- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569557632
作品紹介・あらすじ
競馬のボックス買い、本命ねらい、同じ金額を賭け続ける…これらは得な賭け方か、損な賭け方か?本書では確率・統計理論にもとづき、「必勝法の迷信・誤解」「より早く確実に負けてしまう方法」などを説きながら、「ツキの正体」を明らかにしていく。賭け方・勝敗の意外な関係と、賭けの真の醍醐味を教えてくれる「ギャンブルの科学」。
感想・レビュー・書評
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基本、賭け事は儲からない。楽しむためにどうしたらよいか、というのがよく分かる。いかに場の雰囲気に人は流されやすいか(笑)
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うーんギャンブルに無駄な希望を持たせない趣旨の本なのね。分かっちゃいるけどヤメラレナイっと!
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ギャンブルにおける「ツキ」とは何か、ギャンブルに必勝法はあるのか、ギャンブルとどう向き合うか、に迫る本。
冒頭から、はっとさせられる。いわく、
「残念ながらギャンブルに必勝法はない。世に存在する何万通りもの必勝法のうち、ひとつでも正しければギャンブル産業を支える基盤は崩壊するはずである。が、今のところギャンブル産業は健在である。過去数世紀そうであったように。」
まったくもってその通り。必勝法が編み出されて消え去ったギャンブルも当然あるのだろうが、胴元が儲かっているうちはギャンブルも成立し、繁栄するということである。
さてしかし、「確実に勝つ方法」はないものの、「確実に負ける方法」ならわかる、と著者はいう。
「分散を小さくして、できるだけ大数の法則の効果の顕在化を促進する」
冒頭から専門用語で突き放されるわけだが、詳しくは本文で解き明かされる。
確実に勝ち続けることはできないが、負ける方法の逆をやることで時には勝てるかも知れない。
つまりリスクを分散させつつ、メリハリを効かせた賭け方をしなさいということらしい。
また、深入りをせず、プロセスをこそ楽しむ「余裕」を持ちなさいということらしい。
そして結論的には、「ツキ」や「運」は単に確率のゆらぎであり、主観的なものに過ぎないとのことである。
そのほか、ギャンブルにまつわる「数字」も面白い。 -
わかりやすくおもしろい。
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「ツキ」とは何だろう。そんなウナギのようにつかみどころのない「ツキ」の正体を解き明かす。
この本は1997年に発行されたものだが、2022年に読んでも役に立つ。
「強引な屁理屈」で、科学的に証明されたふりをするので、競馬、宝くじは、始末が悪い。
ギャンブル必勝本と新興宗教には似ている点があると述べている。「科学」を利用してもっともらしい味付けをして人々をたぶらかすからだ。
ギャンブラーとは迷信深い生き物であり、宗教人と同じくギャンブル教の信者たちはピュアな人々ではあると述べている。
客観的な「ツキ」の正体のついて次のように述べている。「ツキとは統計上のゆらぎ(長い時間プレイすれば必ず起こる連続した勝ち負けの大波)」であると言える。
とは言っても偶然でもうまく行ったら、続けてうまく行くと自分に都合が良いように考えるのが人間だ。
宝くじは、当たる確率が低いのに買う人がいる。買う場所もよく当たると言われる所で買い、当選者が出たとご利益があるとされる神社にお参りする。
当たる必勝法などないが、それでも宝くじの専門家と称する人が当たりやすいとされる売り場やルーティンなどを紹介する。
人間の欲深さは、いつの時代もかわらない。この先も欲深さは、なくなることはない。 -
「ツキ」に対する概念が180度変わった感じ。
著者は決して頭でっかちの学者では無くかなり腕利きのギャンブラーである事も内容の説得力を上げている。
実生活にフィードバック出来る項目も多くもう一回精読したい。 -
参考図書
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文字通り、数学者の著者が数学的分析によって、博打によって儲けることが難しいことを説いた一冊。
内容は数学が多くて難しいが、博打が難しいことがよくわかった。 -
ツキとは客観的に統計上のゆらぎである。
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ツキの正体は統計のゆらぎである、この答えには何と言うか、雷を打たれたような衝撃が走りました。目から鱗とはこの事です。
引用にもありますが、4代に渡って誕生日が同じというのも、確率は低くても、どこかに必ずあるんですよね。
大数の法則により試行回数が増えれば増えるほど平均に近付く、それに勝つには試行回数を少なくする、分散させるなど、普段考えないような内容で、とても面白かったです。
これはギャンブルに限らず、スポーツにも当てはまると思います。例えばプロ野球は同じ対戦相手と何回も試合を行います。これによって実力の差がはっきりしてくるわけで、1回限りのトーナメントのような試合だと実力者が格下に負けてしまうことだってあるわけです。
だから、時間が許すなら、高校野球なんかも(高校野球に限らず)、とにかく試合を増やしてほしいです。時々実力の無いチームが優勝する事がありますが、あれは見ていて納得できません。「たまたま勝った」にすぎないのですから。でも、その「負けたら終わり」の世界で、実力的には見劣りしても、優勝してしまうチームには、何らかの「ツキ」があるのではないか?と考えてしまいます。著者は「ツキは無い」と断言しているので、結果的には「たまたま勝てた」のでしょうが……。
こういったギャンブルの確率論や統計学の話は眉唾物が多いのですが、著者自身がギャンブルの世界で活躍していて、それでいて「ツキは無い」といっているところが、説得力あります。
『主観的には「ツキ」はあっても、客観的には「ツキ」は無い』は名言です。
僕の評価はA+にします。