- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569644240
感想・レビュー・書評
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太平洋戦争時の日本軍を分析し、現在の日本の弱点をあぶりだそうとする一冊。
山本五十六や宮崎繁など、世間では名将と呼ばれる人たちに対しても批判を加えているのが、変わっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エリート参謀の功罪 山本五十六の評価 「将校商売 下士官道楽 兵隊ばかりが国のため」
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現在のアメリカを動かす行動原則で他国に表明できるのは「自由」ぐらいしか見当たらないし、その一方、「わが日本はどうか」と考えても、これまたパッとした行動原則がない。かつてのような「経済発展」は見込めないから、せいぜい「改革」と「対米協調」と「外交の自主性回復」ぐらいである。(…)日本人は変わるときは一瞬にして変わるのである。ただし、そのときの理念は何なのか。たんに外圧に対応するだけだとしたら、昔からの失敗を繰り返すことになる。165
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日中関係は今後「対峙」の方向へと進むだろう。対峙とは、戦争を指すものではない。これはとくにアメリカでは顕著な考え方だが、「いつまでもにらみ合っているのが平和である。戦争でなければそれでいい」というのは現実的な真理である。195
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旧日本軍の成功事例と失敗事例をもとに(ほとんどが失敗事例だけど。。。)これからの組織もっと大きくいえば日本のあり方をかんがえようというのが本書の趣旨かな。確かに主体性をもって動く組織を目指すなら、軍隊から学ぶべるところは多いかも。末期の旧日本軍のような組織にならないよう気をつけなければ。。。
心に引っかかった言葉
・「建制を崩すな」というのが軍隊の鉄則。だが、周辺の条件が変化したときは臨機応変でなければならない。
・日本軍がひどかったというのは、その大半は官僚主義の将校や参謀が多かったという問題である。
・日本軍のエリート作戦参謀たちの最大の過ちは、現場を知らず、机上で戦争を指導していたことである。
・日本軍はトップが責任を取らないという、組織として最悪の状態に陥っていた。
・一般論からしても、戦場に美談があるのは、作戦や命令に無理があったからであると考えられる。
・複雑でで大規模な組織を運営するために合理的に分業化された管理運用システムを官僚制と呼んだ。この官僚制と官僚主義をきちんと区別することが重要である。 -
本書で初めて建制という概念を知りました。また世界で日本が生き残るために何が必要かを、よく考えさせられました。
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日本軍の失敗を活かしたい方へ。