- Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566012103
感想・レビュー・書評
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ニューベリー優良図書
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静かな気持ちで読めるので気に入りました。
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1人で暮らしている狩人が、自然と人魚と暮らすようになる。
人魚は人魚のままで陸にあがって生活できてるのね。
んで、くまと、やまねこと、男の子を拾ってきて家族になっちゃう。
足かけで5年以上はいっしょに生活できちゃってるみたい。 -
陸にあこがれる変わり者の人魚と、さみしがりの狩人が家族になる話。
原著は1965年なので、時代をいろいろ考えてしまう。
どう受け止めたもんかな。
人魚は完全に海の子だから、陸の常識がよくわかってない。
そのすれ違い方が異文化交流でなんかいいなと思ったり、でも結局人魚が「啓蒙」されてしまうようでちょっと嫌だなと思ったり。
血のつながらない、似ていない家族がふえていく様は、ステップファミリーを肯定しているのかなと思ったり、
でも過去をねじまげて「はじめからこのうちの子」にするのが真実の愛なあたり昔だなあと思ったり。
人魚の独白がいい。
海の仲間に自分がどう見られているかとか、それでも自分が間違っていないと信じてきたとか。
これはやっぱり「異なる種類の人」と結婚したカップルの話なのかなあ。
(「結婚した」という描写はない。人魚と狩人は長く一緒に暮らして家族になる。そういうとこも好きだ)
人魚のお相手といえば漁師が多いのに、この本では狩人なのが面白い。
でも「おかあさんみたい」が褒め言葉っていうのはどうなの。
人魚が立ったり歩いたりしてるのも気になる。這ってるのかな?よくわからない。
子供とであう場面は子供があっさりしすぎていてどうかと思うし。
うーん。どうでもいいところでちょこちょこひっかかる。
元は描写がきれいな文章なのだろうけど、訳文がひどい。
"狩人は壁の丸太や椅子の板には、きつねやあざらしややまねこやライオンなどの姿が、彫りつけてあります。(p10)"とか。
古い児童書だというのにこれはない。
狩人に言葉をならい、狩人しか人間をしらないのに人魚の口調が狩人の口調とは違う女言葉(~だわ)なのもいただけない。 -
読んで、なんだか私とても物悲しくなったんです。
私にとっての幸せと、相手の幸せは別物で、同じ価値観だからこそ見出せるものがあって、違う価値観だから疑問や興味が生まれて。
狩人も、人魚も、子供も、小熊も、山猫も、みんなカテゴリとしては幸せに入るんだと思うんですけど、それ以外の人(?)たちはどう思ったのかなぁと。
なんだか無性に悲しくなったんです。
そんな話じゃないっていうのはわかるんですけどねー・・・。