「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569679167

作品紹介・あらすじ

打たれても打たれても前に出る男は、こんなにも美しい-敗戦から十余年、十九歳で世界王座についたファイティング原田。三年後、史上最強と言われていた「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破り、日本人初の二階級制覇。だが時代の寵児となった原田の前に、世界の強豪が立ちはだかる。一九六〇年代、日本人を熱狂させた男の戦いを描きつつ、昭和の"熱"を見事再現した傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 百田さんの「ボックス!」でボクシングの世界を垣間見た私。
    ボクシングはスポーツだ!と改めて実感した。
    この本はノンフィクションで、日本のボクシング界を詳しく知ることができる。

    思い起こせば、子どもの頃、TVでは頻繁にボクシングが放送されていた。
    人気ボクサーも多数いた。
    しかし、そんな日本のボクシング界の道のりは険しかったとは…
    「ファイティング原田」の名前は聞いたことがあるけれど、その試合を見たことはない。
    でも、この本を読むと、ファイティング原田が人間的にも魅力あふれるボクサーだったことが良くわかる。
    ちょっとボクシングを観戦してみたくなった。

  • 前のタイトルはリングじゃないのかな。
    ボクシングファンには堪らないですね。
    年代が自分にあっていたらもっと楽しめたのに。

  • ノンフィクションながら時代を読ませる。
    事実の中の白熱したストーリー。日本国紀の原点を見た。

  • ノンフィクションというジャンルでも作者の個性を遺憾無く発揮されていて楽しく読めるし。自分の知らないボクシングの歴史と当時の世相何かも分かって良質なスポーツノンフィクションだった。

  • 戦後まもない日本における、ボクシング黄金時代のノンフィクション。
    書き手は『永遠の0』や『海賊とよばれた男』の百田尚樹氏。

    軸となるのはその黄金期の一翼を担ったファイティング原田選手の軌跡。

    その原田選手が「黄金のバンタム」と言われる史上最強の呼び名も高い、
    世界チャンピオン・エデル・ジョフレ選手と二度対戦し、その二度ともに勝利します。

    国内でも「フライ級三羽烏」の一羽に数えられた原田選手ですが、
    アスリートとしての才能には決して恵まれていたわけでもなく。

    それでも着実に歩みを進めて大成できたのは、恐れない勇気、継続する力、
    そして何よりも「ボクシングを愛する心」があったから、でしょうか。

    またその真っ直ぐな姿勢も、人々の共感も巻き込んでいったのだと、
    「好きこそものの上手なれ」とは、正しく至言だなぁ、と思います。

    そして当時はボクサーが綺羅星のようにいたのだなぁ、とあらためて。
    「世界チャンピオン」の価値が、今とは比べようもなく高かったのも、なるほどと。

    そういえば、『はじめの一歩』の主人公のモデル?とも感じました。
    ん、当時の"熱"を少しでも感じてみたいと渇望した、そんな一冊です。

    • 円軌道の外さん

      ご無沙汰です(^O^)

      自分もプロボクサーなので
      この本スゴく気になります!


      原田はもう伝説のボクサーなので、
      ボ...

      ご無沙汰です(^O^)

      自分もプロボクサーなので
      この本スゴく気になります!


      原田はもう伝説のボクサーなので、
      ボクシングをしてる人の中では
      野球をする者にとっての王貞治のように
      知らない人はいないし
      永遠の憧れです。


      自分もできるなら
      原田や海老原や大場のいた時代に生まれたかったと
      何度悔やんだことか(笑)(^_^;)


      確かに今のボクシングは
      細かに階級が増えすぎて
      当時と比べて
      チャンピオンの価値が軽くなっちゃってますよね。


      当時は今の半分くらいの数の階級しかなかったので、
      体重差のある
      強豪ひしめくバンタムの選手層の中で
      原田のチャンピオン奪取は
      今の二階級制覇以上の価値があると思います。


      2013/02/24
    • ohsuiさん
      おぉ、ボクサーの方だったのですね。

      読むだけでもすごく入ってきたので、実際にやられてる方なら、もっと凄いんでしょうね~。

      永遠の憧れ、な...
      おぉ、ボクサーの方だったのですね。

      読むだけでもすごく入ってきたので、実際にやられてる方なら、もっと凄いんでしょうね~。

      永遠の憧れ、なるほど~

      柔道などもですが、スポーツ色が強くなってくるといろいろと細分化されるのはわかりますけど、格闘技としてみると物足りなくなっても来るんですかね。。

      ボクシング、頑張ってください!
      2013/02/26
  • ボクシングヘビー級チャンピオンの歴史を扱った「地上最強の男」2020年出版よりも8年前に書かれた本。
    ボクシング界では永久欠番ならぬ欠名の「ファイティング」で有名なファイティング原田を扱った作品です。
    敗戦国、日本にボクシングのチャンピオンが初めて誕生したのが1952年、当時は欧米のチャンピオンだらけの競技に敗戦から7年で白井義男というフライ級チャンピオンが生まれたときの日本人の熱狂は想像に難くない。そして、2年後白井がタイトルを失い、次のチャンピオン誕生まで8年という歳月が流れる。
    それが、二階級制覇したファイティング原田、彼は日本人ボクサーとして唯一米国ボクシング殿堂入り(2012年時点)を果たしており、WBC選出の偉大な26人のボクサーにも選出されていて、日本以上に海外での評価が高い。その理由は、エデル・ジョフレという怪物(生涯戦績78戦72勝2敗4分け)に唯一2度土をつけた男が原田だったから。
    また、彼の試合のテレビ中継は軒並み高視聴率で、その人気の秘密は、がむしゃらなファイティングスタイル(無尽蔵なスタミナを武器に肉を切らせて骨を切るような前進スタイル)で、技術や体格さで劣る日本人の象徴的存在だったから。
    白井、原田が先便をつけたチャンピオンロードには、その後、西城正三(シンデレラボーイ)、沼田義明(精密機械)、小林弘(雑草男)、柴田国明(天才)、藤猛(ハンマーパンチ)、輪島功一(炎の男)、具志堅用高(カンムリワシ)、大場政男(永遠のチャンピオン)、ガッツ石松(幻の右)と続くが、原田より才能ありといわれた青木勝利や海老原博幸は結局チャンピオンにもなれず引退したのは神のいたずらか。(たこ八郎も登場)
    それにしても、試合が決まってわずか2か月の間で体を絞りながら(体重20%の減量)スタミナをつけるという過酷な練習もみてもハングリースポーツといわれるゆえんである。
    2つの拳に命を懸けたボクシングで、敗戦から復興に向かう日本人に勇気と誇りを与えたファイティング原田の生きざまが堪能できます。

  • 「黄金のバンタム」と呼ばれたエデル・ジョフレを破ったファイティング原田。日本人初の二階級制覇をした彼の戦いを描く。ノンフィクション小説です。

    請求記号:788/H99

  • 昔のボクシングがいかにすごいか、いかに人気があったかを説明するのが多すぎて、くどい。くどすぎる。
    著者の主観が入りすぎている。
    小説ならいいが、ノンフィクションでこれは無いわ。

    世界チャンピオンが今より価値があるのは認めるが、強いかどうかは別。

    現在同じ階級に他団体のチャンオンが4人いるが、
    そのうち一人はその中で最も強いのがいるわけで。
    階級、団体を分けたからと言って、全階級のチャンピオンが弱くなったわけではない。

    ボクシングに限ったことではないが、スポーツは過去に比べて現代の方が圧倒的に優れている。
    科学的に鍛えれるし、ビデオで何度も何度も相手や自分を見て研究できるから。

    原田の動画を見たが、何も感じなかった。
    現代に原田がいても、勝てる見込みは無いと思った。


    百田尚樹の作品は他が良かったから期待して読んだが、本当にガッカリした。

  • 昭和という年号の表記が昭和に生まれた自分を一気に本の中に引き込んだ

  • 「ガロ・デ・オーロ」。日本語にしたら「黄金のバンタム」と
    呼ばれたエデル・ジョフレを倒した日本人ボクサーが
    ファイティング原田である。

    この表題だろう。ボクシング好きとしては無条件に手に
    取る。それが失敗だった。なんだ、こりゃ?

    『海賊と呼ばれた男』『永遠の0』等で今を時めく著者だし、
    スポーツ・ノンフィクションだし、ボクシングだし。期待は
    大きかったのだ。ちなみに、著者の小説は1作も読んで
    いないのだが。

    一体、何が書きたかったのだろう。ファイティング原田の
    こと?白井義男からの日本ボクシング史?一向に分からぬ。

    コピー&ペーストかと思うような、同じ文章の繰り返しに
    うんざり。何度、投げ出そうと思ったことか。

    なんでこの人がファイティング原田を書いちゃったんだろうな。
    プロ野球で言えば永久欠番になるリングネームを持った、
    日本を代表するボクサーなのに、書き手が悪いとこうも
    臨場感がなくだらだらした作品になってしまうとは。

    確かに今とは階級数も違うし、団体の数も違う。1年の試合
    数も違えば、ラウンド数も異なる。だからって、「昔の世界
    チャンピオンと今の世界チャンピオンでは価値が違う」と
    いう貶め方はどうなのか。

    まぁ、亀田一家のようにボクシング好きの私でも、好きに
    なれないボクサーもいるけどさ。

    もうちょっと試合の流れをきちんと書いてくれよ。それに原田
    といえば減量苦と過酷なトレーニングだろう。その様子に
    ほとんど触れていないもの。テレビ視聴率の話なんて、
    どうでもいいのだよ。

    あえて言おう。資料の寄せ集めである!と。

    あーーーーっ。消化不良、不完全燃焼、期待外れ。この
    口惜しさをどうしてくれよう。

    これは今までスポーツ・ノンフィクションを読んだことのない、
    百田読者のみに焦点を当てて書かれたのか?でも、これ
    がスポーツ・ノンフィクションだと思って欲しくないんだが。

    スポーツ・ノンフィクションってさ、たとえ1試合のみの描写
    でもまるで読み手が会場にいるような、そんな臨場感が
    あるものだと思うのだけどね。

    うぅ…。上質なスポーツ・ノンフィクションが読みたいっ!

    • ひろあきさん
      まさに同じ感想です。読んでガッカリしました。
      まさに同じ感想です。読んでガッカリしました。
      2019/06/26
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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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