山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
3.65
  • (34)
  • (82)
  • (95)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 436
感想 : 82
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562041510

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  刀城言耶シリーズの長編。
     今回は金が取れると言われている山を中心に、わらべ唄になぞらえて人が殺されていくという見立て殺人である。

     今回はほとんどが刀城言耶の冒険譚であるが、やはり冒頭にとある青年によって書かれた追憶小説が冒頭にある。
     刀城言耶によって、いくつもの謎が箇条書きにまとめられるため推理しやすい。
     また、物語終盤にとある事実が明かされると今までの謎が全て明かされる爽快感は相変わらず。
     バラバラや遺体の焼却など、見立てるために取った手段がエグいし、終盤に一気に3つの死体が見つかる所はスピード感がある展開。また、生き残った子供視点の三人が襲われる様子はとても怖い。
     事件を犯したのは人ではあるものの、犯人には同情すべき点もある。これほど残酷な行いをしてしまったのは「山魔」に取り憑かれたためか、それとも異常な状況に置かれておかしくなってしまったことを「山魔に取り憑かれた」と表したのか。

  • 山奥の排他的な村、妖しい童唄、見立て連続殺人…。ワクワクするしかないです(笑)

    言耶目線の為説明調になってしまうのと、似たような名前が沢山出てくるので、いつもより多少読みにくさを感じますが、やっぱり面白い。

    ホラーよりミステリが多めですが、立春が追われてる所はやっぱり怖すぎです。

    最後の「主な参考文献」の中に「郷木靖美氏の未発表原稿」が書かれてるところが細かいです!

  • 伸びた手は?

  • 田舎と伝説と家対決と…みたいなおどろおどろしい感じとても良かった。唄のなぞらえとかもあって、古典みもよし。ただ解決編はアクロバティックだったような…気も…。割と淡々と進んでいくので途中だれてしまったなあ。

  • かなり以前にシリーズ3作目まで読んでましたが最新作がこのミスでランクインしていたので続きを読み始めました。登場人物も多くややこしい話ですが、よく読んで推理展開についていければ楽しめます。

  • 刀城言耶シリーズの4作目。
    順番に読み進めてるけど、少しずつ読みやすくなってはいる(筆者が書き慣れてきたのか、私が読み慣れたのかは不明)

    ただとにかく毎回似たパターンだな、という印象。
    ・当て字的で読み難い人名や地名
    ・まわりくどい描写
    ・二転三転して結局すっきりしない謎解き

    探偵がみんなの前で推理を発表して一応の解決をつけたはずなのに、「その後」的要素の部分でまた真犯人指摘…しかもそのオチになったところですっきりするわけでもなく、「あー…まあ、そう言われれば成り立たなくはないけど…」みたいな。

    というか、このシリーズは推理披露の時間になっても探偵の推理が二転三転するのがお決まりのパターン。小説として読んでる分にはまだ受け入れられても、現実にその場で付き合ってる刑事とかだったら、もっとまとめてから話せって言いたくなると思う…


    <以下、1~3作目のネタバレもあります。未読の方ご注意ください>

    このシリーズは今回に限らずトリックがいまいち非現実的ですっきりしないことが多くて、動機にいたっては常人ではいまひとつ理解しにくい(殺人をおかすほどのものとしては弱い)ように思う。だから推理の過程で細かい伏線を回収されても、「う、うん…」みたな勢いに流される消極的な受け入れしかできない、というか。

    例えば、この方、たぶん入れ替わりトリックみたいなのが好きなのかなと思うんだけど、実際はそんな入れ替わりって簡単じゃないし、実は○○と××が同一人物で、さらに実は…って、極めて非現実的だと思う…。それでもシリーズ中に1回程度なら「ああ」って思うんだけど、前作まで(どの話だったか忘れてしまったんだけど)にも似たようなネタがあったような…というわけで、なんかそのあたりも重なってるかな。

    と、なんか文句を書き連ねてしまったのだけど、ホラーとミステリー(本格ミステリー)の融合ってすごく面白いと思うし、このジャンルがにぎわってくれたら嬉しいので、がんばってほしいな…ちょっと時間をあけて、次作もたぶん読んでみます。

  • 面白いんだけど首無と続けて読むと、やはりこちらはやや物足りない。幾らなんでもそりゃないぜっていう感情が一人二役の下りでムクムクとおきた。
    最後の殺人の描写、最後に残ったのはやまんまぁのとこ、確かに動機の整合性を感じるが、いくらなんでも怖すぎる。シリーズで一番怖かった。

  • 今回も犯人か!?と思った人物が犯人じゃなくて二転三転する。
    面白かった!

  • 山魔の正体は結局動物の見間違い?だったのか…?
    今回はホラーよりもミステリ要素が強いストーリーだった。
    一人二役とか実際できるのか?というツッコミはしたくなりつつ。

全82件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三津田信三の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×