誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
3.37
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本棚登録 : 119
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562038893

作品紹介・あらすじ

あの日、あの新潟の大地震の夜、私たちは拉致され、ある小さな島に監禁された。誘拐者たちは「おまえたちに、あの罪を認めさせるため」に連れてきたのだという。復讐だった。今にも私たちを殺してしまいそうな怒りだった。その夜、ひとりが木の枝で刺されて死んだ。しかし、私たちの誰も気づかずに、彼女を殺せたはずがないのだ。犯人はどうやって「そこ」に入ったのか。そして次のひとりが死んだ…。誰が生き残ったのか、そして誰が殺したのか。作中作に秘められた「愛」がすべての鍵。

感想・レビュー・書評

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  • すご……( °_° )

    これは予想外……!!
    めっちゃおもしろいんですけど!!

    一部好みが割れるかなぁと思われますが、私は大好きな作品です!⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝



    飛鳥部勝則さん、なんて天才なの!!‎߹ㅁ‎߹)♡
    惚れる!!

    『ラミア虐殺』もおもしろかったのですが、この『誰のための綾織』が好みすぎる……♡

    天才的な発想のミステリとして完璧!

    孤島+作中作+密室でミステリ好きにはたまらない。

    加えて、綴られる彼女の『愛』が伝わる文章。
    愛ゆえの行動が好き。

    不気味なモノと美しいモノが混交し、なまめかしい描写。

    宗教を都合の良い解釈で正当化し己の悦楽の材料にするとかもうたまらない(º﹃º )


    暴力的な描写が出てくるので好みが割れるかもしれません。

    ですが、冒頭の絵画に魅入ってヒントを探してしまう事でしょう。


    山本タカトさんの挿画も美しすぎます(〃´-`〃)♡

    めちゃめちゃ好みな作品です!!
    天才!

  • 殉教カテリナ車輪以来。この作者は面白いです。
    少女が書いた手記(自殺した別の少女の復讐として孤島での連続殺人の記録)は果たして、誰のための綾織なのか?
    事件自体はグロテスクであり、少ない登場人物でのフーダニットなのですが、バリバリの仕掛けの込んだ小説になっています。
    なんかとある騒動があり、絶版みたいなので図書館でどうぞ。

  • ミステリ。ホラー。
    作中作。誘拐。クローズドサークル。
    意外な結末ではあるが、それほど驚かなかったかな…。作中作での結末があまり好きでなかったのが残念。物理トリックは平凡。もう一つのトリックは、何作か同様のものを読んだことがあった。
    ホラーっぽさを感じる、陰鬱な雰囲気は好き。

  • あの日、あの新潟の大地震の夜、私たちは拉致され、ある小さな島に監禁された。
    誘拐者たちは「おまえたちに、あの罪を認めさせるため」に連れてきたのだという。
    復讐だった。
    今にも私たちを殺してしまいそうな怒りだった。
    その夜、ひとりが木の枝で刺されて死んだ。
    しかし、私たちの誰も気づかずに、彼女を殺せたはずがないのだ。
    犯人はどうやって「そこ」に入ったのか。
    そして次のひとりが死んだ…。
    誰が生き残ったのか、そして誰が殺したのか。
    作中作に秘められた「愛」がすべての鍵。
    (アマゾンより引用)

    いや~、騙された!!
    完全に最後やられた(((゜Д゜;)))
    そう来たか~、な結末。
    結末をすべて知った上でもう一度読み直してみたら違ったふうに物語がはっきり見えるかもしれない。
    面白かった!!

  • なんやかんやあって絶版回収重版未定らしいですが、そんな状態にしておくには勿体無い妖しい企みに満ちた怪作です。
    構成は、物語のほとんどを占める作中作「蛭女」を現実パートでサンドイッチという仕組み。
    この作中作は、登場人物こそ狂っているものの、オーソドックスな展開で、密室の真相自体も巧妙ながら、ありがちなもと言えるでしょう。
    本書の白眉は、作中作外で明かされるとある仕掛け。この仕掛け自体は前例がありますが、真相が突飛すぎて開いた口が塞がりませんでした。
    しかし、さらに明かされるもう一つのネタで突飛とは言うものの、全くのアンフェアではないことが分かります。ただ、全てを見通せる読者はおそらく存在しないでしょう。
    伏線は相変わらずしっかりと張られているのですが…
    ある程度ミステリに慣れているとより楽しめる作品かと思います。

  • <盗作疑惑の絶版本>というので野次馬根性出して借りてきた。(出版社からの絶版&回収のご報告の文章が貼ってあるご丁寧な図書館…)で。本格推理小説の禁じ手風味もの。それは良いし、まぁそうでしょうねって思うけど…(東野圭吾「名探偵の掟」大好きだしこの手のものも込みで本格でしょ、と個人的に思ってる)何が嫌って、男が書いた女!って感じるとこが嫌。密室殺人って(私にとっては)極上のファンタジーなのに、男作者の妄想が透けて見える女登場人物じゃファンタジー感激減なんだもん。(東野圭吾の大部分はそれで嫌いなのだし)むー。

  • 作者が本書にて「面白ければミステリーに禁じ手など存在しない」と豪語していましたが、「密室トリック」や「犯人設定」は前例があるネタだったのでやや残念。ただ、推理する材料がキチンと揃い、極めてフェアな作りになっているのは好印象てす。
    また、「蛭女」「プロローグ」「エピローグ」「あとがき」全てを組み合わせることで全体像が浮かび上がる大技がお見事で、ミステリー史上に残るグッドアイデアで、トータルで見れば良作と思います。

  • メイントリック?は親切にも解説してくれるので、某作品よりは納得できるかな。絶版にしておくにはもったいない。

  • ちょっと合いませんでしたね。仕掛けは興味深いですが、オチは、あ、そうという感じでしたし。面白く感じられなかったです。
    ミステリとして、そして禁じ手にチャレンジする試みとしては、良くできていると思うのですが、物語には引き込まれなかったのです。

  • 作者らしい、不思議な読後感が楽しめる。表紙、題名、文章も良い。

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