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この作品からのみんなの引用
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モンテスキューほどの第一級の知性の持ち主が、二〇年もかけて考えたことを、どうして私たちが、一時間や二時間の飛ばし読みで理解できるだろうか? ましてや、速読法で一分間に三〇ページというような猛スピードで目に焼きつけるなどして、分かると思うほうがおこがましい話だ。それは、極上のボルドーをイッキ飲みするような、恥ずかしい、下品なことじゃないだろうか?
― 50ページ -
私たちは、数十年前に比べて、はるかに容易に、はるかに多くの本を入手できるようになった。しかし、そのおかげで、私たちはかつての人間よりも知的な生活を送っていると言うことができるだろうか?(中略)当時の人たちは、その少ない情報だけを手がかりにしながら、今日にも通じるような深い思索を行っている。カントやヘーゲルが生涯に読破した本の冊数が、今から考えれば意外なほど少なかったからといって、彼らを無知で愚かな人間だと言う人はいないだろう。
― 24ページ -
多忙な社会人にとって、スロー・リーディングの時間は、最も手軽で、最も安価な安らぎの時間である。それは、特別な場所も、相手も必要なく、普段、最も疎遠な人、つまり、「自分自身」と向き合うための時間である。
― 28ページ
みんなの感想・レビュー・書評
とても読みやすかったし、ためになった。
三部構成になっており、
・スローリーディング(ゆっくりと質の高い読書)の良さについて。
・読み方の具体的な手法
・作品を使った実践編(こころ、金閣寺、蛇にピアスなど)
となっている。
実践編でメモをとりながら読んだが、より作品が面白く感じた。
特に、助詞・助動詞。対比。
これらに注目するだけでも随分と読み方が変わる。
昔から読書が苦手で、
途中で別のことを考える、つまらなくて寝ることが多い。
この本のお陰で、他の本で実践してみたいと思ったし、
集中して読書し、作品の本当の良さを味わうことができそうだ。
非常に良書だと思った。
主に書き手は何を意図して本を書いたのか。その言葉たちにどんな意味を持たせたのか。その意図を読者が汲み取れるようにどんな工夫が施されているのか。といった深い読みに関して書かれている。
僕はこの本に出会ったことで、いかに薄っぺらな読み方をしていたかがわかったと思う。ただ表面的な意味内容だけを理解した気になって、著者の現実解釈や伝えたかったメッセージを汲み取れていなかったと感じた。
僕は読書において、質より量を重んじる傾向にあったが、この考えは明らかな間違いであったと痛感した。これを機に文章一つひとつを丁寧に読み、文字に現ていない意味内容まで考えて本を読むようにしたい。
これは、ただ“読む”方法の本ではない。メールでも社内文書でも何でもいい。文章を“書く”機会がある人が読んだ方がいい。 正直、プロの書き手(書き方講師ではない)がここまで手の内を解説した本を私は知らない。タイトルは「スローリーディング」、テーマは「本をじっくり考えながら読むこと」だけれど、その読み方には書き手だからこそ感じること、気になること、理解できることが山ほどある。それを読むことで、「書... 続きを読む »
抜粋: 「速読とは、『明日のための読書』である」と、太字で定義している。直近の仕事や会議のために大量の資料を読みこなし、新聞を斜め読みするのと同類の読書である。
かたや、「スロー・リーディングは、『5年後、10年後のための読書』である」と、これも太字で宣言。すぐに役立つものではないが、人間的な厚み、本当の教養が身に付く読み方だ。12.4.6
速読、ってのは、仕事上の資料をよみとかなら一定の意味はあるが、小説を速読したってしょうがないよ、ってことで「スローリーディング」の実践をするのだが、「辞書ひけ」「わからなくなったら、戻って読め」「線をひけ」「我が身におきかえて読め」等、いまさらなー、と思う。ついで実践編にはいるのだが、やっぱりぴんとこない。ちなみに小谷野敦の「『こころ』は本当に名作か」とあわせ読むと、小谷野が駄目、といった漱石、鴎外、三島を平野が「名作」として読解しており、やっぱり小説の評価って人それぞれと改めてわかって面白い。
本を読むのが早いわりに内容もしっかりと頭の中に入ってて、しかも感想を他の人に伝えるのが上手い、そんな読書に憧れがあり、なんとなく本を読むスピードに不満を持っていました。人より読むのが遅いし、感想文を書くのも苦手だ。もっと人に伝えられるくらい楽しく、身になる読書がしたい……そう思っていました。
本書を読み、自分の中で一番の収穫になったのは、自分の読書ペースを変える必要はない、という安心感でした。読書をするたびにこの本の内容を思い出し、場合によっては大事な部分を再読することを繰り返して、自分らしい読書をしていこうと思います。
速読を謳う本って世の中に数多く出回っているけれど、冷静になって考えてみればページをめくって写真を撮るように目に焼き付けて必要になった時に取り出すなんて作業、できるはずがない。量だけに捕われて、盲目的に数だけこなしていくような読書は読んだ気になっているだけであとあと振り返っても何も残っていなかったということがほとんど。速読すると無意識のうちに定着していて、必要になったときによみがえってくるなんて都合のいい考えをする人もいるけど、やはりいかがわしい。小説でも評論でもなんでも自分の血肉となって世界の認識の仕方の土台となっていると感じられるものは、やはりよくよく味わうようにして読んだし、その後も何度も再読したものばかりだ。作者がどのような意図を用いてこの表現を用いたのか、小説であれば自分が登場人物と同じ場面にたたされたのならばどう考えるのか、何度も立ち止まって考えながら本を読みたい
読書術シリーズ。
『逆にスロー?』と思って手に取った本。内容的には目新しいことはそれほどなく、ゆっくり読んだ方が適切な場面も想定内。
具体的に例文を挙げて、の最終章は、国語の教科書・授業を久しぶりに思い出しました。
流行の「速読」に対するアンチテーゼ。 平野啓一郎は、情報や本があふれる今だからこそ、スロー・リーディングを提唱し、知的で人生を豊かにする方法を説いている。 人間の短期記憶などは非常に当てにならないし、速読で得た知識は間違った推測だらけで、スロー・リーディングで実践される「誤読」とはまったく意味合いもことなる。加えて、作者の思いやテクニックなどを読み解くことはできない。 小説の醍醐味は... 続きを読む »
読書だけじゃなく、映画や音楽、果ては普段の生活にも役に立つスローリーディングの技術。
「スロー・リーディング」のテクニックやコツが書き綴られた本。
“目からウロコ”の主張が鮮やかに展開されるわけではないが、一貫して「アンチ速読」の立場で記述されており、作者の主張が非常に明確。
書店の新書コーナーに溢れかえる速読本の甘い誘い文句についつい誘われがちだった私は、筆者の言葉を拝借すると「速読コンプレックス」のきらいがあったのかもしれない。
この本はそんな「速読コンプレックス」から私を解放し、自分の読書に対する姿勢を考え直す良いきっかけを作ってくれた。
前半は速読に対する批判
読むのにそれほど気合いを入れる必要がない
後半は実践編
分かってることだったり、自分とは解釈が違うことがあったり、あまり素直な気持ちでは読めなかったが、結局一気に最後まで読んだ
高瀬舟とこころをもう一度読みたいと思った
易しく読みやすい、実践的な本の読み方講座。
学校の国語の授業でやるべき内容、というかやってるのかもしれないけど忘れている内容。
目からウロコの新しい情報はないけれど、
普段ついないがしろにしていることの大事さを改めて思い出させてくれる。
また「こころ」とか読み直してみようかな。
速読がもてはやされる時代だが、逆にゆっくり読んで、量よりも質に焦点をあてた読書の重要性を説く。
分析的な読み方をすると、著者の様々な仕掛けやテクニックが見えるようになり、作品がより味わい深くなる。このことは、本を読むことだけではなく、自分の人生の場面でも応用ができると言う。
自分はもともと遅読なので、著者の意見はよく判る。でも実用書やビジネス書は速読できたほうが良い。文章の味わいなどあまり関係無いからだ。どちらが良いというより、使い分けができると良いということではないでしょうか。
○常に「なぜ?」という疑問を持ちながら読むこと。(74p)
○本は「再読」することに価値がある。(100p)
★第3部の「古今のテクストを読む」がすばらしい。もっと解説して、と言いたくなる。
平野氏の著作は数冊読んだが平野氏の小説に関する限りはスローリーディングで良いと思う。確かに趣旨は賛同できるところが多かった。サルトルでさえハイデガーの誤読をしているので、誤読に関しても恐れる必要はない。しかし、本の内容で読書の方法は選ぶべきなのではないかと思う。
三島由紀夫の再来と言われた男の作品は未だ触れていないが、YouTube動画だったり、ラジオだったりで見たり聴いたりは良くしている。
この本を手に取ったのは、文学に触れようとし始めた時期なので、私が中学三年の頃だろうか。読書の基本が書いてある。
ゆっくりじっくり、「作者の意図」を味わいながら本を読む、という姿勢に共感した。
作者が本の中で、細かい部分にこらしてある工夫に気づけると楽しい。
1年数ヶ月前に僕はポール・シーリィ氏のフォト・リーディングの本に出会った。 最初はその意味や効果が信じられずに、ちょぼちょぼと始めてみた程度だったが、いまやすっかりフォト・リーディングを使っている(高い成果があげられている自信はないが)。 さて、本著はそういった「速読」を全面否定する本である。著者は芥川賞作家の平野啓一郎氏。 ここまで正面からの「No」は興味深いなと思って、読んでみた。無論、... 続きを読む »
速読(スピードリーディング)か
遅読(スローリーディング)か?
作者はフォトリーディングに代表される速読を否定しています。読み方の違いであり優劣を付けるものでもないような気がします。確かに遅読の方が楽しいし、後々応用の出来る知識になります。遅読(スローリーディング)も続けていくと、速読(スピードリーディング)に近づいて行くと思います。しかし、作者の言う遅読は寧ろ読解であり奥深いです。
内容は、スローリーディングの定義、説明に始まり、その効果に付いて書かれています。実際に演習も行います。とても興味深い内容でおすすめできる一冊です。
速読を表面的理解で批判しているのが、ムッときた。何しろ自分は、速読おたくなので。
もちろん、スローリーディングも大賛成。ただ、それこそ、速読自体もスローリーディングで、じっくり理解してから批判してもらいたいものです。
そして、速読とスローリーディングは両立します。
速いか遅いかという軸だけではなく、どれだけ繰り返すかという軸も加えてほしい。

本の内容を速く理解する「速読」が持て囃される中、あえてゆっくり、じっくり内容を吟味する「スロー・リーディング」を提唱した本。
その方法としては「判らない言葉を辞書で調べる」、「判らないとこ...





