ひらめきの導火線 (PHP新書 544)

著者 :
  • PHP研究所
3.18
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本棚登録 : 490
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569701127

作品紹介・あらすじ

創造力、独創性、個性とは、天賦のもの。そして、日本人には乏しいもの。-そんな「思い込み」を消し去るところから、すべては始まる。天才やスーパースターに頼る必要はない。あらゆる人に開かれた、思考と発想の力を飛躍的に向上させる方法とは?一見かけ離れたかのように思える「トヨタ」と「ノーベル賞」の共通点に、ヒントは隠されていた。閃光のように偉大な創造や発明はいつも、日々の小さなひらめきを共有し積み重ねた先に生まれる。知の現場を駆けめぐる著者が照らす、新たな可能性の地平。

感想・レビュー・書評

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  • ひらめきについて知りたくて読書。

    最近の著者の本は日本を勇気づける、価値を再発見、評価するものが多いように思う。

    確かに中国に住んでいると自分が日本人の代表のように感じることがある。同時に日本では意識しなかった日本人であること。歴史、文化、価値観、アジアの中の日本、外から見た日本などを考える機会がある。本書はそんな経験がある人には共感できるかもしれない。

    無から創造したものはない(非常に少ない)。既存のアイディアを組み替えたり、組み合わせたりしたところから生まれた。日本人は創造性が乏しいといわれるのは、思い込みや自信の欠如も要因である。自己主張が苦手なことも原因かもしれない。

    日本人が日本人自身の手で、自分たちの文化、伝統、持っている力を再評価し、もっと堂々と世界へ出ていける日は来るのであろうか。

    みんなの知恵を結集して、より良いものを作る的なウェブb2.0は日本的な和の発想に近いと思う。協調し関わる人がみんな幸せなるそんな文化で世界へ貢献することができれば、日本は違う視点で再評価されるように思う。

    財政の悪化から、3度目のデフォルトも近いといわれる日本。終章で著者の今後の日本へ導火線として「明るくさわやかに負ける」「一度徹底的に負ける」も新時代への導火線として必要なことかもしれないと感じる。

    読書時間:約35分

  • 茂木さんが語るようなことがコモンセンスになると世の中が少し変わるでしょう。そんなエッセイ集。

  • 常に他者との関係の中で柔軟に変化する存在として自分の個性をとらえることが重要であり,そのためには自ら進んで偶有性の中に身を置く事。
    その上で,分かち合うという日本の文化,組織力,は力を発揮するのだという内容。

    福沢諭吉や夏目漱石が欧米に行くことにより祖国の現状を再認識(自覚)していくエピソードは興味深い。薩摩藩と長州藩のイギリスとの敗北のエピソードとか。
    外国に行ってみたくなりました。

    「「負け」を覚悟して直接の戦いを挑む以外に,私たちの生命を輝かせる道はない。」

  • 量は質に転化する。

  • 「ひらめき=想像」を発火させる為には「情報」と「意欲」が必要。
    些細な事でも観察・認識・理解・受容し、とにかく行動を起こす事が重要。「ひらめき」とは先人の影響の連鎖によって成り立つ為、普遍性を発見する事が本当のひらめきへの第一歩となる。そこに絶対は存在しない。常に偶有性の中に身を置く事を心情とする。

    アイデアが出しやすい環境を作る事が本当に出来るのか自分で実験してみたいと思います。

  • ひらめきへの具体的な指針ではなくて、ひらめきは誰もが持っているという自己啓発本のような本だった。
    面白く、ためになる部分もある。

    だが、もっと具体的なことを知りたかった自分には物足りなかった。

  • 10113

    09/26
    日本人は独創性がないという通説をモンチッチは、失礼、茂木氏は、トヨタの改善制度などの実例を挙げて反証していく。

    一人の天才が集団をリードする西洋タイプに異を唱えている。

  • 色々な分野で2:8の法則が当てはまるようで、別の本で読書もその一つであると書いてあったのを思い出した。ただ、この本に関しては2割の中に8割の内容どころか、0.2割の中に・・・くらい内容が薄く、浅く感じた。タイトル、はじめに、目次を読んで「ひらめく」ためのヒント、気付きがたくさん書かれていると思っていたので、余計に期待はずれ。あと、作者も有名人だったし・・・。
    纏めると、「ひらめき」と言うのは1人の天才が創りだすと思いがちだが、それは西洋的な考えで、間違っている。ゼロから何かが生み出されることはほとんど無く、西洋人の言う天才が考えたことも、過去の人たちの知恵や経験が土台にあったからこそ。アイデアを共有するからこそ新しいことが生み出せる。日本人は創造性がないと言われ、当人も思いがちだが、アイデアを共有し、発展させることは日本人の得意としていること。アイデアの共有と発展を世界に向けて発信することで、日本の未来はまだ明るい。
    0.2割の中にはいいことも書いてあったと思うけど、残りの9.8割にまぎれてしまい、印象に残っていない。もっと要点を絞って書いて欲しい。
    (まぁ、自分でいいと思ったところに付箋でも貼ればよかったのだろうけど・・・、またまた図書館の本なもんで)

  • 「創造性」についての本。

    日本人は創造性が無いというのは、フィクションであり
    日本人はその呪縛から自らを解放し
    自分たちが持つ創造性を再認識し
    さらなるステージへと展開すべきだ、というような内容。
    (ただ、現状を手放しで評価しているわけではない)

    創造=無から何か新しいものを生み出す、ではなく
    アインシュタインが言い残したように
    私たちは、巨人の肩(=先人の知恵、技術、すべて)に乗ることで
    遠く(=さらなる高み)を見ることが出来るのであって
    上の定義でいうようなまったくのオリジナルなんて存在しない。

    トヨタが広めた改善Kaizenのように
    今あるものをよりよくしていく中にも創造性は存在するし
    日本人は外来の文化(例えば漢字)から
    独自の文化(漢字をもとに新しいひらがな、かたかな)を生み出したが
    それはまさに創造である、など
    茂木さんの考える創造とはなにかがわかりやすく書かれています。

    なるほどなぁと思ったのは
    創造性=意欲×経験であり、
    若い人は経験を意欲でカバーできる、
    ベテランは意欲を持てば、経験を活かせる、という話。

    ヒントがいろいろ入った本でした。

  • 本書にあるように、集団の知を寄せ集めることは確かに重要。
    会社であれば、能力に関係なく全員が知恵を出し合えばよい。
    個人レベルで考えるならば、付き合える数は限られるから、やはり有能な人と付き合いたいもの。
    そのためにはまず自分が有能な人にならなければ。


    最終章に書かれていた、日本の可能性を信じるということも大切なことだ。
    変えることばかりを考えてはいけない。生かすことを考えなければ。

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著者プロフィール

脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。「クオリア」をキーワードに、脳と心の関係を探究しつづけている。1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。
著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『脳内現象』(NHK出版)『感動する脳』(PHP研究所)『ひらめき脳』(新潮社)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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