生きていてもいいかしら日記 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569678405

作品紹介・あらすじ

40代、独身。好きなもの、昼酒。座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」。"いいとこなし"に見えるけれど、なぜかおかしいキミコの日々。「結婚しないの?」と聞かれた時の答え方、圧力鍋との15年戦争、父のゴミ分別の不可解なルール、朝はなぜ眠いかについての考察など、日常の出来事に無駄な妄想で切り込んでいく。読んでも何の役にも立たないけれど、思わず笑いがこみあげて、不思議と元気が出てくるエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 絶賛マイブーム中の北大路公子さんのエッセイ。
    あー楽しかった。
    恩田陸さんの解説も含めて、すべてのページを楽しませていただきました。
    公子さんのご両親の日々の行動が、公子さん以上に破天荒で面白いのです。
    まだまだ続きそうです。マイブーム。

  • もう気にならなくなった。
    公共機関で読むのは周囲の目があるからと、北大路公子さんの本はいつ読めばいいのか問題。

    諦めた。いいや、変な人と思われても。
    だって面白いんだもん。
    笑っちゃうもん。

    今回も面白かった。初めての文庫本を後回しにしてしまったため、家族構成や餅好きのお父さんの事は知っていたが、知ってても更に面白い、、

    どこまでも面白いです

  • 今回も沢山笑わせてもらった。
    「四十過ぎて独身で親と暮らして仕事はしてるようなしてないような。趣味昼酒。てへ」と相変わらずのキミコ節。
    座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」。
    小学校時代の通知表で担任に書かれた言葉は「なげやり」。
    そんなキミコさんは、子供の頃から変わらないまま四十の大人になってしまった感じ。
    ある意味ブレは一切ない。
    今回もキミコさんの日常に軽くツッコミを入れながらとにかく笑った。
    文庫本用の「もう一言」が更にダメ出しのように笑える。

    「大人には歯を食いしばってでも朝から酒を浴びるほど飲まにゃいかん日があるのだ」
    と飲んで飲んで飲みまくるキミコさん。
    その飲みっぷりが呆れる程気持ちいい。
    キミコさんの日常を覗いていると不思議とホッと心が休まるのは何故だろう。
    何気に癒し効果バツグンのエッセイだった。

    解説の恩田陸さんも面白かった。
    私も恩田陸さんに倣ってキミコさんを「お姉様」と呼び一生ついていこう。

  • おもしろかった!通勤電車で疲れた頭で深く考えずに口元ゆるっとなりながら読める。2冊目購入。最近つかれてるんかなー

  • アラフォーの独身女性の気どらない生活を面白おかしく。

    結婚した妹は隣に住んでいて、子どもの幼稚園のママ友が送り迎えに来るのに良く出会うが、「あのお姉さんは一体」と皆の質問が妹に殺到するとか。
    隣に佐藤浩市が越してきたらと妄想したり。
    父が山菜を採ってきて料理してくれた日、夕食時には家におらず、夜中に帰って水につけてあった山菜に足を突っ込んだり。
    好きな物は昼酒、嫌いな物はキティ。

    「胸の立場がない」は、10日ほどの入院生活をしたとき。
    手術が終わった後、看護師さんに「いびきかいてませんでしたか」と詰め寄ったという。
    すごいいびきをかいているのではという不安があったらしい。
    ところが手術着がゆるくて胸が丸見えになっていて、妹がお姉ちゃんそれどころじゃないだろうと思ったとか。

    「人生の不思議」は、友人の一人が恋人に別れを告げられていた日。
    別の友達には、孫が生まれていた。
    自分には何もない…もう少し神様がちょうど良くしては貰えないもんだろうか?という話もテンポ良く。

    「人生を変えた偉人伝」は、子どもの頃読んだキュリー夫人の話。
    キュリー夫人が困窮していたときに、親戚が肉を食べさせてくれて、元気が出て研究に戻ったというエピソードがあったのだそう。
    「どれだけすごいんだ、肉」と思うようになったとか。西洋人は肉を食べているから強いのだと何かにつけて。

    キティちゃんが嫌いだと公言したら、なぜかキティグッズを貰うようになり、溜まってしまった。嫌いも好きのうちだとか、そのうち好きになるだろうとか思われて。貰った物は簡単に捨てられずに困ることに。

    くだらないことを書き続けることで、どこかで安心してくれる人もいるのではないかと、後書きインタビューに。
    著者は北海道生まれ。
    大学卒業後、フリーライターに。
    サンデー毎日に2006年から連載。

  • 楽しく読めました。 

    実家の高齢の親が亡くなり遺品整理していた本棚にあったので読んでみました。
    厳格なウチの親が読む本だから、さぞ難しく考えさせられる内容かと思ったら、面白い!
    酒好き、独身、ルーズな自分をよく知っている日常を描いた本。思わず笑ってしまう。
    ご本人の後書きや恩田さんの解説まで面白い。
    厳しいうちの親がどんな感想をもったのか生きていたら聞いてみたかった。

    肩の力を抜きたいとき、血流を良くしたいときにオススメです。
    自分や家族を分析し笑いに変えてしまうセンスや表現できる作者の筆力に他の本も読んでみたいと思いました。

  • 本好きなので、外出すると書店を覗く。そういう方は多いだろう。私もその一人だ。好きな作家さんの最新作を探したり、その書店の特色を出した企画コーナーや平台を覗いたりと、書店の棚を眺めて歩くのはとても楽しい。

    書店によって書籍類の陳列方法は様々で、本を紹介するPOPも様々だ。出版社が製作したPOPだけを取り付けているお店もあれば、書店員さん手作りのものを取り付けているお店もある。手作りのPOPが全て良いかというとそうとは言い切れないが、書店員さんの「この本を読んでほしい!」という気持ちが伝わってくるものに出会うと、足を止めてその本を手に取ることが多い。そういう意味でも、言葉というのは力を持っているのだなと思う。

    今回もまた琴線に響く言葉に出会い、思わず本を手にとり、とても素敵な一冊に出会うことができた。

    妻と二人で買い物に出かけた際に、帰り道で何気なく覗いた書店で見かけたのが、北王子公子さんの「生きていてもいいかしら日記 (PHP文芸文庫)」という一冊。POPに手書きされていたのが、「とにかくP14『乳の立場が無い』を3ページ読んでください!」という紹介文。その通り3ページ読んでみたら、この一冊にすっかり取り憑かれてしまった。POPを見て即買いしたのは久しぶりだ。

    この本は簡単にいうとエッセイ集なのだが、 ひとつの話が3ページ程でまとめられている。まるで、北大路さんの日記を覗いているような感じだ。一話は3ページなのだが非常に中味が濃くて楽しくて、その中に何だかとても大切なことが書かれているような書かれていないような絶妙な内容なのだ。

    好きなものは昼酒。座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」という著者が、自身が過ごす北海道での毎日の出来事などを綴っている。朝はなぜ眠いのかに関する考察、お酒を飲むとなぜ携帯電話と財布が忽然と姿を消すのかの考察、父親との絶妙にすれ違う会話など日常の出来事がつらつらと書かれていてすんなり読んでいくことができる。

    私は夜寝る前に布団で読んでいたが、不思議と幸せな気分になることができて、毎晩数話読んだだけで夢の世界に移ることができた。

    私はお酒が飲めずタバコも吸わず、早寝早起きが好きで、一つのことをコツコツと続けるのが好きだ。つまり、エッセイ集に書かれている北大路公子さんとは(失礼ながら)真逆な性格と生活なのだが、だからこそ惹かれるものを感じてしまうのだ。憧れ?いや、ちょっと違うか。

    解説で恩田陸さんが「(自分の年齢と)プラスマイナス一歳の圏内に違いない」と書かれているが、私も読み進めながら同じように感じる部分があった。私は恩田陸さんより数歳上。北大路公子さんはたぶん同世代。恩田陸さんも北大路公子さんも私とは比べ物にならないぐらいすごい人達だが、多分同年代だろうなと思うことで勝手に親近感が湧いてきてしまった。

    親近感が湧いたので、北大路公子さんの書かれる本も全制覇してみようかなと思う年の始まりだ。

  • 「勇気の正しい使い方」。夕方四時にやってきてボタンエビ一尾だけ食って二分で帰るすっぴん独身中年女性、となれる勇気があるか。顔をあげる。若者二人が探るような目つきで私を見ている(ような気がする。)会社員風の男性がこれ見よがしに皿を重ねる(ような気がする。)店員さんが生ウニいかがですかと恫喝している(ような気がする。)私は腰をうかせつつも「生ウニ2つ、ビール一本」。決然と言い放つ著者の姿が秋の空に晴れ渡るような清々しさで目に飛び込んでくる。今作も存分に笑わせてもらった。

  • もう、病みつきになってしまった。
    北大路公子なしに、読書ライフはない!
    と言えるほどに。

    ほっとひと息つくときに
    読み始めたら、クックックッ
    と笑い止まらず、読むのも止められない。

    笑わせてくれるのだけれど、
    日本語のボキャブラリーの豊かさや
    表現力の巧さにも、魅せられる。

  • 40代独身、お酒大好きキミコさん。
    他人はもちろん、自分の事もかなり客観視して、
    まぁ面白く読者に報告してくれる。
    .
    ただの日常を
    こんなにも面白く文章にできてたら、
    人生どんなに楽しいかって。
    人生どんなに面白いかって。
    .
    その時は真摯に受け止めたりなんかしてても、
    少し時間経ったら
    笑えたり、呆れたり、納得できたり、
    …なんて事ってあるよなぁとも思ったりね。
    .
    所々、声出して笑っちゃったよ。
    しかも、
    しばらくツボるやつ。笑
    家で読んでて本当良かった

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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