日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

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著者 : 竹村公太郎
  • PHP研究所 (2013年10月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569760841

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日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)の感想・レビュー・書評

  • 地形から日本史の謎に臨んだユニークさが売り物。
    全体には面白いが、中には強引な我田引水のものもあります。
    例えば、江戸城の半蔵門。大手門が正規の正門ではなく、半蔵門が正門という主張。城外から城内へ唯一橋ではなく土塁で繋いでいるのは正門の証しだと強引に結論付けている。

    別の本で調べたら、半蔵門が土塁で築かれているのは、将軍の脱出用として、橋では万一壊れたり、焼け落ちたりするが、土塁にしてそういうリスクを避けている。そして半蔵門に繋がっている甲州街道を使って天領である甲斐まで落ち延び易いように、半蔵門の周辺や甲州街道沿いには、百人隊や千人同心は配置されているとある。
    こちらの説の方が説得力があるようです。

    というような箇所もあるが、ユニークな切口で、それなりに歴史を楽しめる。

  • 建設省の土木・ダム・河川関連の専門家が地形から
    導かれる歴史を書いた本。やはり着眼点が面白くよかったです。
    江戸の治水、江戸城半蔵門、逢坂山と比叡山、鎌倉、赤穂浪士と吉良氏
    の話。吉原。奈良の衰退。大阪に緑が少ないわけ。遷都に関して
    それぞれの話が地形をカギとして説明されているのですが
    本当にそうかはいろいろあると思いますが、それぞれとても
    面白い論理かと思います。

  • なるほど、いわれてみれば確かにそうだなあ、の連続。歴史を地理の観点から見直すと、まったく違った説得力を持ってくる。
    徳川家康が、いかに河川(治水)の重要性に精通していたのか。関東平野は平野ではなく沼地湿地だった。利根川の流れを変える大工事が関東平野を平野にしたのだ、と説く。
    首都はなぜ奈良にできて、なぜその後に京都に移ったのか。当時の海面の高さや川の位置から船による交通の便を想像し、もう一方で山と川が提供する薪(=エネルギー)と水の供給能力から収容できる人口を見積もってみる。遷都は必然だった、と結論づける。
    東京には緑が多いのに大阪の街には緑がない。なぜか。テヘランや北京の街でみた風景からひらめく。大阪は民衆の街で王侯貴族に支配されなかったから、庭園が緑地公園にならなかったのだ、と。
    他にもヘェ〜と膝を打つような話しが満載。
    江戸幕府が吉原を移転した本当の理由は。
    江戸城の半蔵門は裏門ではなく表門だ。
    赤穂浪士は潜伏中、江戸幕府に保護されていた。
    奈良の歴史的遺物が1000年の長きに渡って保存された理由は。
    信長が比叡山を徹底的に焼き討ちした理由は。
    元寇が攻略できなかった日本の自然の砦とは何だったのか。
    博多は大都市の四大条件、安全/食料/エネルギー/交流軸をほとんど満たしていないのに繁栄しているのはなぜか。
    本書を読み終わる頃には、すっかり歴史を見る目が変わってしまう。
    惜しいのは、語り口。「AだからB」というときのAについて、意図的なのか不明だが、必要条件と十分条件を混同しているように見受けられる。言い切った方がドラマチックではあるけれど、その分、眉に唾つけながら聞いてしまう。本書は歴史についての「科学」というよりは「もう一つのお話」として楽しむのが吉。
    最後に、著者も意図してない本書の効果をあげたい。それは、地理という学問の面白さと奥行き、可能性。小学校中学校で習った地理は面白くなかったけど、こうやって歴史と組み合わせてみると立体感がでてきて、歴史と地理の両方が面白くなる。

  • 友人に薦められて読みました
    いやー、面白かったです
    そう言うと、また次のも貸してくれるようです
    江戸のことは以前「家康、江戸を建てる」で分かっていたこともあったのですが、まさか忠臣蔵が!
    元寇も!
    私も思っています、邪馬台国はね……
    ≪ 地形から 読み解く歴史 ふーむふむ ≫

  • 【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    中津川誠 先生の推薦図書です

    <推薦理由>
    歴史を動かした要因に国土条件があるという見方が大変興味深く、物事の本質に迫るためには複眼的な見方が重要であると感じられる。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00357907

  • 面白かった。本書の耳目はやはり忠臣蔵の謎の部分だろう。聞いたこともない着目点、検証によって、今まで知っていた忠臣蔵とは全く違うストーリーが鮮やかに描き出され、痛快さに膝を打ちたくなる。

    家康の江戸開府、その直後から行われ何代にも渡って続けられた壮大で、執念とも言える治水事業。源頼朝が鎌倉に幕府を構えた訳、信長の叡山焼き討ちの裏に隠された恐怖心の正体。

    等々、歴史好きにはたまらない、しかし、これまで学校や書物から得られた知識理解を全く超える面白い説が満載だ。

    あえて辛口を言えば、これは多少セールス目的の編集の作為と思えるが、他の歴史家やそれらの説を、けなしてはいないものの、自分の説の方が説得力があるというような雰囲気の箇所が少なくとも2ヶ所くらい出てくる。それは言わぬが花ではと感じた。

  • 地形・気候・客観的な資料から検証しているので、説得力がある。特に「忠臣蔵」についてはサスペンスドラマを見ているようでわくわくした。

  • 面白かった。

    この本にも出てきたが、島国、しかも極東という位置、大陸との間の早い海流が、日本という国を今までぬくぬくと生き延びさせてきたと思っているので、地勢が歴史に及ぼしている影響が大きいという著者の考え方は、非常に納得のいくものだった。
    というよりかは、当然でしょ?ぐらいの気持ちで読み始めた。

    著者は歴史学者ではないし、学術的なプロでもないので、ところところ、それはちょっと正しくないな、と思わせる表現があったので、一から十まで鵜呑みにするのは危険だが、全体的には説得力のある説が展開されていて面白かった。

    源頼朝は湘南ボーイだったので、疫病の巣窟、京都を嫌ったとか、発展性のない鎌倉に閉じこもろうとしたので暗殺されたとか。
    江戸時代が長く続いたのは、日本最大のプランナー徳川家康が関東「湿地」を関東平野という米どころに変えたからだとか。

    ただ、江戸の無血開城が、すでにモノの流通によって「日本人」としての帰属意識ができていたからだ、という説はちょっと弱い。
    山脈によって、物理的にも気象的にも分断され、南北に長いため気候も異なる島国が、同じ「日本人」と考える根拠が、江戸時代の海上運送だけで説明するには心もとない。

    ただ、熱帯モンスーン気候で発生した米作が、日本に来ると、平野が少なくしかも水はけの悪い沖積平野、河川は急勾配、大陸と海の高気圧の影響で年間を通して変化し続ける気候、とあってはのんびり種をまいて育てるわけにはいかず、集団で灌漑を行い集中的に耕作しなければならなかったという説明には、納得がいった。
    日本人の集団を優先する気質は、米作が影響しているという説はぼんやりと理解していたが、日本の気候・地形が関係しているとわかり、理解が深まった。

  • おもしろかった…!

  • 歴史は、一方向からしか見ないと真実は見えない。歴史を多面的に見て、真実を形作るのに有用な書。

  • ・なぜ日本語は分裂せず、「方言」にとどまったか
    ・地形と気象の多様性で生き残った列島
    ・江戸時代のインフラと肥料と赤潮
    ・幕の内弁当や庭園に代表される詰め込み文化

  • 歴史なんてものは近代史以外に全く興味のなかった当方が、めっきりのめり込んだ一冊。ある視点から歴史を見ると、こんなにも興味の湧き方が異なるものか。各地には歴史上の人物たちの苦悩があった。現代を生きる人間の一人として、やはりその歴史を知ることは義務であると感じる。

  • 地形や気象などの理系視点で、いろんなことが分かるものなんだなぁと感心した。
    特に徳川家と吉良家の話はおもしろかった。
    他のシリーズも気になる。

  • 土木工学を学ばれ、建設省に入省、そして、河川の仕事で日本全国の地形、気象などに関する知見を蓄積され、著者曰く、地形・気象・下部構造(インフラ)から読み解く、歴史。
    人間が歴史的に残して来た社会・文化的情報から歴史を読み解くことは避ける。
    しかしながら、浮世絵などは、文化的遺産としてではなく、写真データとして読み取っていく。
    遷都せざるを得なかった理由として、木材の枯渇、飲み水の確保、人口密集による疫病の蔓延などなど。
    権力者のバイアスのかかった文書は片隅に置きながら、下部構造から歴史を読み解く、とっても楽しい本でした。

  •  半蔵門のこと、忠臣蔵のこと、家康がきた頃の江戸のこと、なかなか面白かった。自分の住んでる場所や転勤した場所、旅行先などで、著者のようにいろんな興味を持って、また自分なりの仮説を立ててみるというのは、楽しいだろうと思う。著者の説は、説得力がある。
     それと、家康という人は、さすがだなぁと感心した。

  • 2015/09/03:半分まで読む。
     昔は、今よりも、地形が社会構造や出来事にあたえる影響が大きかったという本である。
     そうなのかと、思うことが度々ある、非常に新鮮で、斬新な観点を与えてくれる本。
    2015/09/12:読了
     いや~~おもしろかった。
     特に、
      尾根の道から半蔵門が主要な門であること
      人口の増加と、水・エネルギー不足から、首都の奈良→京都、京都→江戸を導き出したところ

     地形

  • 地形に対して改めて興味を掻き立てる書です。天・地・人の「地」に目が向きました。

  • こんな内容だと歴史も身近に面白く感じることができます。半蔵門や、忠臣蔵、徳川の軍事水路、京都の遷都など。

  • なぜ平城京は遷都したか、とか、江戸城をめぐる話とか面白かった。特に江戸城の話では、現在のあそこ、ここと出てくるので、電車の中で読みながらスマホでGoogleMap
    で確かめたり(^^; 本書では取り上げてなかったけど、説明されて地名の由来に気がついたりして、なるほど~ 利根川がもともと東京湾にそそいでいたというのにはびっくり。

  • タマフルの推薦図書になってたので購入。なるほどと思える話が多く楽しい。後半ちょっとワンパターンかも。

  • タモリ好きはみんな読んだ方がいいねえ。銃病原菌鉄は日本でもかかれてた。

  • 地形や気候などの「地学」的知識によって、日本史の定説を次々と覆していく痛快な一書。既存の歴史学がこうした初歩的条件を無視していたとしたら、知的怠慢としか言いようがない。マルクス曰く、「歴史記述はすべて、全歴史の自然的基礎ならびにそれが歴史の行程の中で人間の営為によってこうむる変容から、出発しなければならない」(ドイツ・イデオロギー)。この言葉を思い出したのであろうか、著者は地形や気候などの自然条件に「下部構造」というマルクス主義の用語を借用する。しかし、本来の「下部構造」はあくまで経済的な生産諸関係の謂いであり、わざわざこの語を当てる必要もないと思うのだが。

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日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)の作品紹介

なぜ頼朝は狭く小さな鎌倉に幕府を開いたか、なぜ信長は比叡山を焼き討ちしたか……日本史の謎を「地形」という切り口から解き明かす!

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)はこんな本です

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)のKindle版

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