血涙〈下〉―新楊家将

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569658148

感想・レビュー・書評

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  • いや、なんかね納得いかないのよ

    こう、ポカーンて感じよね
    なんかもうぽっかりと穴が開いた感じですよ

    結局ね、国の興亡ってのはさ
    人が死ぬ物語なわけね
    人の死が積み重なり歴史となるのよ

    結局遅かれ早かれみんな死ぬのよ
    それは分かってるのよ

    だとしたらやっぱりこれは人の死に様を語るための物語なわけよね
    つまり『楊家将』『血涙』は楊家の者たちの死に様を語る物語なのよ

    悲しい死に様ばっかりやん
    。゚(゚´Д`゚)゚。

    生き残った者たちも悲しい生き方ばっかりやん

    国ってなんのためにあるん?
    人を幸せにするためにあるん違うの?

    納得いかない
    人を幸せにしない国なんていらん

  • 人と人の絆は血縁関係じゃないと思うけど、耶律休哥の血が輸血されて後天的に血が繋がるなんて思っても見なかった。すごい。

    耶律休哥の死に方も、普通じゃ考えられないすごい死に方だった。延光っていう楊業の血を濃く引き継ぐ人の首は飛ばしたけど、吹毛剣っていう楊業の気で死んでしまった。すごいなぁ。延光が死んだのがショックだった。

    開封府攻略を思いつくのもさすが石幻果。
    六郎が柴礼に進言しに行き、捕えられたところで憤慨した。まだ潘仁美の保身のための裏切りなら運が悪いで終わるけど、今回の柴礼とかんじゅん?の楊家を捨て兵にして和解に持ち込むって言うのは流石に運が悪いでは済まされない。遼の方が武人には生きやすかったんだなー。

    最後の戦いで、九妹が死んで石幻果の心がちょっと乱れたのも、思わず兄上と読んでしまった七郎に、わざと「七郎」と声をかけるのも、楊四郎は死んだと言いながらまだ兄弟への愛と四郎の時にあったちょっと皮肉っぽい?性格の悪い感じ?が残っていて良かった。
    七郎はやっぱり末っ子だからお兄ちゃんへの甘えっていう隙をつかれたのかー。悲しいけど、これも兄弟の絆って感じ。
    六郎〜!六郎〜!よくやったね。石幻果の充実感も良かった。六郎〜!四郎〜!五郎も!みんな良くやったよ。

    エピローグ、蕭太后の名前が美しい。蕭希姫。
    英材が石幻果の息子、耶律休哥と蕭太后の孫、として六郎に会いに行ったのも良かったな。こうやって人の気持ちは引き継がれていく。
    不世出の男たち。涙は読者が流すから、その血はどうか失わないでくれ。

    いやー悲しい、けど、面白かった!!!!!!

  • 「楊家将(上・下)」から一気に続けて読みました。
    評価は4冊分まとめてのものです。
    最後まで楊家軍が報われないのが、不満といえば不満ですが、その悲劇性も話の内と考えて、やはり星5つにしました。
    父と息子、兄と弟のお互いへの思いにグッときます。

    • kuma0504さん
      私としては吹毛剣シリーズとして「チンギス紀」を位置付けています。
      果たしてどうなるのか、いつ文庫化始まるのだろう。
      私としては吹毛剣シリーズとして「チンギス紀」を位置付けています。
      果たしてどうなるのか、いつ文庫化始まるのだろう。
      2023/08/17
    • あやごぜさん
      kuma0504さん。コメントありがとうございます。

      「チンギス紀」。私もいつ手を出そうかとタイミング(?)を図っていましたが、先月単...
      kuma0504さん。コメントありがとうございます。

      「チンギス紀」。私もいつ手を出そうかとタイミング(?)を図っていましたが、先月単行本が完結したので、そろそろかな…というところです。
      胡土児に受け継がれた吹毛剣が「チンギス紀」に登場しているのですかね・・なんと壮大なストーリー!
      文庫化が待ち望まれますね~。
      2023/08/17
  • 登場人物の男臭さに筆者の無骨な文章が相まって、とても読み応えのある作品だった。
    痛快でダイナミックな展開の裏側には、武将の心の葛藤や運命の儚さもしっかりと描かれており、楊四郎と本当の自分の間で揺れる石幻果の心情は、胸に迫り心に響いた。
    宗と遼、激しい争いをしながらも、戦だけでなく民のことをいちばんに考える武将がおり、最後は和平の交渉を選ぶ両国に今の国際社会も学ぶところがあると思う。
    またすぐに北方作品を読みたくなった。

  • 楊家将の続編.楊家将~血涙は北方謙三の中国時代小説の中でも傑作.最高に熱い.

  • 図書館で借りて読んだ。
    大水滸へと続いていく物語に感動。
    悲しい話だけど、最後には少しの爽やかさが残る。

  • 2019/1/28
    設定に無理がある。下巻で盛り上がるのかと思っていたら尻すぼみだったなぁ。

  • 楊家…の末裔に代々伝わった名刀が吹毛剣。これは水滸伝の楊志に伝わり、それが楊令伝の楊令に引き継がれる…楊家とは本当に血の一滴までもが不運といっていいのかもしれない。宋と遼の戦の決着は済んでいなかった。

    遼には耶律休哥に耶律休哥を父と仰ぐ新たな有能な武将である石幻果が現れ、楊業亡き宋を追いつめていく。楊家は楊業を始め、多くの兄弟を失いそれでも残った六郎と七郎に長兄の延平の息子の延光と九番目の子供である九妹の楊瑛花と残った勢力のすべてを注いで楊家の意地を見せていく。偶然、死んだはずの五郎が隻腕で現れたが、兄弟の再開も喜ぶ間もなく単身で遼に乗り込み石幻果との決闘の末に果てる。

    石幻果…楊家の前に立ちはだかった遼の手ごわい新将軍は記憶を失くした楊四郎延郎だった。前作に続き楊家の悲劇は味方にも裏切られ今度の敵は実の兄弟と切なさのスピードがさらに加速する。この作品は訳書というものではなく北方先生のオリジナルになるのだが、どの作品も涙なくしては読めない男の名作なんだと思う!

  • 耶律休哥の生き様、七郎の生き様、石幻果の生き様、六郎の葛藤、全てが骨太で、ずっしり来たぜ。

  • 楊家将ほどではないですが、感動です。
    楊家の二人がどうなったのか、気になる後日談。
    読んでよかった。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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