ほこりまみれの兄弟

  • 評論社
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本棚登録 : 85
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566020962

作品紹介・あらすじ

孤児の少年ヒューは、意地悪なおばさんの家を逃げ出した。お供は、愛犬のアルゴスと、ツルニチニチソウの鉢植え。めざすは、学問の都オクスフォード。ところが、とちゅうで旅芸人の一座に出会い、すっかり魅せられたヒューは、彼らとともに旅することに。やがて-ヒューに、つらい決断をせまる時がやってくる…。自由で楽しい旅暮らしの物語の奥に、生きることの意味を考える、深い主題がかくされた秀作。

感想・レビュー・書評

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  • 1952年 原題〝Brother Dusty-Feet”
    舞台は16世紀。この頃のイギリスには旅から旅への暮らしをする人々がかなりの数いて〝ほこりまみれの足”と呼ばれていたとのこと。

    主人公の少年を仲間にしてくれた一座の面々は
    貧しくても自分達の芝居に誇りを持っています。
    そんな仲間との移動の日々、道中の風景や草花の描写も細やか。一緒に旅している心地です。

  • この作品ってサトクリフだったの???
    「ケルトの白馬」で見せたキレの良さが感じられない。
    訳者が違うせいか???

  • ひとりぼっちのヒューは旅芸人の一行に仲間入りした。みんなの仕事をなんでも手伝った。女役で劇にも出た。スカートをはいて、悲鳴をあげて、舞台をかけぬけるんだ。
    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)

  • 重厚な歴史小説の書き手というイメージの強いサトクリフですが、こちらは初期のころの作品で、人間愛に満ちたほのぼのとした作品です。どの作品にも共通しているのは、若い人の挫折、絶望の日々が、誠実に生きることで光に変わっていくこと。それはサトクリフ自身でもあります。サトクリフという人が大好きにまりました。

  • 2015.04.12

  • サトクリフを読むぞ、という覚悟がいらないやさしいかんじです。
    作者の若い頃の作品なのかな?でも十分楽しめました。ただ心情を細かく書きすぎるのは、まだ若いからかなぁ。

  • 299Pと300Pの間の行間を読みた(自重)アルゴスが賢すぎないところが可愛い。

  • 8歳の時に孤児になった10歳の少年ヒューは、親戚であるジェイコブおじさんとアリスンおばさんの農場に住んでいたが、彼らはとても意地悪。ヒューを悲しませるために愛犬のアルゴスを叩いたり。ある日おばさんにアルゴスが殺されそうになり、アルゴスとツルニチニチソウの鉢だけを持って農場から逃げ出した。
    オクスフォードへ行って新しい学問を勉強しようと目指すが、途中で旅芸人の一座と出会い、彼らと旅をすることに。

    16世紀のイギリスでは、住む家を持たず旅をして暮らす人を「ほこりまみれの足」とよばれていたそうで、そこからヒューも、旅芸人仲間から「ほこりまみれ」と呼ばれ、芝居に出たりしていた。食事できたりできなかったりの貧乏な旅芸人一座ではあったが楽しく日々を過ごしていたが・・。
    彼らに出会えたヒューは幸運。よかったね。旅の日々、芝居の話、途中出会う人々が語られる。

  • イギリスの文化が生きている。
    登場する人物たちが、国中を旅する旅芸人だからなのかもしれません。
    物語の端々に、様々なイギリスの文化が登場し、主人公を始めとした人々が、それをとても大切にしていることが分かります。

    これはいわゆる、今は失われし、「古き良き文化」ってやつなのかな?
    それとも、今でもイギリスの人々は、こうした文化を大事にしているのだろうか。


    それはともかく、主人公のおじさん、おばさんは、典型的な、「悪い大人」ですね。
    そしてとても滑稽です。
    自己中心的なその考え方で、自ら大事なものを失っていく。
    悲しい姿です。

    その分、主人公や、その父親の、まっすぐなその姿が引き立つのかもしれません。

  • 孤児の少年ヒューは、意地悪なおばさんの家を逃げ出した。お供は、愛犬のアルゴスと、ツルニチニチソウの鉢植え。めざすは、学問の都オクスフォード。ところが、とちゅうで旅芸人の一座に出会い、すっかり魅せられたヒューは、彼らとともに旅することに。やがて―ヒューに、つらい決断をせまる時がやってくる…。

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著者プロフィール

イギリスの児童文学者、小説家。幼いときの病がもとで歩行が不自由になる。自らの運命と向きあいながら、数多くの作品を書いた。『第九軍団のワシ』、『銀の枝』、『ともしびをかかげて』(59年カーネギー賞受賞)(以上、岩波書店)のローマン・ブリテン三部作で、歴史小説家としての地位を確立。数多くの長編、ラジオの脚本、イギリスの伝説の再話、自伝などがある。

「2020年 『夜明けの風[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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