日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)

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著者 : 竹村公太郎
  • PHP研究所 (2014年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569761459

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日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)の感想・レビュー・書評

  • 久々に目から鱗続出の記念すべき本に出会いました。今年の立春に出会った本で幸先良いと嬉しいですね。

    この本は日本史の謎といわれている部分に、日本の当時の地形(当時のというのがミソ!)がどうであったかかを踏まえたうえで、竹村氏の考えを解説しています。

    薩英戦争でなぜ英軍が陸戦で苦労をきわめたのか、また鎖国を開かせて植民地化を狙っていた欧州列強がなぜあきらめたか等、興味を持ちました。

    水道の発達が当初は平均寿命を短くしていた事実、それを高めることができたのは塩素消毒を用いたこと、初めて知りました。

    また長篠の戦で有名な鉄砲三段撃ちを、毛利水軍との戦いで使って効果がなかった事実は、驚きでした。やはりあの戦法は、馬防策があったから有効だったのですね。

    さらには、江戸時代前には、当時の日本の中心の関西から中部にかけては禿山が広がっていたこと、江戸初期の長期にわたる治水工事のおかげで関東平野が使える土地になったこと等、興味ある事実が満載でした。

    番外編の、ピラミッドの謎(有名な三大ピラミッドとその他の100個のピラミッドが造られた目的の違い)も良かったですね。この本の著者の竹村さんには、続編を更に出版してほしいです。

    以下は気になったポイントです。

    ・社会の下部構造とは、単なる土木建造物ではなく、安全・食糧・エネルギー・交流という4個の機能で構成される、その上部構造に文化があり、上部・下部構造をあわせて文明がある(p6)

    ・1854.3に日米和親条約を交わしてから、安政伊賀・安政東海・安政江戸の3大地震がおき、欧米人を恐怖のどん底に落とした(p32)

    ・下関戦争において、長州軍の本隊は、蛤御門の変で京都に釘付け、非正規軍の奇兵隊を中心に、4カ国連合軍と戦った(p35)

    ・日本列島の70%の山と、10%の湿地帯が、欧米列国が得意な騎馬軍団の登場を許さなかった(p39)

    ・蒸気機関車は、旧大名たちの邸を迂回して、海を走るしかなかった(p50)

    ・日本で平野といえば、縄文時代には海だった場所、それが沖積平野となった(p52)

    ・大名の領地はうまく河川流域で分けられていたので、領地を開発しても隣国と衝突することはなかった、これが安定した地方権力となった(p54)

    ・蒸気機関車を見た人は驚いた、東京と横浜をたった1時間で結んだ、それまで地域を分ける多摩川、鶴見川を1分もかからずに越えた、河川の境界としての機能を消し去った(p57)

    ・大正10(水道の塩素殺菌)年に年間33万人に増加した乳児の死亡数は、一転して減少して今に至る・それと平均寿命の延びは一致、水道は明治20年から開始(p65、67)

    ・水道の塩素殺菌には液体塩素が必要だが、その技術は日本陸軍からの要請で大正7年に開発、シベリア出兵が終わったのでその製造プラントは無駄になった、それを細菌学の権威である後藤新平がその技術を転用できた(p71、77)

    ・鷹狩りは自軍の威容を見せつける目的も兼ねていたが、他陣営も文句を言えず、また面子も保てた、1590年以降の家康の鷹狩りは、地形調査も兼ねている(p82)

    ・銚子沖で激しく流れる黒潮を横断するのはきわめて危険、房総半島で船を下りて陸路で東北に向かう、家康は関宿という関東の弱点を発見してそれの対応をした、さらに利根川の東遷が日本一の関東平野を誕生させた(p89、90、93)

    ・世界に不思議がられている日本人の単身赴任は、近代化の中で誕生したものではなく、400年もの年季の入った日本人の生活習慣(p100)

    ・江戸の大名は純粋な消費者であったので、経費を捻出するために、自藩の農産物・海産物をもってきて貨幣に変えた、東京で消費生活をする学生とその... 続きを読む

  • 【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    中津川誠 先生の推薦図書です

    <推薦理由>
    歴史を動かした要因に国土条件があるという見方が大変興味深く、物事の本質に迫るためには複眼的な見方が重要であると感じられる。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00357907

  • 作者の考え方が合っているかどうかはともかく、独創的な視点から説得力のある解決策を導くのはおみごとといった感じ。特に水の塩素消毒により子供の生存率が飛躍的に上がったというのはなるほどと思った。あと、ピラミッドのは面白かった。何事も、仮説&検証。まずは材料となる知識を集めねば。。。

  • ピラミッドの理論はどうなのかなぁ〜と思った。灯台なら三基もあんなに巨大なの要らないでしょ。

  • ピラミッドの新説は、非常に面白い。けれど、内部はどう説明をつけるのでしょうかね?

  • ダム・河川のキャリア官僚が、気象・地形から学び・ヒントを得た文明の構造モデルから歴史の常識を見直す作業。
    客観的事実を抑え、著者の感性で磨き上げた文化・文明感・物差しでの「竹村公太郎」節。
    読んでいて、納得することばかりです。
    17章・18章のピラミッド建設の謎、ナイル川西岸に建設された訳、そして、最後残った3つのピラミッドの謎。
    6000年前から始まった海水面の降下が原因だった。
    この本を読破し、養老孟司さんとの対話「本質を見抜く力」に移行していますが、これまた、お二人の痛快なお話。
    すっと読めてしまいそうです(笑)。

  • ピラミッドはなるほど。

  • 2015/11/10:読了
    2冊目だけど、面白い。
    日本人が小型化を得意なのは、古来から、多くの人が足で旅をしたから。荷物が重いと大変だから、工夫して小型化した。それが日本の「縮み」志向、軽薄短小、かわいい、につながっているという指摘は、ハッとした。

  • 土木の観点から見た日本史トリビア的読み物
    割と牽強付会な部分もありはしたが、それなりに楽しめる読物になっている。

  • 著者は学者かなんかで、歴史を地形から読み解くのかと思いきや、土木関係の専門家なのですね。地形と言うよりも、地名の方からのアプローチが多いので、雑学好きには楽しめる。一つ一つの項目が短いので、スキマ時間に軽く読むにはいいが、言い切っているわりに結論に至らない項目が多く、中途半端な印象ばかりが残った。

  • 多少、牽強付会。

  • ピラミッドはなるほどと思った。

  • 地形で読み解く日本史第二部。前作と違って石田光成みたいなつまらない誤字がなく、前作と同様面白いのでグイグイ引き込まれた。
    彼の説が正しいかどうかは置いといて。地理や気象といった下部構造が文化等の上部構造を決定づけるってのは納得。日本人の小さな物を好む文化や勤勉な性向があること、日本将棋の発展など。他にも横浜の水道や石狩川の整備、江戸から東京まで地方の支えがあっての発展だったこと、木がエネルギーだったために山が荒れ果てたころ黒船がきて石炭にエネルギーが切り替わった話。海外にも飛んでナイル西岸のピラミッド群はナイルをリビアの砂漠で消滅させないためで、ギザのピラミッドは耕作する人々の灯台だったという説などなど。

  • 「日本史の謎」海外の謎にまで発展しています。
    江戸時代のエネルギーとしての木の消費やエジプトのピラミッドの話とか面白いです。
    ピラミッド建設の目的・理由の仮説は不覚にも「お、おう、そういうのがあるのか」と思わされてしまった…。

  • ○「地形」シリーズの竹村氏の作品。第3弾。
    ○文明や文化に視点を当てたもの。
    ○今までの作品に比べ、ややわかりにくく、情緒的な印象があった。少し残念。

  • 田町と品川の間にある背の低ーいトンネル は、東京〜横浜間を初めて駆け抜けた蒸気機関車が武家屋敷街を抜けられなかったから出来た、といったローカルネタから、東京が首都になったのは何故かというマクロなものまで。

    元・国土交通省および同河川局長による一 冊。挙句の果てに、ピラミットはなぜナイル河の西側のみに群立しているのかにも迫っちゃいます。

    人が造作を加えるのには、机上にあって決してわからない実際的な理由が必ずある。 石狩川はなぜ執拗に真っ直ぐする必要があったのか! はっきりいってメチャクチャ面白いです。 他に2シリーズがあるそうで、必ず読むと思う。

  • ダム技術者だった著者が、主に治水面から日本史のなぞを解き明かしていく。
    石狩川の

  • シリーズ2作目
    前作同様、これまでの歴史の常識とは違う視点からの考察は、非常に興味深いものです。
    3作目も期待しています。

    <目次>
    なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか 1―地形と気象からの視点
    なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか 2―「海の中」を走った日本初の鉄道
    日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か―命の水道水と大正10年の謎
    なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか―もう1つの仮説
    なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 1―「地方」が支えた発展
    なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 2―エネルギーを喰う大都市
    なぜ江戸は世界最大の都市になれたか 3―広重の『東海道五十三次』の謎
    貧しい横浜村がなぜ、近代日本の表玄関になれたか―家康が用意した近代
    「弥生時代」のない北海道でいかにして稲作が可能になったか―自由の大地が未来の日本を救う
    上野の西郷隆盛像はなぜ「あの場所」に建てられたか―樺山資紀の思い〔ほか〕

  • 長い間書店で平置きされていて気になっていた本。

    作者は感じた疑問を想像力を働かせて解説。

    突っ込みどころはあっても想像力が大きく広がる歴史的事件を扱った前半が痛快。

    学生時代の地理・歴史の授業もこのくらい逸脱していたら楽しかっただろう。

  • 地形と気象の観点から日本史の謎や文化を考察した本で、なかなか面白かったです。「日本史の謎」と言っておきながら、最終的にピラミッド建造の謎に挑んじゃうあたりが特にいいです(笑)しかもすごく説得力あってびっくり! 

  • 「なぜ日本の国旗は太陽の図柄なのか」「ピラミッドはなぜ建設されたか」が特に興味深かった。
    国民性だと思っていたのは地形によるものだと分かり腑に落ちた。

  • 日本史の定説を地形を観察することによりひっくり返してくれるのが本書である。例えば、日本は13世紀に当時世界最強と呼ばれたモンゴル軍の来襲(元寇)を二度受けたが、どうにか撃退した。多くの歴史家はこの日本の勝因をモンゴル軍の船団が嵐に襲われて壊滅したからと分析している。多くの人々も日本の勝因をそのように考えていると思う。
    本書では、日本の勝因をその戦場の地形に注目して解き明かしている。元寇以外にも17の定説がひっくり返されている。本書から、さらに歴史はどのように作られ、継承されてきたかも理解できる。(先生推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00529466

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日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)の作品紹介

『日本史の謎は「地形」で解ける』第2弾。前作同様、ミステリーの謎解きの快感と、固定概念がひっくり返る知的興奮が味わえる一冊。

日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)はこんな本です

日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)のKindle版

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