石田三成: 知の参謀の実像 (PHP新書 11)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569554426

作品紹介・あらすじ

豊臣政権の官房長官というべき地位にあって、秀吉の右腕として辣腕をふるった三成。本来、名官房長官として歴史に書き記されるべき三成が、いつ、なぜ、どのようにして「姦臣」に仕立て上げられてしまったのか。千利休切腹事件、豊臣秀次失脚事件、蒲生氏郷毒殺説など、これら三成の策謀といわれる事件の真相を、丹念な史料の再検証から究明するとともに、戦下手の三成を重用した背景から、平和の時代の参謀像にもせまる力作評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 当時の憎まれ役・石田三成について、少ない資料(徳川側に意図的に消された為か)から、行政手腕などの功績から再評価する。戦国時代に求められた武功を挙げる武士の役割とは違い、政権安定の為に、様々な政策立案と実行を成功させた立役者。江戸(徳川)時代の政策には、この時期のものを取り入れたものがかなりある。豊臣政権では天下統一とはまだ呼べない。三成は不安定な時期に生まれてしまったようだ。武功を立てることが華々しい手柄と思われている時代に、秀吉存命中の政権を支えた。博多の街を整備する役割は黒田家に先駆けたものがあることも知った。のちの徳川家にとっては、三成を悪者にしておいた方が政権維持に都合が良かった。勝ったものが世評を操作してしまい、今に至っても定着してしまっていることは恐ろしい。権力者の思惑にはまっているのは現代人も変わらない。イメージで切り捨てるのは簡単な事だが、評価するところは評価する見方を失いたくないものだと思う。

  • 三成ファンにはたまらない一冊。通説とは異なる三成の様々な断片を見せてくれる。やはりそうだったのかを連発。さらに彼のことが好きになった。

  • 惜しいよ、三成さん。もっと天下のことを考えて生き残って欲しかった。もしくは大阪の陣までいてくれれば...それは無理だったかな。蓄財を全くしていなかった真面目さが胸を打つ。

  • これが初めて読んだ小和田先生のご本だったのですが、もう本当に分かり易く読みやすい本で感動した覚えがあります。
    石田三成という人物について深く考察されてます。三成初心者の私でも分かり易く読めました。オススメです。
    書かれてる内容ですが、三成に関しては他の本と比較できるほど本を読んでないので割愛します。

  • 勝者の側から作られた歴史を改めて検証しなおし、石田三成の実像に迫った本。三成の人となりや施政者としての実績がわかりやすくまとまっている。

  • 未読。

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著者プロフィール

1944 年、静岡市に生まれる。1972 年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。2009 年3 月、静岡大学を定年退職。静岡大学名誉教授。著書本、監修本、多数。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の時代考証も務める。

「2021年 『東京の城めぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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