ネットいじめ (PHP新書 537)

著者 :
  • PHP研究所
3.23
  • (0)
  • (17)
  • (36)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 187
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569701141

作品紹介・あらすじ

インターネットはいじめの温床、匿名ゆえに陰湿な誹謗中傷の嵐。「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。はたしてこれで、いじめは減るのか?「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。学校でも、職場でも簡単に見えるようになった"陰口"。この息苦しさの正体が明らかになる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 閉鎖的室内で、ヒエラルキーを持ったキャラとして振る舞うことを求める空気。複数の価値観やコミュニケーションが網状に広がる社会構造への変化。

    未成熟な子供に、安全な砂場、トレーニングの場所を確保しにくくなっているという現状。

  • ○批評家、ブロガーで社会問題に詳しい、荻上チキ氏の著作。
    ○中高生の間で、ネットを利用したいじめが問題とされているとの報道が多いが、本当にネットが原因なのか。それらの点を悪名高い「裏掲示板」とはなにか、昔と何が違っているのかについて、取材の上考察したもの。
    ○結局、ネットが悪者の様に言われているが、実際の「いじめ」の内容は、むかしから変わっていないのが実際のよう(無視とか物を隠すとか・・・)。単純にネットを規制すれば良いというものではないということが、改めて分かった。
    ○そもそも、大人だって、掲示板でのヒドイ罵詈雑言を書き込む人がたくさんいるんだから、これは子どもの問題だけではなさそう。
    ○ネットリテラシーが何よりも大事だ。

  • 13069

    大人たちから批判の槍玉にあげられる学校裏サイトを擁護し、ネットいじめの問題はスクールカーストなど現実の人間関係を反映しているにすぎず、その解決法を模索する。

  • 2008当時の状況がよくわかる。2013でもあまり進歩してないところがネットと規制をする世代の相性の悪さかなあ。

  • 読了。3章までのネットいじめと4章からのキャラ戦争の話題はリンクしそうでリンクしていない。本人の中では関係してるんだろうけど、後半は自分の得意なネタを持ってきた印象を受ける。

    本文に書かれているとおり、ネットいじめは教室のいじめがネットに反映されており、ネットによりいじめが可視化されているだけである。
    従来のいじめ対策の延長にネットいじめ対策もあるという主張は同感。

    ただ、学校の話題になると、必ずといっていいほど学校の指導力を問われるが、教科のエキスパートである教師が生活指導までしなければならないのかが分からない。
    子どもの教育は誰がどう責任を取るべきなのかを改めて考えた。

  • (「BOOK」データベースより)
    インターネットはいじめの温床、匿名ゆえに陰湿な誹謗中傷の嵐。「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。はたしてこれで、いじめは減るのか?「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。学校でも、職場でも簡単に見えるようになった“陰口”。この息苦しさの正体が明らかになる。

  •  インターネットが各家庭に普及を始めて、10年以上が経過をしました。それでなくとも、「iモード」がサービスを開始したのが1999年2月ですから、やっぱり既に10年以上、僕たちはウェブとともにあるわけです。広末涼子さんがドコモのCMをしていたころが懐かしい☆

     インターネットというメディアに対し、拒絶反応を示す時期はもう過ぎたのだと思います。しかし、その一方で旧体制を形成する人たちには相変わらず、「新たなメディア」であるインターネットを否定しようとする動きも見られるようで。本書の中でも下田博次さんや尾木直樹さんのそういった考えが批判の対象とされていますが、やはり時代はインターネットとともに、どう生きるかを考えるところに来ているようです。
     この本に書かれていることは、思春期のころからインターネットが身近にあった僕にとっては当たり前としか思えないことも多くあった。しかし、考えてみると、その「当たり前」とテレビを初めとする既存のメディアで語られるインターネット像には、大きからずとも乖離があったように思う。僕も、何の気なしにそれを受け入れていた。自分は中毒とも言えるほど、インターネットにどっぷりなのに、テレビを見ながら「うわー、インターネットって怖いなあ」と思ってしまう。でもそれって、ある意味では「ファンタジー」なインターネットを怖がっていたに過ぎなかったのだと気付かされましたな、この本によって。

     インターネットに関する様々な言説が見られる本書は間違いなく「良書」と呼ばれる類のものであり、その一つ一つの言説を取り上げることはここではしないが、そのどれもがナルホドと思わせるものだった! もちろん、本書にだって異論が向けられることはあるのでしょうが、「賛」も「否」もある状態でインターネットについて議論するのって大切なことだ。


    【目次】
    はじめに
    第1章 つくられた「学校裏サイト」不安
    第2章 学校勝手サイトの真実
    第3章 見えるようになった陰口―「ネットいじめ」はなぜ起きるのか?
    第4章 ネットいじめの時代と終わりなきキャラ戦争
    第5章 ウェブ・コミュニケーションの未来
    おわりに

  • [ 内容 ]
    インターネットはいじめの温床、匿名ゆえに陰湿な誹謗中傷の嵐。
    「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。
    はたしてこれで、いじめは減るのか?
    「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。
    そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。
    学校でも、職場でも簡単に見えるようになった“陰口”。
    この息苦しさの正体が明らかになる。

    [ 目次 ]
    第1章 つくられた「学校裏サイト」不安(「みんなのもの」になったネットとケータイ 「みんな」のなかに入った子どもたち ほか)
    第2章 学校勝手サイトの真実(「学校裏サイト」ではなく「学校勝手サイト」 牧歌的な書き込みが占める日常風景 ほか)
    第3章 見えるようになった陰口―「ネットいじめ」はなぜ起きるのか?(「ネットいじめ」はネットのせいなのか ネットによって可視化される陰口 ほか)
    第4章 ネットいじめ時代と終わりなきキャラ戦争(学校文化とウェブ社会の遭遇 ケータイは自分を着飾るためのファッション ほか)
    第5章 ウェブ・コミュニケーションの未来(「ウェブ社会」のほんとうの意味 物理的なゾーニングとは何か ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • たぶん実勢の一側面をよく解析し上手に説明しているんだと、思います。たぶん。
    よく知らないから「たぶん」としか言えないですが。

    上手に状況説明しているだけに、読後感が「で?どうしろと?」になってしまうのは、欲張りというものでしょうね。
    ツカミよければOK、の250ページの新書ですものねえ。
    子供らの勝手サイトを知りたい向きには、導入本として。

  • 読了メモ。荻上チキ『ネットいじめ ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」』。非難の対象となった学校勝手サイトを切り口にし、十代が生きる社会と、技術と使用を混在し理解出来ず非難する大人を描く。道具や場には規範やマナーがある。対象の否定ではなく、理解と成熟によって関係を生み出す。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻上チキの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×