会社が放り出したい人1億積んでもほしい人 (PHP文庫 ほ 3-3)
- PHP研究所 (2006年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569666631
作品紹介・あらすじ
「これから10年後、年収1億円も夢じゃない!」-今まで2千万円の年収を貰っていたのは、大企業の部長か役員クラス。それは、過去の功労や出世レースに勝ち残った見返りとしてで、必ずしも現在の実績ではない。これからは、役員よりも高い年収を貰う社員が現れる。「10年後、こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、今やっておくべき自己改造法を、当代きっての経営コンサルタントが明かす。
感想・レビュー・書評
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20年来の堀先生のファンだ。歯に衣着せずテンポ良く放たれるロジカルなものの言い方。
コロナ禍にあって自社の業績が足踏みしてきた。今こそ企業理念に立ち返り「自社の存在意義は」、「自社の目的は」を問い、どうやってお客様に価値を提供できるのかを見つめ直す機会だと思う。
とても参考になりました、ありがとうございました。 -
”堀紘一さんがこれからのビジネスパーソンの生き方を説く一冊。年収は一つの指標でしかなく、その本質は、個人の自己研鑚、チームや組織での学びあいを力として、それぞれの夢が実現できる働き方をしていくこと。そのためには、強い目的意識と原因自分論を身につける必要あり。
※タイトルの印象から読むのを嫌気していたが、予想に反して響く内容だった(読まず嫌いを反省)
<実践しよう>
・自身が得意な「場づくり」は今後も続けていきつつ、「もっと社会に役立つ」ために自分を変えていこう。
<読書メモ>
・たとえば、金融大再編前の大手都市銀行で、五十歳くらいの部長の年収は二千万円程度。それでも多いと思われるかもしれないが、これからは、そんなケチな話ではあなたの人生は終わらないのだ。(p.31)
・つまり、自分が踊るというよりは、社員を踊らせる仕組みを考えたり、会社の方向性を考えたりと、頭脳で勝負している人たちである。いわば、彼らこそリクルートの「作戦参謀」なのだ。(p.112)
★アントレプレニアルな人材の条件(p.129)
とりあえず、次の三つは欠かすことのできないものである。
?仮説が構築できる人
?実行力がある人
?みんなと力を合わせて仕事ができる人
しかも、これには明確な優先順位があって、?→?→?の順番でなければならない。(p.129)
・これからのビジネスパーソンは、この三つの条件をすべて備えてほしい。ただし、備えていく順番は、?→?→?でかまわない。
?は心がけしだいだ。では、?と?は持って生まれた資質かというと、そうではない。後天的な努力によって、誰でも身につけることができる。これまた、多くのビジネスパーソンをみてきた私の「確信」であり、「事実」にほかならない。(p.131)
★ビジネスパーソンたる者、そんな側近には絶対になってはいけない。そのためには、自分に都合のいいことだけを報告するのはやめること。また、希望的観測を含めての報告もやめること。悪いことも包み隠さずきちんと報告することである。
(略)
私の知っている人で、とことん誠実だった人がいる。上司にはもちろん、部下に対しても、取引先に対しても、はたまた総会屋に対しても。無理なことを押し付けられると、「それはできません」と断る勇気を持っている人だった。(p.139)
#ん?、できてるか。
・結局、不満を口にする社員に対しては、「わかった。キミのいうことにも一理あるから、それでは一つ、DIにうまく合う人事制度をつくってみてくれないか」ということにした。もちろん、ほんとうに試案をつくってきてくれたら、大いにほめて認めるつもりである。(p.149)
★一億円プレイヤーになるための基本条件(p.163)
《大前提》 何か一芸に秀でている
《基本条件?》強烈な目的意識を持っている
《基本条件?》常に原因自分論で生きている
《基本条件?》絶対に諦めない
《基本条件?》表現力が身についている
《基本条件?》信用がある
《基本条件?》真の仲間がいる
# 特に?、?が大切な気がする。
・人の目を過剰に意識するのは、多くの場合、ワザを伸ばすのに邪魔になる。重要なのはただ一つ、自分がどういう能力を身につけるかなのだ。そのためには、なるべく小さな会社に行って、そこで経営の実践を積むのがいちばんいいのである。(p.168)
・まずは一芸に秀でて、会社が一億円積んでもほしいような人をめざす。チャンスがあれば、赤字の子会社に行って傾斜としての予行演習をしながら、いい話があったら転職もいいが、できれば四十歳くらいまでは会社を辞めずにビジネスパーソンとして活躍する。
そうやって自信をつけて、四十代でおっとりと起業して、五十歳でIPOをして資産家の仲間入りを果たす。二十年後には、こういう生き方がジャパニーズドリームの一つになっているだろうと私は思っている。(p.169)
#この本が書かれたのは 2004年。
・ただし、あなたが自分のプランに沿って目標に進むとき、なんといっても強烈な目的意識がなくてはダメだ。
(略)
ハングリー精神だけだと、年収がどんどん増えればハングリーさが薄れていき、そこでエンジンが止まってしまう。一方、「強い目的意識」を持っている人なら、目的地に行き着くまで機関車のエンジンが動き続けるわけだ。
#「目的地」、なんだ?
★仕事がたいへん忙しくて勉強する時間がないときも、そんなに焦らなくてもいいが、その代わり休日は一時間だけでもいいから机に向かえ。これが種火である。(p.174)
・企画力・発想力・提案力などすべてを包括するものとして、「表現力」がいちばん大切になる。
表現力というと、話し方だとか、プレゼン能力のことだと誤解されがちだが、もちろんそんなものではない。自分の頭に浮かんだ企画やアイデアなどを、第三者に的確に伝える能力を私は表現力と呼んでいる。あなたにいくらよい企画やアイデアがあっても、それが頭のなかにだけあって相手に伝わらないのなら、存在していないのと同じなのだ。(p.178)
★時間と金の約束だけは絶対に守る。これがすべての信用の基本なのだ。
そのために肝心なのは、時間と金以外の約束も含めて、確実に守れること以外は絶対に約束しないことである。相手を喜ばせたいとか、こうでもいわないとお客さんが離れていってしまうと思ったときでも、ぐっとその気持ちを抑えて、心のなかで目をつぶるような心境で、できないことはできないといわなければならない。その代わり、いったん約束したら、命に代えてでも守る。(p.183-184)
★真の仲間がいてくれないと、人生を一人で戦っていくには世の中はあまりにも大きく広く、複雑すぎるのだ。
真の仲間は、あなたの真剣度に応じて集まってくれる。あなたがいい加減で、ただ居酒屋でビールを飲んでワイワイ騒いでいる人間だと、周りにもそういう人しか集まってこない。ビジネスでも何でも、しょせん「自分のしたこと」しか返ってはこないものだし、同じく「自分のしていること」は必ずいつか自分に返ってきてしまうのである。(p.189)
・DIでも、将来の経営者候補を育成するための「塾」を立ち上げた。
そのカリキュラムを考えているときに出てきたキーワードに、?自信、?勇気、?向上心、?メンタルタフネス(強靭な精神力)の4つがある。(p.198)
★リーダーはそういう変化が嫌いな人たちを動かして仕事をするわけだから、自分自身が変化を厭うようなら、とても務まらない。極端にいえば、常に新鮮な頭を持ち続け、一日ごとに商品設計を変更するくらいのリーダーシップを取らなければならない。(p.203)
★経営理念とはそれほど大切だ、というのが私の考えである。
私自身、DIを創業するとき、まず最初に経営理念を考えに考え抜いている。先ほどの二つの質問、?企業の存在意義とは何か、?企業の目的とは何か、を何度も自問自答して、結局、次の四つに決めたのである。
?人々の役に立つ
?利益を出す
?成長をする
?分かち合う
(p.209-210)
・ある日、「日本生命は立派な会社だし、仕事に不満もない。周りからの期待も感じている。しかし、自分は、もっと世の中の人々の役に立つ仕事をするために生まれてきたんじゃないか」と思い始めた。
(略)
そんなとき、たまたま、六万円でつくったわが社のホームページをみた原田は、そこに記してあった社是に感激したというのだ。
原田は、DIでどんな仕事をするのか、それよりもDIが自分を受け入れてくれるか、といったことはあまり深く考えず、とにかくDIで働きたいと強く思い、一流企業の幹部候補生から転身してきたというわけだ。(p.213-214)
・あなたが創業二十年、三十年、あるいは百年といった歴史と伝統のある会社の社員なら、改めて自社の経営理念を読み直してみるといい。そこにはきっと、共感できるすばらしい夢と、それを社員みんなでシェアしながら一緒に実現していこうという創業者の決意が、しっかりと書かれているはずだ。(p.218-219)
★企業にとって利益とは何か。私は、次の5つの点から利益はとても大事だと思っている。(p.220-222)
?再投資ができる
?お金が借りられる
?社員が喜ぶ
?株主が喜ぶ
?社会に貢献できる = 利益を出すと、税金というかたちで社会の役に立つことができる。
(略)
個人レベルでは、税金はなるべく払いたくないとみんなが考えている。しかし、経営者たるものは、たくさん利益を上げて、たくさん税金を払うことに、喜びと誇りを感じなければいけないのである。
#「どうせ税金にとられるから…」はあまりにも狭く、さみしい考え方!
・会社が上げた利益を国家予算の使い方と同じパーセンテージで項目分けして、そこに具体的な額を書き込む
すると、そうか、ウチの利益は、福祉に8千万円、教育に6千万円、防衛に5千万円も使われているのか、けっこうオレたちも社会のためになっているじゃないか、と一目瞭然で納得できる。(p.227)
#★これ、おもしろい!
・なぜ年率16%も成長することができたのか。
あとから調べてみると、毎年平均で新規顧客が30%ずつ増えていたのに対し、既存顧客は前年比14%しか落ち込まなかった。つまりリピート率86%を確保できたのである。(p.230)
★創意工夫の原点も、社内にあっては真剣に仕事に取り組み、同時に「不断の学習」を怠らないという、ごく地道なものしかないと思っている。ただし、中途半端ではまったく意味がない。徹底して取り組むことだ。
それに加えて、社内の人たちと切磋琢磨していく。自分一人の世界に閉じこもってしまう愚を犯さないためにも、みんながみんなから学び合うという姿勢が重要だ。できれば会社のほうでそういう場を設けるのがいちばんいいが、社内外にこだわらず、気の合った者同士で声を掛け合って、私的な勉強会をするのもいい。
あとは刺激である。
仕事とは関係がない時間をつくり、本を読んだり、映画を観たり、外国旅行をしたりして、見聞を広めていく。何をするかは人それぞれでいい。要は、日ごろから自分でできるかぎりの努力を重ねていれば、知らず知らずのうちに、それらの蓄積がまったく新しい創意工夫につながるということである。(p.234)
#ここ重要。発想する会社、ご機嫌な職場、イノベーションを起こす組織はこういう活動を、個人やチームで自由闊達にやっているのだ。
★自分のエゴを実現するために仕事をしている人は、自分の考え方を変えないかぎり、リーダーとして大成しないといってよい。
一方、自己実現に価値を置く人、他人の喜びを自分の喜びにできる人、このタイプはリーダーの資質を備えている。
こういう人は、自分の実績にならない仕事であっても、チームのためになるなら喜んでやる。周りによく気がつき、他人の仕事を手伝ってあげる。自分が納得するまでとことん仕事に打ち込み、けっして手抜きをしない。そういうタイプこそ、会社の活力になってくれるのである。(p.245)
#かくありたい。また、関わるみながこういう人へと育ってほしい。
・「自分よりも年下の人間、地位の低い人、能力の劣る人、だれの意見にも謙虚に耳を傾け、だれからも学ぶ姿勢を持つべきだ」(p.257)
#ユニ・チャーム創業者 高原慶一朗 氏の著書からの言葉。
★二つの「トク」が揃わなければ、人は集まってこない。
?「得」をする
相手が得をするように、得をするように、と考えるのが商売の基本なのだ。
?「徳」がある
あの人には徳があるから、一緒にいると気持ちが洗われる、清々しい、自分もあんな立派な人になりといと思うような人には、自然と人が集まってくる。そういう経営者の下には入社希望者もどんどんくる。(p.364-365)
・若い人同士もお互いを信じ合えるようになってほしい。それにはどうしたらいいかと考え続けた結果、ようやく一つの答えが生まれた。
それは「相互尊敬」である。
(略)
若い人たちが「相互尊敬」によって、相手を信じるようになっていくのが大切なのである。すると、ちょっと自信がない提案でも、「笑われるかもしれないけど、いまこんなことを考えているんだ」といえるようになる。新しい商売のネタというのは、案外こういう話に隠れているものなのだ。(p.271-274)
#respect! 人と人とのつながりへの投資。
・人の時間をもらうためには、相手の役に立つことを先にすればいいのである。相手が、あいつには世話になった、助けてもらったと思ってくれれば、いつか恩を返してくれるのが人間というものだ。(p.281)
・ここまできちんと読んでくれたあなたは、これから十年後、年収1億円を超えるビジネスパーソンとして活躍しているだろう。(p.284)
#おー、こんな嬉しいセリフが!(笑)
★年収二千万円か三千万円で満足するような生き方をいまから目指すと、あなたの将来は厳しいものになる可能性が高い。
むしろ、堀のいうことを信じて一億円プレーヤーを目指したが、結果的に五千万円プレーヤーで終わってしまった、という生き方をしてほしい。
(略)
私の夢は、この本を読んだ読者たちが「一億円クラブ」をつくることである。会員たちが切磋琢磨し、情報や夢を共有すれば、そこから一億円プレイヤーが排出するかもしれない。
その流れができたとき、戦後のサラリーマン社会は完全に崩壊し、日本経済は新たなステージに入ると確信している。(p.285)
★こうした若者と悩める若者とを比較すると、結局、明確な夢を持っているかどうかが分岐点だということに気付く。
(略)
同じ夢である必要はない。夢を持った若人が、あるところに結集したとき、お互いの夢や気が相互に好影響を与え、爆発力のある人材を醸成すると考えるべきだろう。(p.389)
#そういうチーム、組織、会社をつくり、みながそれぞれの夢を実現できるようにしたい。
<きっかけ>
社内読書会、8月の課題本。tanatakaさんのオススメ。” -
著者は経営コンサルティング会社を自ら経営していて、かなり有名な人らしい。
会社が放り出したい人とは。
「会社に害をなす人間、できれば排除したい人間というのは、どういうタイプか。じつは、仕事ができる、できないは意外と関係ない。
①マイナス思考の人
②デマを飛ばす人
③ヤル気のない人。」(p131)
と、ここから読みはじめたら、面白くて、ついつい買って読んでしまった。
ふーむ。
では1億円積んでもほしい人とは?
それはやっぱり自分で買って読んでいただくしかない。
なかなかタメになる、元気が出る本でした。 -
20180308
何年みかかにいるかは分からんけど、頭に留めておきたいことが沢山書いてあった。外に出れるようなスキルをつけつつ、本当に頑張っても報われないような職場なら、もしくは面白いことをやらせてくれないのなら、さっさとでて経営コンサルかリクルートか外資に行こうと思います。無理なら音楽やりながらまったり腐ります。
あと本当にSさんが読んでる本やばいと思うww -
ある方から紹介していただき、拝読。
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40歳で経営企画部長をやるためには?を考えて、今を過ごしているか?
長期的視点で動かなければと、冷や汗が出てくる言葉だと感じた。
身につけるべき能力は、
①仮説が構築できる
②実行力がある
③みんなと力を合わせられる
さらに、
・一芸に秀でている
・目的意識を持ち、原因自分論で、諦めない心と、表現力をもつこと
これからの自身の方針は、出世は今は考えず、ビジネス能力を高めるためにSEをやること。
まず、タイムマネジメントができるようになること。ゆくゆくは、情報収集能力、企画力、提案力、行動力、交渉力、管理能力を身につけること。
具体的なビジネス要素としては
人事 採用から査定、福利厚生まで
経理 資金繰りから決算まで
営業 接待から新規開拓まで
企画 商品開発から宣伝戦略まで
1億プレーヤーは、やはり経営者となるしかなく、
人々の役に立つ
利益を出す
成長する
分かち合う
を挙げて経営を行うことが必要。僕は
雇用を生み出す
日本を良くする
以下はメモ。
家を買ったらその近くの会社に転職するのが、世界の常識。時間は無駄にしない。仮に給料が下がっても、致し方なし。
共産主義的な働き方。確かに一年間めちゃくちゃ頑張っても、ボーナスは20%くらいしか違わない。ましてや、昇進は相対評価であり、PJは選べない。
ベンチャーの成功確率は0.3%。今の自分は起業しようとは考えてないなあ。 -
「ゴルフでもパチンコでも釣りでも、やればやるほど奥が深いことは理解できるだろう。」
「繰り返しておくが、二年、三年でわかるほど底が浅い仕事など、この世にはほとんど存在しない。」
わかったと思うことは、まだ深みを理解できていない。つまり、何もわかっていないのである。
「高価な化粧品ほど肌がきれいになるのか」
化粧品を買う前にやることがある。同じく、資格や地位を求める前にやるべきことがあるのである。ということが分かったような気がする。 -
読売新聞→三菱商事→ボスコン→ドリームインキュベータ
社内政治に対応出来ない人はかつての日本の大企業では出世出来なかったが、これからは給与基準も変わり実力あるものだけが活躍出来る会社社会になっていくはず。
また、社内政治が得意でなく実力のみで勝負したい人はコンサルになることも薦めている。
他人を信じられるか、向上心、勇気、自信、表現力はあるか。