心なき王が愛を知るとき (ライムブックス)

  • 原書房
2.78
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本棚登録 : 27
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562044993

作品紹介・あらすじ

大人気《メイデン通り》シリーズ第10巻。
若くして、女性使用人の管理職であるハウスキーパーの地位に着いたブリジット。仕えているモンゴメリー公爵バレンタイン・ネイピアはギリシャ彫刻のように美しいが、放蕩者で邪悪な人物だと噂されている。
ブリジットがバレンタインに仕えることになったのは、彼が屋敷に隠している秘密の品々を見つけて運び出すという使命を負わされ、送り込まれたためだった。
その品をもとに、貴族たちが脅迫されていると聞いている。そして秘密を握られた人々のひとりには、彼女の産みの母もいた。
あるとき、屋敷のなかを探しまわっているところを、公爵に見つかってしまったブリジット。
使用人とは思えない気品と知性のある彼女に興味を抱いた公爵は、処分を言い渡すことはなかったが、なにかと挑発してくる。
誘惑にとまどいながらも、彼のさりげない優しさやユーモアに触れ、ブリジットはだんだんと会話する時間を楽しみとするようになった。
はじめは冷たい人物に見えたモンゴメリー公爵だが、腹違いの妹をいつも気にかけ、慈しんでいるのをブリジットは知る。脅迫にみえた行動も、妹のためにある狙いをもって行っていたことだった。
兄妹はともに幼少の頃に過酷な体験をし、助け合ってそこから生き延びたという絆があった。
また、公爵もブリジットの出生の秘密を知り、彼女が大人たちの都合で人生を左右されてしまったことに憤る。
心の傷を癒やし合うように、二人は引かれあってゆくのだが……

感想・レビュー・書評

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  • 【ネタバレあり】

    メイデン通りシリーズ十作目。
    blackmailer(脅迫者)な公爵×有能なハウスキーパー。

    作者サイトで英語難民ながら
    あらすじをちょっと見てびっくりしてました。
    公爵の相手がハウスキーパーか、と。

    前作レビューでも述べましたが
    このハウスキーパーのブリジット・クラムは
    五作目のゴドリック・セントジョン(一作目ヒーロー、ケール卿の友人で、セントジャイルズの亡霊のひとり)と
    マーガレット(愛称メグス。二作目ヒーロー、グリフィンの妹)の話で
    初登場します。
    ケール卿の母アメリアからの紹介で
    セントジョンの屋敷へ入ったものの
    その後、本作ヒーロー(モンゴメリー公爵ヴァレンタイン・ネイピア)に引き抜かれたのですが
    実は彼女、公爵が脅迫に用いている証拠品を探す為に動いていたのでした。

    本作品で彼女の生い立ちが判明するのですが
    その一方で、前作品でも大きな柱と言える「混沌の王」なる秘密組織の実体が、更に少しずつ明らかになっていきます。
    (前作ヒロイン・イヴのトラウマの原因でした)

    ヒーロー・ヴァル(あえて「ブ」ではなく「ヴ」表記にしてます)の複雑な性格言動と
    ヒロイン・ブリジットの有能さに興味を持ちながら、ほぼ一気読み。
    ヒーローのファミリーネームは
    ダウントン・アビーのイヴリン・ネイピアから取ったのか? と思ったり、
    新たな登場人物にドゥ・シャルトルが出てくるので
    オルレアン公と関係があるのかな?? と思ったり。

    当時のイギリス王室に関して曖昧な知識しか持っていないので
    検索しながら読んでました(笑)。

    次作ヒロインや次々作ヒロインも楽しみ。

    追記 終盤のシーンにおいて
    たくさんの子供達がいたようです。
    きっと、これまで登場したヒロイン達の子供達なのかなと。
    にしても、登場人物が多いので
    私の頭の中でもごちゃごちゃです(笑)。

    -----

    (追記 備忘録 これまでの作品のヒーローヒロイン)

    一作目:
    ケール卿(男爵)ラザラス・ハンティントン
    テンペランス(メイクピース兄弟次女、未亡人)

    二作目:
    グリフィン(原語だとリーディング卿)
    レディ・ヘロ・バッテン(ウェイクフィールド公爵妹)

    三作目:
    ミッキー・オコナー
    サイレンス(メイクピース兄弟三女、既婚者から未亡人へ)

    四作目:
    ウィンター・メイクピース(兄弟三男、孤児院経営者)
    レディ・イザベル・ベッキンホール(未亡人)

    五作目:
    ゴドリック・セントジョン(ケール卿の友人)
    レディ・マーガレット・リーディング(グリフィン妹)

    六作目:
    ウェイクフィールド公爵マキシマス・バッテン
    (レディ・ヘロの兄)
    アーティミス・グリーヴズ
    (レディ・ピネロピのコンパニオン)

    七作目:
    キルボーン子爵アポロ・グリーヴズ(アーティミス弟)
    リリー・スタンプ(女優)

    八作目:
    ジェイムズ・トレヴィロン
    (名前変えましたね)
    レディ・フィービー・バッテン
    (マキシマスとヘロの妹)

    九作目:
    エイサ・メイクピース(兄弟の次男)
    イヴ・ディンウッディ
    (モンゴメリー公爵の異母妹)

  • モンゴメリー公爵バレンタインは、ギリシャ彫刻のように美しいが放蕩者で邪悪な人物だと噂されている。
    ハウスキーパーのブリジットがバレンタインに仕えることになったのは、彼が屋敷に隠している他者を脅迫する際の品々を見つけ出す為だった。
    ある日、室内を探っているところを公爵に見つかってしまったブリジット。しかし、使用人とは思えない気品と知性ある彼女に興味を持った公爵は、処分を言い渡すことなく反対に接触を持つように━
    いつしか二人は会話を交わすことを楽しみにするようになる。
    ある夜、舞踏会を開催したバレンタインは何者かに毒を盛られ生死をさまようが……
    《メイデン通り》シリーズ第10弾。


    前公爵がバレンタインもイブも壊したんだな-と。
    あんなんされたら心が死ぬわ…
    身近にいたら迷惑きわまりないと思うけど、物陰の中でなら結構愉快で面白い気はする。
    なにかあるとすぐに誘拐を企てるあたりとか…
    そして、妹のことは大切にしてるから、やっぱり心が無いとは云われていても死に絶えてはないと思いたい。


    ブリジットも、本当に、使用人クラスでなくても…とは思う。

    ふたりとも一時の親の処遇で、ちょっと(どころでなく)歪んだ気が。

    “混沌の王”なんて中二病か!ってネーミング…
    そして何故に刺青、場所もバラバラっていうのが…見せるとき出しにくい所もあるのにカレッジリング的な装飾品じゃ駄目だったのかと。

    脇の犬と少年がほのぼのさせてくれて良かったです-

  • ブリジット:ハウスキーパー
    バレンタイン(バル):モンゴメリー公爵

    メイデン通りシリーズ⑩
    いやぁ、良かった 
    ただ、ヒロインはヒーローを介抱しただけで、「私は彼を愛してる」って… 
    展開ハヤッ!そんなんやったら看護師さん年中恋してなあかんやろw 
    でも、生みの母親を恨むこともなく、働き者のヒロインは読んでいて気持ちよかった

    「心のない王様」王様&プルーの話も良かった
    二人でもくもくと糸を紡ぎ、せっせと毛糸を作り、ライオンのような(豚のようなw)布地を織る 
    なんだかんだ、この王様は素直な人だな

    E・ホイトは過去に地雷本が埋まっていたが… 今作は、冗長でなく文体がカチッとしていて読みやすかった

  • 彼の物語が読みたいと、シリーズに登場した時から思ってました!やりたい放題の悪魔のようなバルがどんなヒーローになるのかと思っていたけど、辛い生い立ちから心を無くした彼がブリジットと出会い心を取り戻していくという王道ですよ!ホイト先生はさすがだー。ホットシーンもねっとり濃厚でさすがだったー。
    残りの変態野郎達の結末がなんか中途半端な感じもするけど。ワンコとニャンコがよいアクセントになってました。

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