人生と陽明学 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569577197

作品紹介・あらすじ

16世紀初頭の中国で、王陽明という一人の思想家によって生み出された陽明学。<心即理><致良知><知行合一>の基本原理によって、知識よりも行動を重んじるその教えは、江戸時代初期の日本に伝来し、武士社会を中心に急速に広がっていた。それが可能だったのには、中江藤樹にはじまる錚々たる陽明学者に学び継がれたことがある。彼らは独自の解釈を加味しながら、日本の陽明学を“警世の活学”として開花させた。そして幕末に至ると、勤皇の志士たちの行動理念となって、時代を揺り動かす起爆剤となるのである。▼本書は、東洋学の泰斗として今なお多くのファンを持つ著者が、身近な事例を引きながら、日本陽明学の叡智を人生に活かす思索・実践について論じつくした講話録。中江藤樹・佐藤一斎・大塩中斎・熊沢蕃山らの著作・言行などから、混迷の現代日本を確固たる自己をもって生きる上での様々な知恵が示されている。PHP文庫だけのオリジナル編集版。

感想・レビュー・書評

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  • 抜本塞源論
    滴骨血
    縁尋の機妙

  • 思考の上の3つの原則
    長い目で見て、多面的に見て、根本的に考察する

    欲があるから自分に返れない

    君子は必ず自ら反る、学ぶということは自ら覚ることだ

    論語に
    「敬せずんば何を以ってか別たんや」
    愛だけで敬がなければ動物と変わらない

  • 【縁尋の機妙(えんじんのきみょう)】p43
    人間の縁の広がりによる働きの不可思議なことは到底浅はかな智慧では計り知るべからざるものということ。

    【真の正学に鍛えられた人材の出現こそ急務】p52
    真に活きた正学によって鍛えられた人材が出なければ、やがて日本に恐るべき混乱と暗黒の時代がやってくることを覚悟しなければなりません。然し時局がそういう風になって参りますと、時代・人心というものは自ずから霊妙なものがありまして、人々は意識しないけれども、何か真剣で真実なものをもとめるようになる。これが良知というもので、人間である以上誰もが本具するところであります。
    致良知とは、その良知を発揮することであり、それを観念の遊戯ではなくて、実践するのが知行合一であります。

  • 陽明学の内容を良くあらわす「伝習録」その中でも「抜本塞源論」は傑作といわれる。

    ●頽廃・混乱の世では、枝葉末節にこだわった議論ではなく、病弊の根本を抜いてその源を塞ぐことを考え、自ら奮発し、身をもって事に当たるべし。
    ●平生において学問修養し、心を練っておくこと。いかなる問題も結局は心の問題に帰する。
    ●時代・人心というものは自ずから霊妙なものがあって、混乱と暗黒の時代がやってくると、人々は無意識の内に何か真剣で真実なものを求めるようになる。これが良知。人間誰もが本具するところ。
    ●私利私欲がなかったならば、精神のもっとも本質的な直観が顕われる。

  • 前置きや例え話が多くて、正直すんなり話が入ってこなかった。

    ただ、あまり強欲にならずに、自分らしく働いて、生活し続けることが、最終的に幸せな人生を送れるんだなと思った。

  • 王陽明の陽明学を中心に、人としてあるべき姿を講演したもので、勉強になった。(HPの日記より)
    【Amazon紹介文】
    16世紀初頭の中国で、王陽明という一人の思想家によって生み出された陽明学。<心即理><致良知><知行合一>の基本原理によって、知識よりも行動を重んじるその教えは、江戸時代初期の日本に伝来し、武士社会を中心に急速に広がっていた。それが可能だったのには、中江藤樹にはじまる錚々たる陽明学者に学び継がれたことがある。彼らは独自の解釈を加味しながら、日本の陽明学を“警世の活学"として開花させた。そして幕末に至ると、勤皇の志士たちの行動理念となって、時代を揺り動かす起爆剤となるのである。
    本書は、東洋学の泰斗として今なお多くのファンを持つ著者が、身近な事例を引きながら、日本陽明学の叡智を人生に活かす思索・実践について論じつくした講話録。中江藤樹・佐藤一斎・大塩中斎・熊沢蕃山らの著作・言行などから、混迷の現代日本を確固たる自己をもって生きる上での様々な知恵が示されている。PHP文庫だけのオリジナル編集版。

    ※2002.8.16読書開始
     2002.8.24読了
     2008.5.17読書開始、10.3読了(2回目)
     売却済み

  • ”<キーフレーズ>
    ・感激性のある人
    ・愛する=参った=敬する
    ・為さざるあるなり

    <きっかけ>
     人間塾2016年課題図書として”

  • 去偽。

  • 安岡正篤(まさひろ)先生の東洋哲学を知る。

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著者プロフィール

明治31年大阪市に生まれる。
大正11年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業
昭和2年に金鶏学院を設立。
陽明学者、東洋思想家。
終戦の詔の起草者の一人。
昭和58年死去

著書
『易學入門』『全訳 為政三部書』『東洋思想と人物』『暁鐘』『王陽明研究』『陽明学十講』『朝の論語』『東洋学発掘』『新編 経世瑣言』『新憂楽志』『老荘思想』『古典を読む』『人物・学問』『光明蔵』『政治と改革』『古典のことば』『この国を思う』『儒教と老荘』『旅とこころ』『王陽明と朱子』『人間維新Ⅲ』『憂楽秘帖』『明治の風韻』『天子論及び官吏論』(明徳出版社)

「2000年 『人間維新 III』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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