スモーキー山脈からの手紙

  • 評論社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566013933

感想・レビュー・書評

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  • 四人の人物のお話が順々に語られていく。アギーはモーテルを経営する老婦人、いまだに夫を亡くした悲しみにとらわれている。少女ウィロウは両親の離婚により、出ていった母親のことばかり考えている。ウィロウの父親がアギーのモーテルを買い取ることになる。そしてモーテルには、生みの母の思い出をたどるためにやってきたロレッタ、更生院に入るために移動中のカービーもやってくる。それぞれが複雑な思いを抱いているが、語りは淡々としていて重すぎない。子どもたちはアギーとのやりとりの中で明るさ、素直さを取り戻していく。それは同時にアギーにも影響をあたえていく。否定されつづけてきたカービーの心境の変化が徐々にあらわれていくのがよかった。

  • アギーおばあさんが所有するモーテルが舞台。
    ロレッタ、カーヴィー、ウィローとの交流。

  • アギーはノースカロライナ州スモーキー山脈にあるモーテルを売ることにした。ずっと一緒にモーテルを切り盛りしていた夫がなくなり、どうしようもなくなったのだ。「売ります」という広告を出したもののすぐに後悔したアギー。しかし、買い手はすぐに現れた…。潰れかけのさびれたモーテルに、偶然集まった4つの家族。それぞれに事情をかかえているけれど、少しずつ絆のようなものが生まれはじめ、一人一人が新しい明日へとスタートする。見た目も性格も全然違う3人の子どもたちがとても素適。

  • 夫婦二人で小さなモーテルを経営していたアギーは、ご主人のハロルドが亡くなり、モーテルを切り盛りできなくなった。思い出の詰まったモーテルを売りに出した。そのモーテルを買い新しい人生をスタートさせようというウィロウの父親とウィロウ、退学を繰り返し山の寄宿学校に転校させられることになったカービーとその母親、養子だが幸せ暮らしているロレッタの3家族がモーテルにやってくる。アギーを含めた4家族の再出発の物語。

    米国の話なので、モーテルと言っても日本でいえばペンションのほうがイメージが近い。子どもに薦めるのなら、そこは解説が必要かな。

  • 児童文学っていうのはこうでなくちゃ。
    カービーのブローチの件は少しあっさりかな、と思ったけど登場人物に破綻がなく、すっきり。
    これを読んでいるとアメリカの文化がわかる。まず家の事情、家庭環境、養子、教育システム、移動スケールの大きさ。
    「ぶさいく」って原文ではなんと書かれていたのか?
    ロレッタがいい子すぎてまぶしい。ウィロウも大人の事情に挟まれながら頑張っている。カービーのあの心理って、よくわかる。人間は認められて褒められきゃ辛すぎる。

  • 夫のハロルドが亡くなり、何も考えられなくなったアギーは、二人で営んでいたモーテルを手放すことにした。

    アギーが出した広告を見て、娘のウィロウと二人で新しい暮らしを始めようとしていたドーバー氏がやって来た。

    産みの親が亡くなったという知らせと、彼女の持ち物を受け取ったロレッタは、両親と共に、彼女の痕跡をたどる旅に出て、アギーのモーテルに宿泊した。

    手におえない子どもたちが集められるスモーキーマウンテン少年学院に行く途中、カービーと母親は、車が故障したため、近くにあったアギーのモーテルに立ち寄った。

    モーテルに集まった4つの家族が次第につながり合って、心がほっこりする物語。

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著者プロフィール

アメリカの作家。サウスカロライナ大学卒業後、UCLAで児童文学の創作を学ぶ。日本で紹介されている作品に『パラダイスに向かって』『犬どろぼう完全計画』がある。

「2015年 『スモーキー山脈からの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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