インターネット的 (PHP新書 161)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569616148

作品紹介・あらすじ

「IT時代のビジネスモデル」を狙う前に、幸せ観、歴史観、世界観を宣言しなかったら、ものをつくることも売ることもはじまらない。ネットを通じて「個」と「個」がつながる時代だからこそ、「お客様は神様」原則を乗り越えなければクリエイティブな市場は育たない。『ほぼ日刊イトイ新聞』を一日のアクセス三〇万を超える人気サイトに育てるなかで糸井重里に見えてきた、これからの仕事、これからの生活。だれも教えてくれなかった「インターネット的」世界の秘密がこの一冊に。

感想・レビュー・書評

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  • 9年前の書とは思えない。たぶん今だからこそ理解できる本。これからの世界で生きていくための必読本。

  • よげんの書かもしれない。

  • インターネットの世界ってなんなんだろう、どんな可能性があるんだろうということを、この2001年の段階で看破してさらに未来も見通していて、それをインターネット的なものという視線で、新たな概念として紹介し、ヒントをくれる良書です。ちなみに再読です。

  • 2001年なので、もうずいぶん昔の話。インターネットが一般的にも普及し始めて、でもまだダイヤルアップ接続で、という時代。技術的視点からではなくて、ユーザ視点からのインターネットの可能性について言及しているので、内容は全然古臭さを感じさせない。技術ありきのWeb2.0とか云々言ってる専門家の話よりよっぽど役に立つ。こういう人の描いていることをうまくシステム化することが大事なんだろうなぁ。システムオタクの言う未来なんて、あんまり魅力が感じられなくて・・・。

  • 2001年当時において、ここまでインターネットの概念を理解し、未来を予測したのはほんとうに驚愕すべきことである。
    目からウロコのこの本には2011年の現在においても、ヒントとなるアイデア、考えさせられる点が豊富だ。
    いろんなインスピレーションがわいた。このまとめも、また読み返す。


    ()内は僕の考え
    1ー①:
    インターネット的=「料理」を届ける「皿」=クリエイティビティ
    「放送人」という概念ー文化的職業として命名されて確立。それまでは下世話なものだった
    ・ジョイント(2つ)からリンク(複数の結びつき)へ
    ・「シェア」楽しさのおすそ分け、分けあい、共感ー起業も利益(便利な物、有益な物)のシェアを
    「生産」の視点→「市場」の視点 好感の大切さ
    おかずの共有、レシピ(ここに書いてあったとは・・・)
    ありがとう、お返し嬉しい、シェア→リンク
    情報を沢山出す→(みんなに喜んでもらう)→新しい情報が集まる交差点に
    「フラット」無名社会、匿名社会「権力」関係なし
    みんなを平らに、公平な意見、明確な論理、考えが正しいとされる社会(=2ちゃん。2ちゃんで相手を黙らせたり、認めさせたり、笑わさせたら最強だと思う。論理も笑いも文章も)
    フラットな場で新しい価値を生み出す。それぞれの「ヒーロ−」の創出
    ”競争しよう、分け合おう”(この考え方好き)
    価値観もフラット
    価値の多様化というより→価値の”順位付けが多様化”する
    一元的なプライオリティではなく個人の価値観にあわせて、個人のプライオリティ(優先順位)が自由に組み替えられていく(社会の半分位)
    「ヴァーチャル」「only is not lonely.」

    1ー②:
    3時間ぶっつけ生放送(ニコナマへの示唆)
    「機能」中心と「WHOLE」・・・インターネット的
    「生の思い」→熟していない思いが結晶化されていく
    出し切るからこそ入れられる
    別の視点で見る「異邦人の視点で自分の街を見てごらん?」
    「どうして」「なぜ」使えるか考える
    「毛」ー野生(感情社会か?)、「銀」ー理性
    2:
    作る側の力関係が弱い→その場を一度出てみる
    仕事に対して、それ以上のことをして返す
    送り手と受け手がおなじになる
    つながってない人に伝えたい
    「くだらなさを含めた人間の遊び感覚」(これってすごく大事)
    ヒントは歴史や日常の中にある
    「つまらなくないものを!」(糸井さんはビジネス面もしっかりと検討している)
    トライアル&エラー→短時間に大勢での繰り返し。
    α版ユーザーに手伝ってもらう。こういうユーザーは進んで試す。β版等
    1ページだけ30円の本、今ある「型」を疑え!→同じ厚さ、ページの本

    3:
    「勢い」=価値の時代とされてきたがそれの転換。「勢い」あるものは、実力を伴う場合が多いが、そうじゃないこともある
    「訳のわからないこと」を考える 答えの見えないもの、哲学的な問い
    情報はヒマな人を狙って作られる(大事な視点。ヒットチャートも、最新の流行も。普段忙しい人は、流行に遅れないためにそれを参考にする。で流行は加速っと)
    ☓マス OA→「信頼の構造」
    理念、理想
    農耕(内胚葉)→工業(中胚葉)→情報(外胚葉)→魂?
    「プライオリティ」「多様化」=豊かさの一つの現われ。多様化に困るのは「売り側」の論理
    作り手<流通<市場
    川上     川下

    4:
    物事を一旦、極端にするといろんなモノが見えてくる
    「極端に考えてみる」→ぴったりを考えるのは難しい?
    商品は環境コミで商品ー評判、ブランド 環境が商品に付帯している
    5:
    「わかりやすさ」について→耳から聞ける文章
    「わからないことを言うな」FM文体の当たり障りの無い一般論もNG
    即時性「アイデアのたね」はPCの冷蔵庫に保管してたまにだしてくる

    6:
    欲望の貧困:欲しい物がわからない。欲しい物のレパートリーが均一
    お金の先。「お金」でストップしない。お金は使うためにある
    ネット:無数の欲望の総体、無数の英知の総体
    ある固定した考え方→別の考え方 
    「使うこと」の工夫や楽しみ
    軽い不快感 「市場」が大事 
    消費のクリエイティビティ:使ったり楽しんだりするほうの工夫やアイデアや感覚
    当たり前の逆を考えてみる
    「休み方」も大事
    情報と物と食べ物と精神






    7:
    「消費のクリエイティビティ」どう休み、どう遊ぶか?何にお金を使うか。
    豊かさ
    いいと思ったものをほかと比べないで褒めるー絶対的な評価
    相対的ならいくらでも言えるー便利ではある
    どういう「世界」を呈示している?→世界観への共感 ◯◯観

  • 「ほぼ日」の糸井重里が、インターネットおよび、「インターネット的」世界、ものごとや仕組み、コミュニケーションについて語る新書。
    インターネットユーザーとして、「ほぼ日」を運営するコンテンツプロバイダーとして、かつダーリンことコンテンツクリエイターとしての糸井が、ウェブ•インターネットについて書いた本書は、言葉こそ糸井独特の妙に簡単で愛着のある表現だが、ロングテールやソーシャルといったウェブのエッセンスを的確に捉えていると思う。
    仕組みを作り出している「あちら側」よりのエンジニアやIT系のライターが書く記事と異なり、仕組みを上手く使っている「こちら側」のユーザーとして書かれた本書は共感する部分も多い。
    最後の方はちょっと観念的な話題で飽きてきた。


    •プロローグ
    なぜいま、インターネット的なのか
    •第1章
    インターネット的 ー 「リンク•フラット•シェア」する生き方•考え方
    •第2章
    インターネット的でどうなる?
    •第3章
    工業化社会からインターネット的社会へ
    •第4章
    インターネット的思考法
    •第5章
    インターネット的表現法
    •第6章
    インターネットの幻想
    •第7章
    消費のクリエイティブを!
    •エピローグ
    「インターネット的」時代のゆくえ

  • 銀と毛
    最初は意味わからなかったけど納得!
    イチローと中田は銀!
    いまのサッカー日本代表は結構毛かな!

    糸井さんは、真面目にふざける天才だと思う。

  • 一回読みたかった糸井さんの本。やっぱり読みやすくてわかりやすくて好きです。
    後半インターネット的が関係なくなってきたりしてきた感じもするけど言ってることはすごいおもしろかった。正直者がばかを見ない社会だったらいいなとか、考えて消費をする時代だとか、考え方がしっくりきて読んでて楽しかったです

  • 2002年初版のITものとしてはちょっと前の本になりますが、いまでも十分役に立つ本です。さすが糸井さん、ネット社会の本質を鋭く突いていらっしゃる。クリエイターの生き場所、これからの消費の動向など、この本が出てからもう8年も経とうというのに、現状がそれほど変わっていないというのは、所詮ネットも人間が使ってなんぼということ。人の行動や思考が当時とそれほど変わっていないということですね。ネットワーク作りでビジネスや活動を広げたいと思っていらっしゃる方にお勧めの本です。分類、悩みましたがビジネス書にしました。

  • (2005.04.19読了)(2004.08.06購入)
    コピーライターの糸意重里さんが、「ほぼ日刊イトイ新聞」の経験を元に、インターネット的を考察した本です。4年前の本です。
    インターネット的と言うのは、インターネット自体がもたらす社会の関係の変化、人間関係の変化みたいなものの全体を指す。
    インターネット的のキーワードは、「リンク」「シェア」「フラット」です。

    ●商品環境
    「商品は、それ自体「単体」で価値を持つ事はできない。シャネルの香水を灯油缶に入れて売り出したら、もうシャネルの香水とは呼べない。商品というのは環境を含んでの商品なのだから、お客さんはその環境全部を含めて求めている。」
    ●問題発見法 「寝返り理論」
    無意識で感じている不自由を見つける。
    「人間は、眠っている間、何度も何度も寝返りをうっています。意識的にではなく、全く無意識にベッドの中で体の位置や向きや姿勢を変えています。ずっと同じ姿勢で寝ていると、床との接触面の血流が悪くなるでしょう。寝返りは血液を常に円滑に流そうとする無意識の動きなのです。」
    ●生産と消費
    「絵を描いたピカソと、それを鑑賞した人々がセットになってピカソの価値は生まれたわけです。」
    ●正直は最大の戦略である
    どういう戦略を持った人間が、?ゲームの勝利を得るか
    「相手をだましたり裏切ったりするプレイヤーよりも、正直なプレイヤーのほうが、大きな収穫を得る」(「安心社会から信頼社会へ」山岸俊男著、中公新書)

    ●僕にとってのインターネット
    何かわからにことがあれば、辞書をあれこれひっくり返して調べていたけれど、今はインターネットで調べています。たいていの事は分かります。
    どこかへ出かける際の路線の調査にも利用します。展覧会の内容、会期、開館時間などもわかります。
    本の購入、CDの購入もインターネットを利用します。中古の本、中古のCDは、別ですけど。

    著者 糸井 重里
    1948年 群馬県生まれ
    法政大学文学部中退
    1975年 東京コピーライターズクラブ新人賞受賞

    (「BOOK」データベースより)amazon
    「IT時代のビジネスモデル」を狙う前に、幸せ観、歴史観、世界観を宣言しなかったら、ものをつくることも売ることもはじまらない。ネットを通じて「個」と「個」がつながる時代だからこそ、「お客様は神様」原則を乗り越えなければクリエイティブな市場は育たない。『ほぼ日刊イトイ新聞』を一日のアクセス三〇万を超える人気サイトに育てるなかで糸井重里に見えてきた、これからの仕事、これからの生活。だれも教えてくれなかった「インターネット的」世界の秘密がこの一冊に。

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著者プロフィール

1948年群馬県生まれ。株式会社ほぼ日代表取締役社長。71年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞、文筆、ゲーム制作など幅広い分野で活躍。98年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。近著に『かならず先に好きになるどうぶつ。』『みっつめのボールのようなことば。』『他人だったのに。』(ほぼ日)などがある。聞き手・川島蓉子さんによる『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP)では「ほぼ日」の経営について明かしている。

「2020年 『いつか来る死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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