- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569694672
作品紹介・あらすじ
「異業種格闘技競争」とも呼ぶべき、「何でもあり」の闘いが始まった。ある業界で常識とされていたルールを覆して、別の業界から新たに挑戦してくる企業が現れるのだ。また、Web2.0が広げた消費者主権の時代が進み、企業同士のつながり、社員同士のつながりが新たな局面を迎える。これからの企業が生き残る条件とは何か。進化し続けるしくみとは何かを探る。さらに、グーグルゾン、マッシュアップ、企業内SNS…、新時代のキーワードも読み解く。
感想・レビュー・書評
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サービス指向アーキテクチャ(Service Oriented Architecture/SOA)と人間主導系の世界、の話が面白い。かなり凝縮されており、記述は短い。
SOAは、あらかじめいくつものサービス単位に全体を切り分けて、サービスコンポーネントの集合体として設計する方法論。SOA思想で作られたシステムであれば、一部は他社のシステムの一部分を利用するのも可能となる。サービス同士を疎にする設計を意識する上で必要不可欠な考え方なので、考えが整理できて良かった。
人間主導系の世界というのはそのまま聞くとなんのことやらだが、特に大企業において、IT活用ではなく、ITの封じ込めに走っている現状からの脱却のことである。企業の情報防衛とネットワークを通じて社内外の人とコラボするという理想が新しいITにより実現すると説く。企業経営者が技術の潮目を理解し、原則禁止から原則OKへと切り替えるタイミングを見極める必要がある。2007年の本で、現状ではまだまだ原則OKの潮流は来ていないが、方向性としてはIT業界に生きるものとしてありがたいもの。人間行動の優位性の違いにより差が開く時代が来るか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「IT化が進み、流通のルートが変わってきたせいだろう。アップル、セブン銀行等今までその業界に関係なかった企業が、トップに立つ現象がみられる。」
や
「SOA(巨大なシステムをサービスごとにモジュール化する。モジュール単位で他社のサービスを使うことも容易になる。)の話」
で
掴みはOKだったのに、その後はどこででも得られるような内容になってしまい、心に残らず残念。 -
進化せれする企業とは?
→企業の未来は
1.大企業がコア部分を基盤としてオープン化することで、社会基盤が発展する
2.web2.0により大衆レベルでのつながりが前提として、人間行動の優位性の違いにより企業の競争優位の差になってくる -
こういう話を知らない人が読んだら参考になるんだろうなぁ、という本。綴られているエピソードの大半を知っていたことがあったのと、全体的に評論家的にまとめられているだけなので日経ビジネスを読んでいるような気分になってあまり入り込めなかった。Bookoffで100円で買う分には良書といえますが、まぁどうでしょうかね。
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2011/11/11
鈴木貴博さんの本は面白いから買ったけど、つまらんかった。
NTTの人に押し込まれたんやろか。
全体的に過去の振り返りって感じ。
まぁ結構前やからそらそうかって。。
発売当時なら面白かったんかも。。
なんか書き方がつまらん。 -
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日経新聞の書評で取り上げられたいた「進化する企業のしくみ」PHPビジネス新書(鈴木貴博+宇治則孝)を読みました。あとがきによると、本書はNTT副社長の宇治さんがWeb2.0時代のITが企業にもたらす影響について講演した内容をベースに、ボストンコンサルティング出身の経営コンサルタントである鈴木さんと宇治さんとでコラボすることで完成した本とのこと。宇治さんは現職の前は僕が勤務する会社の代表取締役常務だったことから面識がある分、単なるIT本とは違う視点でうなづきながら読むことができました。
アップルのiPODに始まり、本ブログでも取り上げたグーグルゾン(アマゾン+グーグルの仮想企業)、マッシュアップ、そして企業内SNS等のキーワードを織り交ぜながら、今後の企業経営におけるITの役割、特にマクロ的な視点ではマッシュアップに象徴されるような業種を超えた企業間の協業を促すしくみと、ミクロ的には社内SNSが企業内の社員一人ひとりを繋ぐことで生み出しつつある新たな集合知の可能性について身近な事例を挙げて論じています。
印象的だったのは次の箇所。
企業の情報防衛と、社内外の人々がネットワークを通じてコラボするという理想が両立する世界が近い将来、実現するのである。その結果おきることは、人間主導型の新しいIT活用の進展である。
過去5年を、ITを通じた新しい人とのつながりを企業が制限する時代だったとすれば、これからはITを通じてより自然に、よりノンストレスに社員と取引先、会社での先輩と後輩、異なる部署の社員同士がつながりコラボする時代が到来する。
この流れを機会として捉えるために、企業経営者が行うべき重要なことが一つある。技術の潮目をきちんと理解することである。つまり、原則禁止から原則OKへと方針を切り替えるタイミングをきちんと見極めなければならないのだ。
本書では、人間主導系の新しいITのしくみが生み出す潜在価値について正しく理解することで、単に情報漏えい事故等に代表されるような消極的なITの使い方を超えて、企業の経営に付加価値を与えうる形でのITの活用を促すことが企業経営者にとって大事な役割と主張しています。
今から2年ほど前に社内SNS(Nexti)を構想し、執行会議に付議したとき、真っ先に賛同の意を評してくれたのが宇治さんでした。一方で、数多くの法人分野のお客様に情報システムを提供する責任者として、また当社のCIOとして、ITが持つ怖さを誰よりも痛感していたのも彼だったと思います。Nextiがオープンした時に宇治さんの部屋を訪ねて、その場でNextiに招待して主な機能を説明したのですが、「なるほど、百聞は一見に如かずとはこのことだな」と言われた言葉が印象的でした。その後も折に触れてNextiがどんな形で社員に使われているかについて高い関心を持ってウォッチされていましたが、お会いするたびに社内SNSに対してより肯定的なスタンスにシフトしていったように感じていました。
そんな経緯もあり、本書で9ページに亘ってNextiについて取り上げられているのを読んだ際は感慨深かったです。この「社内SNSが企業内の集合知をどう変えるか」の章は次のように締めくくられています。
驚くべきなのは、これらの事例を生み出している社内SNS『Nexti』は、いまでも有志社員がボランティアで管理、運営しているということである。本業を抱えているにも関わらず、彼らボランティアメンバーは、「楽しいからやっている、この活動自体が自分たちの糧になっている」といっている。彼らが経験し、得たものと、そしてそこから生まれたものはNTTデータが投資した金額の数倍、数十倍の価値があるだろう。なにしろ売上1兆円企業の中で生まれたWeb2.0的な相互貢献のしくみなのだから。
豊富な事例を用いた分かりやすい説明で、最近のITトレンドと今後の企業経営に与えるインパクトについて書かれていますので、IT業界に馴染みのない方にもお勧めの一冊です。 -
今伸びてる企業がどのような取り組みをしているか
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キーワード
・異業種格闘技競争
・インフラの巨大化と劇的なコスト革命
・消費主導権
・企業の相乗りとマッシュアップ
・終身雇用の崩壊に伴う新たな集合知
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企業はいま、「異業種格闘技競争」時代を迎えている。業界内だけでの競争にとどまっていたこれまでと大きく異なり、異業種のイノベーションがこれまでの大企業の地位を揺るがす事態が、どの業界にも起きている。iPodによってアップルに音楽業界の王座を奪われたソニーのように、大会社のカンパニー制は、弊害として関連会社それぞれが互いに覇権を争う非効率も起きている。変化に耐え、挑戦する企業だけが生き残る事ができる。(2月20日報告)