とその若く悩める弟子。この作品が何年に書かれたのか確認していないのですが、昭和14年に著者は亡くなられているので、かなり前のはずなのです。全く古びない作品。半七捕物帳でも感じたのですが、描かれる情景には詩情さえ感じられます。浄瑠璃や歌舞伎を取り込んでいるとう、その言葉の選び方が凄い。岡本綺堂、すごいです。図書館で偶然見つけたのですが、この伝奇小説は何巻かのシリーズになっているようです。また楽しみが増えた。
世を乱さんと現われた絶世の美女、玉藻の前。妖としては有名だが、本作は玉藻と幼馴染みの少年の恋物語が描かれている。互いに敵対する陣営に身を寄せながら、切れない縁と情愛に胸をかき乱す2人の姿が切ない。最後に少年がとった行動に、読み終えてほっとため息が漏れた。
愛する三浦介義明と上総介広常の若かりし頃の活躍が見たくて。三浦は若くはないけれど、石橋山と比べたら。記憶違いか、千葉さんも討伐組にいたような気がしたのだけど。
衣笠がとばっちり過ぎて、三浦のおじいちゃんを慰めて差し上げたい。あと隣の翁が癒し系過ぎて孫になりたいくらい。
「飛騨の怪談」のお葉といい玉藻といい、綺堂の「悪女(道徳から外れてしまった人)」の魅力的なこと!
それにひきかえ千枝松のへたれていること!
しょうもなさが一周して最後には好感を持ってしまったじゃないか。
…うん、あれは玉藻様もほだされちゃうよね。しょうもなさすぎて。
紡ぎだされる世界の美しさにうっとりしているうちに物語に引きずり込まれて、あれよあれよという間に読み終わってしまった。
「封神演義」を読んでおいてよかったと初めて思った。
玉藻コワイ!千枝ま、最終的にはくっついたってことでええのかしら。
衣笠がとばっちり以外のなにものでもない……
金毛白面の者にうしとら思い出してニヤニヤしたのは内緒だ。ってかモチーフが同じなんだから当たり前なんだけども。
我が国の優れた恋愛小説家の作品を集めてアンソロジーを編むとしたら、彼も入れるべきじゃないだろうか。
「番町皿屋敷」の翻案といい、よく知られた九尾の狐の伝説の翻案であるこの物語といい・・・岡本綺堂って、ロマンティスト。






