- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569764542
作品紹介・あらすじ
あなたは「幸せになりたい人」or「幸せにしたい人」? ペンネームに「幸」が付く5人の人気作家が幸せをテーマに綴った短編小説集。
感想・レビュー・書評
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ペンネームに「幸」が入っている五人の作家による「幸せ」をテーマに書かれたアンソロジー。
一人★一つずつで、★5つ。
どれも違った味わいで、とても面白く読めた。
伊坂幸太郎『weather』
大友くん、こんなに気を使ってかわいそう、悪いのは女たらしの清水なのに。
清水、爆発しろ!
…と、途中まで思っていましたが、いい話でした。
山本幸久『天使』
…これ、本当にhappyなの?
ただ…良いことをした、それは確か。
中山智幸『ふりだしにすすむ』
「世にも奇妙な物語」で放送すると良い。
タイトルは『イシカバカバ』に変更で。
真梨幸子『ハッピーエンドの掟』
うわ~、さすがイヤミスの女王!
誰かの幸せは誰かの不幸、誰かの不幸は誰かの幸せ…ということでしょうか?
小路幸也『幸せな死神』
キュンとするファンタジー。
死神の声は、小野D輔さんでお願いします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名前に「幸」がつく作家による幸せがテーマのアンソロジー。伊坂幸太郎さんの「Weather」はサプライズに温かい気持ちになる。山本幸久さんの「天使」は掏摸師のおばあちゃんが素敵。その後の2人が気になる。中山智幸さんの「ふりだしにすすむ」はSFテイストで不思議な話だが気持ちが和んだ。こちらもその後の2人が気になる。真梨幸子さんの「ハッピーエンドの掟」…ゾクゾクした。ほっこり系だけじゃないのが良い。小路幸也さんの「幸せな死神」は「すべての神様に十月」の中でも好きな話で、再読してもやっぱり良い。
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名前に「幸」の一字を持つ作家先生5名による「幸せ」がテーマのアンソロジー小説集。
解説に曰く「幸せをテーマにするということは不幸せをテーマとすることと表裏一体」(p277)とあるが、果たしてそうなのだろうか。「幸せ」がテーマならば直球に「幸せ」がテーマの作品を期待したいです。
5編収録。
〈Whether〉 最もテーマに素直だと思える作品。コンパクトながらバッチリ伏線が張られており、しかもきちんとミスリード・伏線へのヒントも示されている、雨上がりの虹のような気持ち良い一作。天気トークに絡めて涙のことを小雨と表現する〆はとってもオシャレ。
〈天使〉 打って変わって少し変則的な「幸せ」を描いたと思う作品。とにかく結末が想定外というか唖然。最後の一行に「幸せだった。」(p119)と明記されているので’幸せでしたとさ’、とはなるのだろうが’その後幸せに暮らしましたとさ’ではないので、福子はじめタカシ・カホは果たしてどんな人生を送ったのかが気になる。
個人的には浪川程度の小悪党ならば殺す必要性までは感じられなかったので、福子の負った業に釣り合っていないのでは?と感じスッキリせず。
〈ふりだしにすすむ〉 ちょうど最近『ペンギンのバタフライ』(PHP文芸文庫)を読んでおり、そちらにも収録されていた本作を再読。改めて感じたが主人公・りりこがやっぱり嫌い。また、特に「幸せ」がテーマという訳でもないように思う。ハッピーエンドっぽくはあるが。
〈ハッピーエンドの掟〉 面白かった!この話どうなるの?と読んでいたら最後の章でひっくり返される。これは確かに幸せの表裏だろう。タイトルも皮肉が効いていて痺れる。冷蔵庫の中には何が入ってたんだろう⁉︎気になります!
〈幸せな死神〉 小路幸也先生の文章に初めて触れました。本当に何となくですが、きっとすごく優しい方なのだろうなぁ、と感じたはなし。
まず本作に登場する人物全員まんべんなくに救いがあります(冒頭で倒れたおじさんはご愁傷様ですが…けど苦しまずに旅立ったのでは)。
紛れもなく良い話と思いましたが小説として心に残ったかと言われると…。もっと死神との別れが名残惜しく感じるくらい交流の描写があったら尚良かったような。けどそれだと悲しすぎますかね。
1刷
2022.1.7
2022.1.8 修正 -
短編が5作。読みやすいのに、中身が詰まってるものばかり。伊坂さんのweatherチョッピリ泣けました。
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幸せという大きなテーマで、いろいろなお話が楽しめてよかったです。
「Weather」「幸せな死神」が特に好きです。
あとは解説も、エピソードを知ることができて楽しめました。 -
名前に「幸」の文字が入っている作家さんの幸せがテーマのアンソロジーって、これはものすごく面白い企画だと思う。思いついた編集さんグッジョブ。
このメンバの短編がまとめて読めるのも贅沢。
とっぱじめの伊坂さんのでやられてラストの小路さんでまたやられて。たまらん。
けど、このテーマのなかに真梨さんを入れたのはなかなかチャレンジャー。あの真梨さんがどんな「幸」話を書くのと。で、やっぱり真梨さんだ。ふつーの幸話を書くわけがない。幸せなだけが「幸話」じゃないってことだ。 -
真梨幸子さんの書かれたパートが意味不明で、とりあえず、気持ち悪い大人がいると、とても不幸だな、と思った。こんな題名なんだから、もう少し心温まる話を集めて欲しい。ほんと嫌になる。性被害関連の本はほんとに読みたくない。注意喚起してほしいいいい。
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読みやすく、でも、同じように幸せ、がテーマでもほんのり暗かったり、後味が少し悪かったり、があって面白い。