はじめて考えるときのように: 「わかる」ための哲学的道案内
- PHPエディターズ・グループ (2001年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569614670
作品紹介・あらすじ
「考える」ことを考える哲学絵本。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ここ1年で1番琴線に触れた本だった。
考えるとは何かについて考えさせられた。
少し哲学的な内容でありながら、分かりやすい例えや具体例で書かれているので、自分のことについて当てはめて考えることができる。
(例えば、
「子どもが欲しがる文房具ってなーーんだ」っていうナゾナゾを考えるとき。
答えは出たか?
あなたの頭の中はどう考えているだろう?)
そして、よりよく考えるためのヒントという形で、素敵なキーワードが散りばめられてる。
気に入ったワードを4つ
常に耳を澄ませる
ことはをきたえる
頭の外に解はある
つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする
時間がたったら、また読んでみたいと思う。
また、新しい発見があるに違いない。 -
植田さんの絵は常に孤独とセットになっているような気がして、なんだかしんみりとしながら読んだ。野矢さんの文章面白いエッセイとか書いてくれれば読みたいな。
-
とても深い本だった。考えるということは、わかっているようでわかっていない。言葉にしてはじめて考えていることになるのかもしれない。はじめに言葉ありきとは名言だ。枠に縛られず、自由奔放に考えをめぐらすことができるようになりたい。
-
著者が頭に浮かんだまま本にしてる感じ
考えるってなんだ。
深くて難しい、一回じゃわからない。 -
考えるということを考える。そもそも考えるってどういうことだ?
トンチみたいなことはともかくとして、こうした思考の積み重ね、スパイラルが人類の知性を研ぎ澄ました原因にもなっているのだろう。 -
頭の中を覗き込んでいるような感覚になる本でした。考えるということは、してるようで出来ていない、気がつけばどこかに飛んでいってしまうような感覚があったので、つかまえるのがとてもむずかしいと感じていました。
つめこんで、ゆさぶって、空っぽにしていいんだ、と思ったらちょっと安心した。。p172.173 とても大切に心に留めておきたい -
YouTubeでお気に入りの「哲学チャンネル」で紹介されていたことがきっかけで、あえて考えることを考えてみたくなり購入。
本書は、「考えるということはどういうことか?」という問いについて、平易な言葉で様々な例え話を交えながら読者に語り掛けている。
この分かりやすい文体と語り掛け口調によって、単に書き手の言説を理解しようと構えるのではなく、読み手も考えさせられる気分に浸ってしまうところが本書の特徴であるといえる。
巷間では「ロジカルシンキング」や「論理的思考」の重要性を謳う書籍や記事に溢れているが、論理的な推論や計算は、それ自体考えることではないと著者は述べる。
「考える」というのは、論理による推論や計算や観察を、問題解決のもとに取捨選択してうまくつなげることだと。
現代的に解釈すると、GPTに代表されるAIが推論した結果を、問題解決のために取捨選択して再構築することこそが、生物の中で人間に唯一与えられた能力である「考える」ことなのかもしれない。
本書は哲学者が著したものではあるが、著者の専門に基づいた哲学的フレームワークや思考法を用いて論考を進めていくのではなく、あくまでも哲学者が読者に対して問いかけながら「考えることを考えさせる」というスタイルを最後まで貫いている。
その中で、例え話に人工知能を考察するうえで有名な「フレーム問題」を挙げているが、著者はこの思考実験を通して読者に「常識、前提、言葉、問い、対話、懐疑、アウトプット」などの重要性を説いている。
自己啓発的内容のビジネス書やセミナーでは、問題解決のためのツールとして論理的思考を全面に押し出してくるが、場合によっては論理は思考を停止させてしまうリスクもあるということを改めて考えさせられた。
やはり前提や常識を鵜呑みにせず、懐疑や対話を通じて問題の本質を追究する行為こそが「考える」ということなのだと自分なりに解釈するに至った。
また、時折挟まれる挿絵も本書の特徴である。
著者は、「考える」ということは現実からいったん離陸して、可能性へと舞い上がり、そして再び現実へと着地することだと述べている。本書においても、挿絵の存在によっていったん著者からの問いに対して考える時間を与えられているようでほっこりする。
そういう意味で、「読書は考えることそのものである」と言えるのではないだろうか。
論理の罠に陥らないよう、今後も読み返していきたいと思える一冊であった。 -
何度か読み返したい本。
考えるとはどういうことかを、易しく導いてくれる哲学本。
考える力がほしくて読んだ。
考えるとは、問題が常に頭のすみにあって、あらゆることがその問題解決に繋がらないか意識しているってことらしい。
考える方を育む本というより、「考える」という行為はどういう時に起こっていて、一般的に言われる「~して考える」(論理的に、や、自分で等)とは何か、を分かりやすく解説してくれてる本だった。
作者の考えた「考えるとは」を凄く的確に言葉にしてて、漠然と使ってた言葉がこんなに解体の余地があったんだなってハッとしたし、これが考えるってことなんだろう。
あと、話口調で取っつきやすいから、初めての哲学書でもなんとかなった。