世界で一番の贈りもの

  • 評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (42ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566050709

作品紹介・あらすじ

第一次世界大戦の初期、戦場の最前線に身を置く両軍の兵士たちが、自発的に休戦を決めた瞬間がありました。兵士たちは、てんでに武器を置くと、塹壕から上がり無人地帯に出て、敵兵を旧来の友人のように出迎えたのです。クリスマスプレゼントを交換し、互いの故郷について語りあい、なかにはサッカーの試合を楽しんだグループもありました。秘密のひきだしで見つけた一通の手紙。最前線で戦う兵士が妻にあてたその手紙には、信じられないような出来事が…。映画「Merry Christmas(原題)」原作。

感想・レビュー・書評

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  • 2004年 
    原題”The best Christmas present in the world”

    1914年第一次大戦中のクリスマス休戦
    ほんとうにあった話

    国同士の対立から起きる戦争。
    この逸話のように、実際に戦っている一人一人の兵士は平和を望み、お互いに友好を結べるのに…。
    いまウクライナで、パレスチナで戦闘が激しくなっていることには胸が痛みます。

  • 戦いたい人なんてだれもいない。それがとてもよく伝わってくる絵本。



    この戦争を終わらせる方法がわかったよ。サッカーの試合で勝負を決めればいい!サッカーならだれも死なずにすむ…。

    親を失う子もない、夫を失う妻もない。


    本当にあった、クリスマスの休戦のお話し。


    これはこどもではなく、大人に向けた絵本だと思った。心に沁みた。

  • ドイツ軍の勇気ある粋な行動。それに応えるイギリス軍。どちらも心のある分かり合える人間同士なんだと痛いほど感じるお話。
    どの兵士にも大切な愛する家族や仲間がいるのに殺し合うことになんの意味があるのかと、感動的な実話だけれど一方でやるせなさも感じました。
    本当に戦争ではなくサッカーで決着がついたらいいのに。

  • ウクライナとロシアの戦争が続いている今だからこそ
    余計に胸を打たれた。

    兵士にも愛する家族や友人がいる。
    彼らの帰りを胸が引き裂かれそうな思いで
    待っている人がいる。

    戦争で苦しむのは
    ただただささやかな幸せを願って
    毎日を懸命に生きている私たち一般市民
    私たちには守りたい生活がある、
    趣味がある、
    才能がある、
    夢がある。

    いつの時代も戦争を引き起こす愚かな政治家達の
    尻拭いをさせられるのは未来ある子どもや若者達

    人並みのことしか言えないけれど、
    戦争はいけない。
    ただただ悲しみしか生まれない。

    今も世界で起きている戦争が
    一日も早く終戦することを願って。

    大人向け絵本だが、
    ぜひ親子で読んでほしい。
    私もいつか子どもに読みたい。





  • 第一次世界大戦が勃発して間もない1914年のクリスマスに、凍てつく西部戦線で睨み合うイギリス軍ドイツ軍との間に、夢のような出来事が起こりました。ドイツ軍兵士が白旗を掲げ「メリ-・クリスマス、エゲレスさんよオ―!」の掛け声で始まったクリスマス休戦の信じがたい出来事を、ジム・マクファ-ソン大佐が愛する妻コニ-宛てに綴った手紙は、心に深く沁み入り、そこはかとない哀惜の念にかられる〝世界で一番の贈りもの〟となりました。

  • 職場の人からのおすすめ。まさか実話がもとになってるとは思わなくて、ネットで検索しちゃいました。
    いくつかの戦場で起こった休戦のエピソードをひとつの話にした感じなんですね。
    わだつみの声とか読んだときにも思ったけど、兵隊さん達の事を、もう遠い昔の、戦争なんていうおかしな事をしていた人たち、という認識にはなれない。
    こんなにも現代の私達とかわりなくクリスマスを嬉しがった人たちが他人を殺さなければならなかったことにすごく動揺というか、苦しくなった。
    コニーさんにも世界で一番の贈り物が来てよかった。

  • “サッカーの試合で、勝負を決めればいい。サッカーなら、だれも死なずにすむ。親を失う子もない。夫を失う妻もない” — 本文より

  • 狙って読んだ訳ではなかったのだが、第一次世界大戦時のドイツ軍とイギリス軍が自主的に設けたクリスマス休戦の話だった。ひとりひとりの兵士に大切な人がいる。戦争したい人なんていないんだよ。平和な今に祈りを込めて。

  • クリスマス停戦、マイケル・モーパーゴ版

    骨董品店で蓋のついた机を手に入れた
    修理をして引き出しを開けると手紙を一通見つけた
    それは兵士が戦場から妻におくった手紙だった

    ・1914年、英独の戦いの最前線でクリスマス休戦がもたらされた
    酒を飲み交わし、サッカーの試合をして、聖歌を歌い、奇跡のような一日だった
    ・公式記録には残っていないが多くのエピソードが語り継がれている
    ・“わたし”は手紙を持ち主を探して届ける

    〇贈りもの
    〇事実でも願いでも、語り継がれた底に流れているものは同じだ
     だれにも家族や幸せがあることをプロパガンダに耳をかたむける前に思い出したい

  • 1914年のクリスマスイブ、ある戦場で対峙するイギリス軍とドイツ軍がそれぞれラム酒とパン、ビールとソーセージを持ち寄り、自発的な、束の間の休戦となる。話してみると教師やチェロ奏者であり普通の人であることがわかる。戦場におけるサッカーは2対1でドイツの勝ち。やはり戦争って、狂った指導者によって引き起こされるものだし、実際に戦うのは普通の人々であり、これ以上の不幸はない。子供にも読める一冊。

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著者プロフィール

1943年英国ハートフォードシャー生まれ。ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞、チルドレンズ・ブック賞など、数々の賞を受賞。作品に『ゾウと旅した戦争の冬』『シャングリラをあとにして』『ミミとまいごの赤ちゃんドラゴン』『図書館にいたユニコーン』(以上、徳間書店)、『戦火の馬』『走れ、風のように』(ともに評論社)他多数。

「2023年 『西の果ての白馬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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