ジャニ研!: ジャニーズ文化論

  • 原書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562048816

作品紹介・あらすじ

50年の偉業にリスペクト!ジャニーズ事務所が生みだした比類なき文化とその意味を、SMAP・嵐世代の批評家たちが徹底考察。

感想・レビュー・書評

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  • SMAPメンバーの加齢に合わせてCMの商品が変わりライフスタイルのモデルとなっている、という指摘は頷ける

  • 確かにジャニーズについての本だった。
    が、しかし大谷さんと矢野さんの音楽やカルチャーに関する知識からなぜジャニーズにとって野球は大切なのか劇場でする公演の持つ意味はなんなのか、戦後の日本の男性の顔の美を作り替えたジャニーズやディスコなど海外からのものをジャニーズが取り込んでいきた歴史なども驚くことばかりだった。

    ジャニー喜多川というある種謎の人物の名前に確かに僕らは大事な事を忘れていた、いや隠されていた。
    アメリカで生まれ育ち戦争中は強制収容所に入れられ日本に交換船でやってきた彼はまごうことなきアメリカ人でしかない。だからこそ戦略性とかなく光ゲンジや忍者や嵐なんてつけれるのだ。
    アメリカから見た日本文化として単純な意味で。
    そしてこのアメリカ人である彼が異国人として日本をとらえていた彼の帝国がジャニーズというものだった。

    速水さんというライターが今まで書いてきたもの、ラーメン(冒頭の元ネタは阿部和重著『シンセミア』だ、戦後に力を持ったある町でのパン屋と戦後におけるアメリカと日本を描いた長編でパンとラーメンは戦後に小麦粉が余りまくったアメリカが売るために日本の食文化を変えていった背景がある)やショッピングモールやケータイ小説的なものは戦後の日本とそれが作り上げられた過程にはアメリカの影響とそこから派生しているという文化論であり「ジャニ研!」とうたわれているし大谷&矢野両氏とトリオのチームワークで深さとかろやかさを増しながらも速水健朗というライターが明らかに自らの関心分野である戦後日本文化論を押し進める一冊になっている。

    と読みながら思ったけど違うかな。

  • 20世紀のエンタテイメントの歴史をジャニーズでなぞってみる、というマニアックそうな内容。
    しかし我々の生きてきた時代を語る上で、ジャニーズは切っても切り離せない関係である、という考察が面白かった。

  • メディア

  • アイドルはおろかJ POPにも積極的に興味をもっていない自分にも所属タレントの名前と主なヒット曲がわかるって……、あらためて凄い芸能事務所だなぁ。

    ジャニー喜多川はJohnny Kitagawaでありアメリカ人であるというのは慧眼。

    <blockquote>ジャニーズはエキゾチズム/ジャポニズム、EXILEはナショナリズム</blockquote>



    「ジャニーズ事務所ってのは、レコード会社でもエンタテイメント産業でもなくてマーケティング会社じゃないか」という指摘と「"消費者じゃなくてファンをつくれ"」というのはこれからのエンタメ産業を考える上で指針となるかも。



    あと
    <blockquote>堂本剛はサン・ラの再来である</blockquote>
    というのはウケた(笑)

  • ジャニーさんとアメリカ。そう解釈すると腑に落ちる面もあった。

  • この本を読んで、ジャニーズの最高傑作は少年隊なのかなぁと思った。光GENJIだと思ってたけど…。

  • ジャニーズ、ひいてはジャニー喜多川という人物にフォーカスし、その文化を紐解く本。
    もっとせくしーぞーんのこと語ってくれていいんだよ。

  • 地元の図書館で読む。ジャニーズに興味がない人が読む本です。興味のある人には退屈だと思います。僕のような興味のないものには、いい本です。

  • ジャニーズアイドルにみる戦後文化史。

    ジャニーズ喜多川氏をアメリカ人として捉え、彼の繰り広げる一見不可思議なセンスの世界を読み解いていく。

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著者プロフィール

音楽と批評の活動。サックス/CDJ/PCなどを組み合わせた演奏で多くのバンドやセッション、録音に参加。演劇・ダンス作品など舞台芸術にも深く関わる。主な著作に『憂鬱と官能を教えた学校』(菊地成孔との共著。河出書房新社、2004)『貧しい音楽』(月曜社、2007)『日本ジャズの誕生』(瀬川昌久との共著。青土社、2008)『ジャズと自由は手をとって(地獄へ)行く』(本の雑誌社、2013)『平岡正明論』(Pヴァイン、2018)『平成日本の音楽の教科書』(新曜社、2019)『ニッポンの音楽批評150年100冊』(栗原裕一郎との共著。立東舎、2021)『歌というフィクション』(月曜社、2023)など。

「2023年 『〈ツイッター〉にとって美とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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