十八史略(下) 激動に生きる 強さの活学 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569663241

作品紹介・あらすじ

混迷の時代こそリーダーの資質が問われる! 本書は、秦の始皇帝、項羽と劉邦に始まり、三国時代の曹操、劉備、孫権、宋の哲人宰相・耶律楚材まで、戦国乱世に光芒を放った英雄たちの優れた戦略と巧みな人心掌握術について語り明かした講話録である。▼「剣は一人の敵なり。学ぶに足らず。万人の敵を学ばん」(項羽)、「背水の陣」(韓信)、「太学を起こし礼楽を修明す」(後漢の光武帝)、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」(班超)、「不可ならば、君自ら取るべし」(劉備)、「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」(諸葛亮)、「刮目して相待つ」(呂蒙)、「至誠を以て天下を治めん」(唐の太宗)……など、知略をめぐらし、死力を尽くして成功を収めた者、悲劇を辿った者の言行は、時を超えて我々にリーダーの行動規範を指し示す。▼わが国の指導者に多大な影響を与えた著者の確かな視座からの解説が心に響く好著である。ビジネスリーダー必読の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 安岡正篤の「十八史略」の解説本で、本書はその下巻 始皇帝の中国統一から宋代まで

    秦の始皇帝の中国統一、楚漢の戦い、三国志、五胡十六国、南北朝、隋唐帝国、そして、宋へ。
    諸方から、侵入を繰り返す異民族との戦い、時を超えてリーダーの行動規範を示す、ビジネスリーダー必読書の1冊とある。

    十八史略はおろか、正史でまともに読んだことがあるものは、司馬遷の史記ぐらいなものだろう。

    気になったのは次のです

    始皇帝の行った事業、文字の統一、あたらしい小篆書へ。度量衡の統一。
    始皇帝は、合理的・科学的な頭脳をもった人間であったが、一面において、妙に神秘的な占いや予言といったものも好みました。
    焚書坑儒 思想統制と、言論の弾圧、長城、阿房宮、墳墓の構築など、大規模な工事の実施
    燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや 陳勝呉広の乱
    項羽と范増、に対し、劉邦と張良 貧農と武官との戦い
    蕭何と曹参の不思議な関係、個人的には仲がわるかったが、蕭何の死にあたって自分を後継者に選ぶだろうという、曹参の確信、不仲は私事、天下の政事はおれの他にあるか。
    老子の名言 「大国を治むるは、小鮮を煮るがごとし」 小鮮とは小魚のこと、天下を治めるに引っ掻き回したら、頭もしっぽもみな取れてしまう、だからそっと煮なければならない。
    老子の三宝 ①慈悲、②ぜいたくをしない、そして、③突っ走らない、慎重に構える
    後漢の光武帝は、シナ四千年の歴史、二十四正史と言われる中で、最も代表的な英邁なる君主として有名です。唐の太宗と並び称される人でありますけれど、人物は純粋で拡張が高いということで光武帝に心酔する学者が多い。
    一番いけないのは、私事で腹を立てる。憎しむという憤怒、憎悪、これが一番いけない。
    水清ければ大魚なし 魚すまずは間違いで、西域経営の班超のことば
    周恩来が、田中角栄に送った言葉 「言必信、行必果」は論語にあり、「言ったことは必ず守る、やるべきことはきびきびやる」という意味です。
    曹操を指していったことば、「治世の能臣、乱世の姦雄」、世の中がおさまっている時は、有能な役人だが、世の中が乱れると、油断も隙もないどうも甚だ厄介なしかし英雄豪傑だと。
    曹操の二人の軍師、荀彧と郭嘉、二人とも若くして亡くなったが、もし生きていれば、赤壁の戦いといった下手な戦さをしなくてもすんだにちがいない。
    優れた政治家諸葛亮孔明、三国志曰く、孔明は政治というものをよくわきまえていた。優れた人材であった。刑罰や政事は峻厳でなければいかん。善良なものに対しては、寛でいい。悪い奴らについては、厳でなければいけない。寛厳よろしきを得るということが政治の秘訣である。
    マルコポーロは、南宋の時代に、南京とか蘇州・杭州は非常に発達したと、驚いて伝えている。
    南北朝時代に達磨大師の「碧巌録」が現れた。武帝との対話集である。そして、その原点は、小林寺にあり。
    唐の太宗の政治の記録が、「貞観政要」であり、その思想は、北条政子の鎌倉幕府や、家康の徳川幕府へも伝わり、政治の基本となっていく。
    創業と守成、どちらがむずかしいか
    北宋の儒学者、資治通鑑の編者でもある司馬光は、明治天皇も愛読した、朱熹の宋名臣言行録には、誠実な人とある。
    学問とは悟入が大事とあり、悟入とは一つの悟りから入っていくことを表す、直覚派である。単なる知識や、理論だけではつまらんといっています。

    最後に本書は、チンギスハンの哲人宰相であった耶律楚材の言葉でおわる
    「一利を興すは、一害を除くに若かず」 事を興そうとするならば、まず、害を取り除かなければなりません。一事をふやそうとすれば、ますその前に一事を減らさなければなりません。

    目次

    第5章 天下統一への攻防
    第6章 「三国志」の主役たち
    第7章 長い戦乱と内乱の後

    (上巻)
    文庫版のまえがき
    序章 中国古賢・先哲の智慧
    第1章 三皇五帝・三代の治
    第2章 中国思想の淵源
    第3章 春秋覇者の台頭
    第4章 戦国時代の英傑

    ISBN:9784569663241
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:304ページ
    定価:760円(本体)
    発売日:2005年03月16日第1版第1刷

  • 十八史略とは、原初中国から宋までの十八の政権の歴史である。本書は、その十八史略をもとにした歴史上の人物の紹介と、その他の人物の対比である。大人物は天井の高い家に育つというが、正にその通り。大陸に育つと、こうもダイナミックな人物が育つのかと感嘆また感嘆。曹操、劉備、諸葛亮はもとより、日本でほとんど聞いたことがないような人物まで個性と能力に富み、悪党はどこまでも悪党、女傑はどこまでも残忍。やはり中国はダイナミックレンジが大きい。 自分をこれから大きく育てたい人にお勧めする。なお、順序だった十八史略が読みたい人には、陳瞬臣の十八史略をお勧めする。 「言必行、行必果」という言葉が気に入ったので、明記しておく。

  • 三国志あたりから宋時代までの話が対象。下巻になると安岡正篤の評論のようになってくる。三国志など、どのような感じで読めばよいか、よく理解できる。後で、三国志を読めばちょっと違った感じになると思う。

  • とても勉強になった。こういう中国の古い書の勉強って今は全然しないけど、道徳やことわざなんかの元になっているネタが多いし、漢字の事といい大事だなと改めて思った。秦の始皇帝から宋までで、Wikiなんて見るとこの十八史略って評価されていない本らしいけど、流れが分かって面白かった。唐も立派だし、そうした立派な政治を北条政子とかが旦那に読ませて勉強させているとか、当時の武士達も一生懸命勉強して良い政治を行うように心掛けていた事も知り、勉強になった。諸葛亮孔明の話も良かった。

  • 【Amazon紹介文】
    項羽と劉邦、曹操と劉備など、治乱興亡の中を生きた男たちの戦略・戦術とは。すべてのビジネスマンに贈る激動の社会を生き抜く智恵。
    混迷の時代こそリーダーの資質が問われる! 本書は、秦の始皇帝、項羽と劉邦に始まり、三国時代の曹操、劉備、孫権、宋の哲人宰相・耶律楚材まで、戦国乱世に光芒を放った英雄たちの優れた戦略と巧みな人心掌握術について語り明かした講話録である。
    「剣は一人の敵なり。学ぶに足らず。万人の敵を学ばん」(項羽)、「背水の陣」(韓信)、「太学を起こし礼楽を修明す」(後漢の光武帝)、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」(班超)、「不可ならば、君自ら取るべし」(劉備)、「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」(諸葛亮)、「刮目して相待つ」(呂蒙)、「至誠を以て天下を治めん」(唐の太宗)……など、知略をめぐらし、死力を尽くして成功を収めた者、悲劇を辿った者の言行は、時を超えて我々にリーダーの行動規範を指し示す。
    わが国の指導者に多大な影響を与えた著者の確かな視座からの解説が心に響く好著である。ビジネスリーダー必読の一冊。

    ※2008年購入
     2008.3.7読書開始
     売却済み

  • 【読みたい】
    齋藤先生の『勉強力』より

  • 2011.9.25読了?
    今度、三国志読もう。

  • 安岡正篤先生のご子息にあたる安岡正泰先生を講師にお招きし、素読形式による勉強会を運営しております。その際に平成19年度に利用した書籍。

  •  歴史的人物(中国史)がどのように考え行動をしたのか、どのような判断を下したのかを人間学まで掘り下げて解説している。
     読んで損は無いが、出来れば事前に中国古代史を覚えておくと非常に読み応えがあるかと思います。

  • 古典。参考にすべし

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著者プロフィール

明治31年大阪市に生まれる。
大正11年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業
昭和2年に金鶏学院を設立。
陽明学者、東洋思想家。
終戦の詔の起草者の一人。
昭和58年死去

著書
『易學入門』『全訳 為政三部書』『東洋思想と人物』『暁鐘』『王陽明研究』『陽明学十講』『朝の論語』『東洋学発掘』『新編 経世瑣言』『新憂楽志』『老荘思想』『古典を読む』『人物・学問』『光明蔵』『政治と改革』『古典のことば』『この国を思う』『儒教と老荘』『旅とこころ』『王陽明と朱子』『人間維新Ⅲ』『憂楽秘帖』『明治の風韻』『天子論及び官吏論』(明徳出版社)

「2000年 『人間維新 III』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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