子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)
- PHP研究所 (2007年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569668932
作品紹介・あらすじ
子どもをよい子に育てたい――。そう考えるあまり、声をかけ、世話をやきすぎて、依存心の強い、自立できない子どもが増えているといいます。しかし、子どもの将来を思うのなら、自分で考える力、周りの人とうまくやっていける本物の「生きる力」を身につけさせるのが親の務めです。▼本書では、コーチングの技術を応用して、子どもの内なる能力を引き出し、子どもが自分で考え、答えを出せる子育て法を紹介します。▼「親は子どもをサポートし、才能を花開かせるコーチ」「子どもに教えたい、“愛すること”“責任”“人の役に立つ喜び”」「幸せ気分でするしつけ」「あなたの『きき耳』チェック」など、親がコーチとしてのあり方を学び、親自身が成長することによって、子どもの「生きる力」も育まれていくのです。▼ワークショップやPTA主催の講演会で多くの親から支持を得ている子育てプログラム「ハートフルコミュニケーション」をわかりやすく解説した入門書。
感想・レビュー・書評
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自立ってしなきゃだめ?てか自立って何?
自己肯定感を持ってどうするの?どうなるの?
ぼんやりしたことが明文化されてて良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とてもよかった。
人を育てるのは、なんて難しいんだろう。特に、自分の子どもを育てるのは、なんて難しいんだろう。
自分の親としての対応がこれで良いのか悪いのか試行錯誤の日々だが、この本を読み、「こうしたらよかったのか」「これで大丈夫だったのか」と、多くのことを学ばせてもらった。
子どもときちんと向き合っている自負はある。それでも、子どもにうまく響かないこともある。より適切なコミュニケーションの取り方を学ぶことで、子どもも自分も成長に繋がっていくだろう。
本書はその一つの指針として、迷った時に読み返したい。 -
自分の思い通りにしようと子どもに怒っている事に気付かされた。
叱るのは子どもの命の危険のある時だけで、怒ったり、禁止語や命令語を使わないように気をつけようと思った。 -
子どもに対し、過保護にするのは
親のエゴであり、「支配」しているのと同じ。
子どもが出来る事を親が代わりにすると、
成長する芽が摘まれてしまいます -
ヘルプではなくサポート。
子どもを自律させるのが親の役目。
子どものひびのために花の種を蒔くことが親の仕事。
何度も読み返して身に付けたいと思います。 -
子どもへのアプローチもさることながら、親の子離れへの必要性を強く説く内容。
筆者も自分が完全ではないこと、親が完璧な人間でない事への気づきを促す中でコミュニケーションの図り方を挙げている。具体的なシーンを例に挙げていて分かりやすかった。 -
素晴らしい本と出会った。親は子どものコーチであり、育児はコーチングである。親は決して子どもの代わりにプレーすることはできない。
育児本を読んだあと私が常に感じる「ま、それが難しいんだけどね」が無かった。
今まで読んできた中でいちばんわかりやすく、実践的で、書かれている言葉がまっすぐに届いてきました。忘れたくないことがたくさんあった。
次の三つの条件を満たしたとき、親は子どものコーチになれます。
①子どもはできることを知っている。
②子ども自身がもっとよくなりたいと思っていることを知っている。
③子どもが望んでいることが起きるまで待ち、必要なサポートは何でもしようとする柔軟性がある。
自己肯定感とは、自分の存在を肯定する感覚です。自分はここにいるべき人間であり、まわりの人は自分の存在を喜んでいる。自分の存在が家族に幸せをもたらしていて、そんな自分でいることがうれしい。「私は自分が好きだ」という感覚です。
ほめる子育てに頼っていると、子どもの中に本来の自己肯定感を育てることはできません。本来の「自分はこれだ」「この自分が好き」という無条件の存在肯定ではなく、ほかの人がどう思うかによって自分の価値を決める、自信のない人間に育ってしまいます。ほめてもらえるかどうかが気になって、不安や緊張にしばられた毎日を生きることになりかねません。
大きくなっても常に自分をほめてくれる人を求め、ほめてもらわないと自分が大丈夫なのかどうかを自分で決められない、不安定な心のもち主になってしまう可能性もあるのです。
子どもが手伝ってくれたら、子どもをほめないことが大切です。「いい子ね」「えらいぞ」というほめ言葉ではなく、子どもが手伝ってくれたことに感謝し、喜んでください。子どもが親のために働いたときに、親がどう感じたか、気持ちを教えてあげてほしいのです。
「ありがとう」「お父さん助かったよ」「うれしかった」という具合に、自分の働きが親にどのような影響を与えたかを教えてあげてください。
なぜ私たち親(大人)はこんなに話したがるのでしょう。なぜ黙って、子どもたちの言葉に耳を傾けられないのでしょう。
それは私たちが、子どもたちより何かをよく知っていると思いこんでいるからです。だから、知らない子どもに教えなければならないと思っているのです。
確かに私たち親は、子どもたちより長く生きています。自分の生き方については、よく知っていると言えるでしょう。でも、子どもがこれから生きる人生についてどのくらい知っているのでしょう。子ども自身以上に知っているということはありえません。
①子どもに対する指示・命令・小言をやめる
②子どもに質問したら、答えが返ってくるまで待つ
③思わず何か言いたくなるようなことを子どもが言ったら、黙る
子どもの問題解決に親の意見はいりません。子どもに必要なのは聴いてくれる人です。
子どもはそんなに弱くないと知ってください。痛みや悲しみがそこにはないようなふりをさせるより、その感情や感覚を認め、共に感じ、包みこんであげましょう。
「つらかったのね。でも、よく頑張った」
そう親に言われたとき、子どもは安心して親の腕の中に飛びこんでいけるのです。自分を理解してくれる親の腕の中に。
実は、子どもに自己肯定感を教えるプロセスがそのまま、親が自分の中にそれをそだてるプロセスです。子どもを愛する中で、一緒に自分を愛する気持ちも育ててみてはいかがでしょう。
今のあなたには選択があります。一人の気づいた人として、親の影響下にいつまでもいる必要はありません。自分でこれからの自分を選べるのです。
私たちはみな、それぞれユニークなひび割れをもっています。
私たち一人一人がひび割れ壺なのです。
私たちの仕事は、子どものひびを責めることではありません。
自分のひびを責めることでもありません。
子どものひびのために花の種をまくこと、それこそが親の仕事です。 -
自分と子供の関係性を考える中で、自分と親の関係性を振り返るきっかけを与えてくれた良書
お互い過度に依存せず、一人の自立した人間として育てる/育つこと
なぜ自立する必要があるのか、どのようなステップを経て獲得していくのか、が説明されている -
これは、生き方の指針となる本です。
タイトル通り、この本の主な対象は育児をされている方であり、ジャンルとしては育児書となります。
しかし、子どもの心のコーチングというタイトルながら、親の心のコーチングが主題なのではないかと思わされます。
この本で描かれていることは、親と子の関係だけでなく、人と人の関係について考え、自分の生き方を見つめるコーチとなってくれるものだからです。
育児をするにあたり、大切なこととされているのは実にシンプルな以下の3点
愛(自己肯定感)
責任
人の役に立つ喜び
もし、上記の事柄を身につけないまま大人になったら...
「自分に価値なんてものはない」
「物事がうまくいかないのは環境やまわりの人間のせいだ」
「自分が何をしようが意味なんてない。報われないことばかりだ」
となるのではないでしょうか?
人生は辛いことばかりで、何をしても報われなくて、自分ではどうしようもない。
そんな自分の無力さがやるせない。
思うに、そんな風に考えて生きている人は決して少なくないと思います。
ただ、親から与えられなかった(感じることができなかった)といって、手遅れということはないと思います。
この本に書かれている考え方を応用し、自分で自分をコーチングしていくことができたなら、その時には自分を肯定し、自分の人生に責任をもち、人の役に立つことに喜びを感じることができるのではないか、そんな風に思います。
子ども(人)を育てることに悩んでいる方
そもそも生きることに悩んでいる方
におすすめです。 -
幼児や小学生までのまだ反抗期や思春期を迎えてないお子さんをお持ちの方にオススメの本です。親が子供にどう向き合って行くかも丁寧に説明されています。にわか知識と発奮した勢いでいろいろやってみましたが長続きしませんでした。親が自身と向き合い自己をみつめ成長できれば次第に道は開けていきます。アタマでわかる事とココロが従って自然とできる様になるのでは効果は全く違いますから。悩み多き時に支えてもらった1冊です。