「色彩セラピー」入門: 心を元気にする色のはなし (PHP文庫 す 17-1)
- PHP研究所 (2007年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569667805
感想・レビュー・書評
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普段デザインの仕事をすることが多い為、色が人に与える心理的効果について、具体的に知りたかったので購入。
この本では著者の実体験や感覚については勿論、科学的な知識(色光を用いた治療など)についても詳しく書かれている。
また、各色の使われている絵画や映画についての解説もあるなど、
多角的な分析で興味深く、自分の仕事にも早速役立てていきたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色彩セラピー入門(2007)
末永蒼生
PHP文庫
色彩自由自在(晶文社)ー色彩心理の入門書
62
ゴッホの黄色い部屋には表面の明るさの背後に隠れた、底なしの闇を見る。光が強ければ、それが生み出す闇も深く鋭い。その闇を這い上がるようにして黄色の光を求め続けた。
70
イエローは最も多く光を与えるもの。光を当ててみるというのは、これまで隠されていた真実を認識するようになることを意味する
72
平安貴族の「重ね色目」というコーディネート。
これほど多様な色名を持つということは、それだけ当然勝手の日本人が色の数だけの緑の世界を思い浮かべることができていたということ。色についてのなかなかのイメージトレーニングの達人揃い。茶の湯は緑のそれである。
79
セザンヌ「私の努力の成果ぎ理論的に擁護されうる、とわたしが感じる時まで、沈黙のうちに仕事したい。
日経ポケットギャラリー「セザンヌ」日本経済新聞社
83
その花弁が青いゆったりとしたえりを広げると、中にほっそりとした顔がほのかにゆらいで見えた。
169
こういう暮らしの中の色との付き合い、時には趣味的に見える振る舞いそのものが、人間にとっては色を通して必要なエネルギーを選択的に吸収する生命の本能的行為。たかが色1つであっても人間の色の好み対するこだわりが愛おしく感じられてくる。全てに色があるということは、地球のすべてのものが太陽の光を自らの性質に合わせて吸収し循環させて生きているということに他ならない。そう思って一歩外に出てみると、目に入ってくる全ての色彩が生き生きと呼吸しているように感じられるのである。
ノヴァーリス「青い花」青山隆夫訳、岩波文庫 -
色に関するエッセイ。
色に単一の意味を見出すのではなく、複眼的にとらえているところに洞察の深さを感じました。心理学というより、文化人類学的な側面が強く出た内容です。
読み物としては面白いですが、色彩セラピーの実際、具体例、エビデンスに乏しいので、セラピストとしては少し物足りなく感じました。 -
絵が書きたくなる。私もいつか色の自分史を書き出してみたい。