- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562041824
作品紹介・あらすじ
国際関係を常に動態力学的に把握しようとする"ハートランドの戦略論"の全貌。地政学の祖マッキンダーの幻の名著。
感想・レビュー・書評
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今の自分に理解するのは難しく、読むのにとても時間がかかった。
また、世界史も地理も履修していない自分にとっては、地図帳をめくりながら読み進めたこともあり、特に時間がかかった。
デモクラシーの国にとって平和を得るためにはという観点で、歴史的な事実にベースを置き、人類が大きく制約される自然(地理)に着目して語られた話は非常に興味深い話であり、今の私にはその奥深さを十分に語る言葉を持たないので、また改めて読みたい。
最後に、本著から一言引用してメモとしたい。
「均衡こそ自由の基礎である」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地政学という言葉はビジネスにおいて近年よく用いられている。例えば新興国の議論をする際に、タイは中国、インドという人口大国に挟まれていて地政学的に優位な位置にある、などという使い方がされる(両国への輸出拠点として活用できる、というニュアンス)。しかし「地政学」というものを本格的に学んだことがない人間からすると、果たして正しい意味で地政学という言葉を使っていたか疑問に思うこともしばしばであった。
そこで本書を手に取ってみたが、まず原題にあるようにDemocratic ideals and realityというように、原題には地政学という言葉はみあたらない。しかし本書を通して一貫して主張されているのが、各国の歴史をひもとくと、その国の地形がどうなっているか、島なのか大陸なのか半島なのか、平地なのか入り組んだ山野地域なのか、また平地でも草原なのか森林地帯なのかによって大きな影響を受けている、という点である。
こんな単純なことを?という一方で、正直大いなる感銘を受けた。たとえばモンゴルの騎馬民族は草原伝いに一気に西進し、中近東や東欧まで征服する勢いがあったが、その先ドイツ地方には深い森林地帯が広がっていたため、それ以上の領域拡大ができなかった。裏返せば、例えばの話ではあるが、もしロシア南部のコーカサス地域に深い森林地帯が広がっていたら、騎馬民族は中東まで行かなかったのではないか?すると歴史はずいぶん変わってきたのではないか?ということを感じた。
このように地形を詳細に分析するということは、航空、鉄道、道路(トンネル)技術が発達している現代でもある程度通用するのではないかと思う。ただし本書が書かれているのが、第1次世界大戦終了後のイギリス人の視点であることには留意が必要である。基本的にはユーラシア大陸の覇権がどうなるか、そしてその鍵になるのが東欧である、ということで、日本人からしてみると、あまり実感がないのであるが、本書を読み是非このフレームワークでアジアの覇権がどうなるか、その鍵になるのはどの地域か?というのを考えてみたいと思う。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000588805 -
地政学の古典である。現在は地政学というと政治を地理的な国の位置との関連で見て分析するという非常に狭い意味をあらわした本が隆盛である。
このサブタイトルではデモクラシーの理想と現実というタイトルが、現在の地政学の本にどの程度あてはまるであろうか。ここで扱うのはヨーロッパ、主要はドイツとフランスである。第一次世界大戦後に書かれたものであるということで限定付きである。 -
「ハートランド」ってこんな広い領域を言うの?とはてながついたけれど
「ハートランド」って現代ではもっと狭い領域のことを言うらしい。
けれどそれを最初に言い出した祖の世界観を味わえた -
地政学の古典。
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