いくつもの壁にぶつかりながら

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569709314

感想・レビュー・書評

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  • 国際交流基金設立40周年記念シンポジウム
    変わる世界 つながる人々 - 国際文化交流の新潮流 -
    http://www.jpf.go.jp/j/intel/40th/index.html

    国際交流基金のパネリスト紹介より
    「村田早耶香
    特定非営利活動法人かものはしプロジェクト共同代表。フェリス女学院大学国際交流学部に在学中の2001年、NGOのスタディーツアーに参加し、東南アジアでの児童買春の現実を目の当たりにして、自分に出来ることから行動を始めることを決意。2001年に「第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(横浜会議)に日本の若者代表として参加する。2002年 に「子どもが売られない世界をつくる」という想いのもと、大学で出会った仲間とともにかものはしプロジェクトを立ち上げて、児童買春を防止するためのIT職業訓練学校の設立事業、コミュニティ・ビジネスによる自立支援の活動など、数々の事業を実施。これまでに、日経 WOMAN 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2006 リーダーシップ部門」を史上最年少で受賞したほか、2006 年日本青年会議所「人間力大賞」参議院議長奨励賞、2007年国際青年会議所主催 “The Outstanding Young Person”賞などを受賞。かものはしプロジェクトは、2011年、国際交流基金の地球市民賞を受賞した。著作に「いくつもの壁にぶつかりながら~19歳、児童買春撲滅のための挑戦」(2009)。」

  • B09038

    児童買春問題に取り組む、かものはしプロジェクトの共同代表村田さんの著書。

    先週金曜日に村田さんをお招きして講演会を開催したので、その前に読んだ。


    正直、とてもショッキングな内容だった。
    かものはしプロジェクトのこと自体は前から知っていたが、児童買春の
    実態の一部を著書や講演で聞いて、胸が締め付けられるような痛みを感じた。


    村田さん自身の苦労もよくわかる。
    本人は謙遜して書いている部分があるのだろうが、それでもその行動力、
    想いの強さを強く感じることが出来た。


    これから、クラブでかものはしプロジェクトの分析と提案を行い、その内容によっては
    内部に入り込んでの支援活動を行うプロジェクトが立ち上がる。
    その活動に参加するか、真剣に考えたい。


    村田さんに著書にサインを書いていただいた。
    そのときのメッセージ「あきらめなければ 夢に近づく」というのを心に刻みたい。

  • 今更ながら拝読。
    これほどまでに壁に直面しても、
    信念や志を貫き、その姿勢に魅入られた仲間と共に、
    乗り越え続ける姿勢に、胸を打たれた。

  • かものはしプロジェクト代表村田早耶香さんの書籍。
    一度お会いしたことがあるのですが、
    ここに書いてある通りのとても真剣な方です。

    この本で興味を持たれた方は
    かものはしプロジェクトの活動説明会に
    参加してみるといいと思います。

  •  「今まで何冊も社会企業家の本を読んできたけど、一番感動した!」
    と夫が言ってたので、私も読んでみました。

    NPO法人かものはしプロジェクトの共同代表である村田早耶香さんの生い立ちから今の仕事のことが書かれた一冊。
    19歳で初めて児童買春の問題を実感し、大学生で事業を立ち上げたくさんの人たちに支えてもらいながら仕事を進めていくという内容です。
    社会企業家と言えば、と何人か名前が上がる中でずっと名前は知っていたのですが、どんな活動をしているかというのは何となくしか知りませんでした。

    かものはしプロジェクトは、カンボジアで児童買春を無くすために、さまざまな事業に取り組んでいます。
    子供が売られないためには、大人が安定した収入を得られるようにと職業訓練の機械を作り、雇用を作り出しています。
    また、子供にもパソコンスキルなどを身に付けられるようなプログラムを作っています。

    起業家の本を読んでいて、いつも思うこと。
    ここまで一つのことを「やりたい」「自分がやらないといけない」と思えることって素敵だなと思う。
    そして、うらやましいなとも思います。
    これからもHPやブログで活動を読ませていただこうと思います。

  • 上田渉さんの本にて、紹介されていた。

  • <目次>
    わたしが出会った、あるカンボジア人少女の物語
    プロローグ
    第1章 カンボジアの児童買春問題
     「都会によい仕事がある」と騙されて
     タイへのスタディツアーで見たもの
     エイズ孤児の五歳の女の子
     親にレイプされた子ども
     ゴミ山で懸命に生きる人々
     孤児院の子どもたちの哀しい過去
     電気ショックを与えられながら…
     この悲劇をなくしたい
     かものはしプロジェクトの取り組み
    第2章 かものはしプロジェクトのスタート
     ”アジア人として育った”子ども時代
     開発援助に興味を持った高校時代
     フェリス女学院での運命の出会い
     ただ生まれた国が違うだけ
     児童買春問題についてもっと知りたい!
     世界会議に向けての「授業ジャック」
     世界会議に出席して
     ボランティアをして見えたこと
     人生を変えた仲間たち
     「かものはしプロジェクト」の誕生
    第3章 児童買春をなくすための事業モデル
     児童買春の現状を把握しよう
     自立収益型の事業モデル
     良い仲間に恵まれて…
     どうしてもやるなら家を出て行け
     完敗!「学生起業家選手権」
     「そうだ、現地を見てみよう」
     カンボジアで決意を新たに
     絶対にカンボジアを支援したい
     広がる支援
     IT素人がウェブ制作の仕様書を作る?
     IT事業部、大ピンチ!
     雨降って地固まる
    第4章 パソコン教室でカンボジアに進出
     カンボジアで踏み出した、夢への第一歩
     施設から逃げ出した子どもたち
     ストレスだらけの駐在生活
     事業プランを否定されて…
     パソコン教室、ついにスタート!
     才能を開花させた男の子
     支援者の輪を広げるサポーター事業
     任意団体からNPO法人へ
     二〇〇五年の私の生活
    第5章 農村の子どもたちを救え
     農村支援への方向転換
     提携で見えた、現地NGOの現状
     コミュニティファクトリー始動!
     いぐさ織り研修のスタート
     「ビジネス」に対する考え方の違い
     販路獲得と生産の落とし穴
     えっ、賄賂?
     ムチャな指令
     新ファクトリーの落成
     初めて聞えた!村人たちの肉声
     日本での販売へ
    第6章 あたたかな支援に包まれて
     伝える技術の猛特訓
     渾身の力を込めて伝えた想い
     世界中から送られた拍手
     これからの挑戦
    エピローグ
    謝辞
    かものはしプロジェクト活動年表
    参考文献
    かものはしプロジェクト事業概要

    ***

    売春宿に売り飛ばされ、電気ショックを与えられながら働かされている少女たち。彼女らは家が貧しかったため、売春宿に売り飛ばされていたのです。HIVがもとで死亡したり、自殺したりする子も少なくないことを知ったとき、彼女達のために何かをしなければと心に決めました。[裏帯]

    「ふつうの女子大生」がはじめた社会起業。
    私たちが世界の「児童買春」をなくしていきます。

    ****
    かものはしプロジェクト共同代表の一人である、村田さんの著書。かものはしプロジェクトを立ち上げるまでの自身の半生と、プロジェクト立ち上げ以降の話になります。
    「ふつうの女子大生」、どちらかというと大人しい…と自分のことを本書内で述べていた村田さんですが、「子ども・若者プログラム」(「世界各国の25歳以下の若者が「児童の商業的性的搾取」に関する意見をディスカッションしてまとめ、発表するというもの」(p70))に参加することが決まった際、

    --------------------------------------------------------
    代表に決まった八月末から、世界会議の十二月までに自分のできることは何だろうと必死に考えました。
    そのときにまず考えたのは、若者の意見をできるだけ多く集めるために、大学で話を聞いてもらおうということです。自分は大学生だし、そこには多くの若者がいるんだから、活用しないのはもったいない。
    (p72)
    --------------------------------------------------------

    として、各講義の先生に頼んで時間をもらい、生徒の前で何回も話をされています。正直、この行動力はどうみても「大人しい」人じゃなかろう…と思うのですが、確かに本書を読んでいて見えてくる彼女の人柄は、「大人しい」「温和」な方のようです。そんな彼女を、時にはここまでアグレッシブに突き動かすのが、「児童買春」の廃絶、カンボジアの人々への支援という志なのでしょう。

    最初のカンボジア視察の帰りの飛行機の中で考えたことを、彼女は次のように述懐しています。

    --------------------------------------------------------
    「人生を懸けていいのか。普通の会社に就職してお給料をもらって…という生活を遠ざけていいのか」とこれまで迷っていたけれど、こんなに大切に思ってくれているのだから、リスクを負ってでもやっていく意味は絶対ある。
    私は帰りの飛行機の中でそう決意しました。
    カンボジアで出会った子どもたちは、ぼろぼろの古い服を着ている子もいましたが、とにかく目がとても綺麗でした。日本では、いい服を着ていないと恥ずかしいという気持ちがあったのですが、貧しくてもあんなに綺麗な目をして輝いている人がいる。それを見たとき、「幸せの定義」が自分の中で変わったのだと思います。
    (略)
    日本の外から日本人を見つめることで、これまでの既成概念から離れ、自由に考えることができました。その中で、目の前にいる子どもを守り、未来を良い方向に向かわせることが、とてもとても重要なことであるように思いました。
    (p112-113)
    --------------------------------------------------------

    マザーハウスを設立した山口絵理子さんをはじめ、「81世代」といわれるこの年代生まれの方々は、こうした社会起業で活躍されている方が多いです。山口さんの自伝も読みましたが、お二人とも共通して、たくさん悩み、迷いながらも、でもやはり捨てることが出来ない、自分が自分であるための「軸」のようなものをしっかりとお持ちになっているなーと感じ、私には輝いて見えるのでした。

  • 著者が支えられながら成長していく様子が良くわかる。
    意志あるところに道あり、を体現していて素晴らしい一方で、僕も甘えたことは言えないという感覚を覚えた。

  • 紹介スタッフ:みゆき
    素直な心日本一のみゆきです。
    二年目だけど実は今日はじめて本紹介。

    「いくつもの壁にぶつかりながら」 村田 早耶香 (著)

    カンボジアの児童買春問題に取り組んだ本。作者は児童買春問題にとりくむ。
    貧困から売られたり、騙されたりして売春宿に入れられた子供たちの話。
    エイズにかかって死んじゃったり、結婚できなかったりとてもかわいそう。

    作者は19歳でこの問題に取り組み始めている。裁判で訴えられそうになったりして、本当にいくつもの壁にぶつかる。
    この本の作者は共同代表3人で問題に取り組んでいる。作者は表向きの代表って形で、他に東大卒の男の人ふたりが支えている。
    きょうはチームワークの話が出ているけれど、それが大切なのは本当のことで、いろんな苦難に会うかもしれないけれどチームワークを大切に。

    宣伝

    この本のお金が問題に取り組む資金になる。
    お金に余裕のある人は買ってください。
    ちょっと読んでみたい人もみゆきまでどうぞ。

  • 著者が19歳で東南アジアの児童買春の実態を目の当たりにしてから、NPO法人かものはしプロジェクトを立ち上げるまでの紆余曲折を綴った一冊。アツイ、とにかくアツイ。一つの事に情熱を注ぎ、いかなる逆行に直面してもめげずに突き進む人はどうしてこんなに眩しいのか。自分と大して年も立場も変わらない人なのに…自分が非常に不甲斐無く思える。児童買春に興味を持ったきっかけ、またNPOを立ち上げ、軌道に乗せるまでが詳細に書かれているので非常に参考になる。ある失敗に対して、どこが悪かったのか、その失敗を克服するために次はどうしたらいいか考え、そしてすぐに実行に移す姿勢が随所で見られたが、自分も参考にしたい。

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