最後の御大将 平重衡(しげひら) 義経が最も恐れた男 (PHP文庫 な 16-6)
- PHP研究所 (2005年1月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569663203
作品紹介・あらすじ
強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。その運命の奔流のなかで、戦場で源氏を苦しめ、鮮やかな武者ぶりを示す青年武将があった。"最後の御大将"と呼ばれた清盛五男・平重衡である。父清盛の独裁政治に疑問を抱き、その没後は棟梁宗盛の狭量に悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けた男-。その真実の姿に迫る力作長編小説。
感想・レビュー・書評
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平家、特に重衡贔屓の私にとっては最高の一冊。まさか彼を主役にした小説があるとは思いませんでした。
史実や著者の見解を交えた文章は、歴史物に有りがちな古風な読みにくさを感じさせず、一気に読み終えられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説としたら面白いけど…史実と離れている部分がすごく気になる。例えば、一ノ谷で捕えられたのは、和平交渉のためであり意図的なものであったとか。本当は馬を射られたところを、乳母子に逃げられ、自害しそこなったはず。しかも、正室大納言局もいなかったことになっている。なんだかなあ…。話しは面白いんだけど。
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思ったより良かったかも。この重衡はかなり真面目な、雅より武を好む優しい人。
でも、一門の人たちがあんまり出てこない。徳子・清盛・知盛・宗盛・惟盛くらい?ほかは名前くらいしか出てこない。なんかちょっと重衡、暗い人みたいな…。
知盛かっこよかった。宗盛、残念ながら情けない。 -
『平家物語』あたりとはまた違った重衡像、って感じでなかなか読み応えがあります。
やっぱり元凶はお前かこのハゲ狸じじぃ(=後白河院)!とか、たまに思いますが(笑)
ちょっと現代日本にも重なる部分があるかも。 -
平清盛の五男、重衡を主人公に据え、敵である源義経との対比をテーマにしている長編です。サブタイトルは多少大げさだとは思いますが‥。ここの重衡は真っ直ぐで、姉徳子への思慕、内裏女房・玉緒との恋、そして父清盛の横暴に心を痛め、その死後は棟梁となった兄宗盛の狭量に頭を悩ませる‥。一の谷で捕虜になったのも、平家のことを思って考えた末のこととしています。
正妻である大納言典待がスルーされていますが‥重衡という人物の生涯を知るには、うってつけの一冊でしょう。