逆境に強い心のつくり方 システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
3.50
  • (4)
  • (8)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 130
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569760223

作品紹介・あらすじ

ほんの十数年前まで国家機密とされてきた旧ソ連発の訓練法「システマ」を用いた健康増進法・メンタル強化術をわかりやすく紹介する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 逆境に強い心のつくり方
    システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド
    著:北川貴英
    PHP文庫 き 28 1

    こころの鍛え方というか、ソ連の武道である、システマの解説書でした。

    システマとは、ソ連の特殊部隊で生み出された軍隊格闘技で、ソ連崩壊後に、カナダのトロントに設立されたスクールから西側に広がったものとする
    コサックが伝え残した武術が源流とあります。

    システマの原則は4つ
     ①呼吸 ⇒ キープ・ブリージング
     ②リラックス ⇒ キープ・リラックス
     ③姿勢 ⇒ キープ・ポスチュア
     ④動き続ける ⇒ キープ・ムービング

    キーワードは4つ
     ①恐怖心のコントロール(自らの能力を殺いでしまう最大の要因)
     ②キープ・カーム(なぎの状態)
     ③回復(短時間で気力と体力を回復させる)
     ④己を知る

    呼吸法 武道に共通 複式呼吸、ゆっくり吸って、ゆっくりと吐く

    歯のないナイフで、ナイフの恐怖をとりのぞいて練習する

    勝ち負けではなく、いかにダメージを軽減できるかを重視

    敵をつくらない

    他者による精神的なストレスが迫るなかで、いかにして、冷静さとリラックスを保っていくかを練習する

    動揺を修めるのではなく、さらに回復する

    特別な精神状態を獲得するのではなく、普通の人ととして、余計な緊張がない状態を保つ

    みぞおちに指を入れて身体の緊張をセルフチェック

    無駄な遠回りや動きを徹底的に排除することで、最小の力で最大の効果をあげる

    ⇒ 呼吸法といい、力の使い方といい、当然ながら、武術には、共通なところが多いと感じました

    CONTENTS
    はじめに
    CHAPTER1 ロシア軍特殊部隊ご用達システマとは?
    CHAPTER2 揺るがぬ心「キープ・カーム」という鉄則
    CHAPTER3 強く快適な身体をつくる四原則
    CHAPTER4 争いを終わらせるマーシャルアーツ
    CHAPTER5 自由な発想で身を守る
    CHAPTER6 なぜ誰にでもできるのか?
    CHAPTER7 日常に活かせるテクニック
    CHAPTER8 もっと知りたい!システマの世界

    ISBN:9784569760223
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:288ページ
    定価:760円(本体)
    発売日:2013年06月19日第1版第1刷

  •  北川さんのシステマ本の中で最もよくまとまった入門書。他書も含めて著者が語るエピソードに度々登場するマスターたちの写真がまとまって掲載されているのもうれしい。

     システマのブリージングは肉体的な護身術にとどまらず、精神的なトラブルと伴う人間関係全般に亘って利用できるとてもベーシックなメソッド。「何かあればまず呼吸」という習慣は単純なだけに身につけやすいし、その効果も極めて高い。本書は「ブリージング」プロパーの解説にとどまらず、格闘術をも含めたシステマ全般について浅くではあるものの広い範囲で触れている。日本の武術と比較することによって浮かび上がってくる思想もまた興味深い。

     システマの練習で使うナイフやチェーン、ハンドガンといった物騒な武器についても解説しているが、これもなかなかお目にかかることは滅多にないだろう。読んでいるだけでも痛さが伝わってくる…。武器あるいは道具についての考察は、自分と「モノ」との関係において考える機会を与えてくれる。自分には何ができて何ができないのか。それを補うためにいかなるモノに頼るのか。それに依存することによって何が失われるのか。こうした「発見」も幅広い情報に接することによって生まれてくるものである。

     「呼吸」というか「意識的な呼吸」の効果は「平静」を保つこと。「勝つ」ためにはテンションを上げる必要がある、と考えることもできるだろう。しかし、テンションを上げるのは「勝つ」ためというよりも、見る側にとってもやる側にとっても「面白くする」ためなのではないだろうか。また「勝つ」ことが必ずしも自分の身を守ることにはならない。これはよく言われる格闘技あるいは武術とスポーツを考えるうえで大きな要素であるように思う。

     「まず呼吸」という考え方はどこまでも広がりを持つもの。あらゆる行為における「呼吸」のポジションを位置づけることは、その分野を深く知ることに多大な貢献をすることになるはずである。

  • ロシアのマーシャルアーツであるシステマ。その基本メソッドからいかに揺らがない心を作るか、が書かれている。キープ・カームという、落ち着いた心を常に持つというのは、確かに心の強さに関係しているかと。
    あと、呼吸法についてはすぐに実践できて、参考にはなったかな。

  • ブリージング。呼吸を続ける。体と心の緊張を解く。

    常に平常心でいる。どんな状況でも。
    そのためにはただ呼吸だけでいい。

    不動心を身につけるだけでなく回復する心を持つ。
    達人はどんな状況でも平静な心でいる。


    体力をつけ、精神力を高めることで、攻撃しない人間になれる。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

指導監修◎北川貴英 きたがわ たかひで システマ東京代表

08年にシステマ創始者ミカエル・リャブコより公認インストラクターとして認定され、現在も毎年の海外研修で研鑽を積んでいる。『人生は楽しいかい』(夜間飛行)など著書多数。近年はYou Tubeでの活動も話題になっている。そして東京の2カ所の常設ジム(白山、原宿)を中心にシステマの指導普及に奮闘している。

指導協力◎北川文 近藤豊 吉田梨乃
撮影協力◎システマ東京白山BASE
カバー写真◎保高幸子

「2023年 『DVD システマ東京 北川貴英 浸透する力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北川貴英の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×