- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569577883
感想・レビュー・書評
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ドイツがヒトラー、イタリアがムッソリーニなら、日本は東条英機がファシズムの代表か。
A級戦犯は二百人以上いるが、どうして東条英機の印象だけが強いのか。
太平洋戦争は、なぜ引き起こったのか。
本作はフィクションではあるが、中々読み応えがある。筆者が述べているが、東条を美化するわけではなく、東条の視点を通じて日本型ファシズムの系譜と昭和史の暗部を描こうとしたものであると。
とは言え、純度の高い高潔な軍人東条英機は美化して見えるな。うっかり、泣きそうになる。
八紘一宇って考えは、どうしたって排斥思想に陥るよな。余計なお世話なんだよ。
子供の頃、母ちゃんに言われたろ。
よそはよそ、うちはうち。
内政不干渉だよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人ほど勝者側から悪人にされた軍人政治家はいないでしょう。
ヒットラーと同列に扱われたのは酷過ぎる。
戦後の家族の苦衷、察するに余りある。 -
東条英機と言う人物がなぜ戦争開始時の
首相となったか?がよく理解できる本。
たんねんに当時の記録をつなぎあわせて
世相や軍部の動きなどが良く理解できます。
この人もある意味、時代の被害者だったのかな?って
感じました。
内心の葛藤を描いたシーンでは、粛然とさせられてしまいます -
決して東条を含め、旧帝国軍の首脳達を賛美するでも、徹底的に否定するわけでもない、俺は少なくとも。
はたまた先の大戦が自衛戦争とも言わない。かといって単なる侵略戦争ともいえない。ヒットラーもTOUJYOもあの時代が生んだ偶像でしかない。この本を読めば、彼の人間性に触れることができる。彼が直接数万の人を殺したわけではない、しかし、だ。そういう難しいグレーゾーンが、彼を研究するときにぶつかる。難しいところ。