私のことはほっといてください (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569767338

作品紹介・あらすじ

髪ゴムが起こした奇跡と呪いとは? 世界で最も遠い十五歩とは? 半径5メートルで起こる出来事を無駄に膨らませる抱腹絶倒のエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 私はこの本を電車で読んでいて、気づくと、普通に声出して笑っていました。

    日常のちょっとしたこと(ちょっとした違和感)から、筆者の想像力は果てしなく広がり、もともとの事象から遠く離れた物語が進んでいく。

    それは違和感の連続であり、「もしも」の仮定の連続であり、壮大なる「ボケ」だ。
    筆者はそのフィクション(ボケ)に対して、自ら的確なツッコミも入れ(ボケツッコミ?)I、笑いに昇華している。
    中々非凡な才能である。

    河童の話が特にかわいらしく、物哀しく、良かったです。

    それぞれの短編が一遍の小説になる要素を持っていると思うのですが、これがそのまま小説になって面白いかというとまたそれも違うと感じた。

    それは、この本のストーリーの持つ面白さと、ある意味的確な説明が、「言葉では表せないモヤモヤした何か」を表す小説とで、ギャップがあるからなのではないか。

    筆者が作るストーリーに何だかわからないカオスを追加するととんでもない小説ができるのではないかと思う。

  • 声を出して笑える文庫本。そのへんは他の方のレビューどおりです。

    他人の思考から学びを得るのが本の醍醐味だとすれば、「私のことはほっておいてください」の著者、北大路公子さんの頭の中を覗き見ることで、得られることは特に無いし、ひょっとすると「この人、いつも昼酒してて体壊さないのかな」とか「そこそこ収入はありそうなのだから、早く結婚すればいいのに」とか、余計な心配するだけかもしれないけれど、そもそも、そんなこと一番気にしているのは、北大路さん御本人だし、むしろ、自堕落な生活やちょっと癖の強い妄想を、ここまで思いっきり赤裸々かつ明け透けに書かれると、むしろ清々しい。

    お酒の失敗エピソードが多いが、佐藤浩市愛と、相撲愛がにじみ出ている下りが個人的に好き。特に稀勢の里に対する「積極的に忘れる」という応援のあり方が画期的で、「自分が観戦していると贔屓のチームが負ける」というジンクスを感じている自分には共感ポイント。
    (「生きていてもいいかしら日記」の「あまのにゅう」の面白さと匹敵のエピソードと思う)
    フェイスブックのなりすましアカウント対策では、解決策が見つかりそうなところまでたどり着いて、そもそも自分の本名が「北大路公子じゃない」ことに愕然とした場面などは、こちらも仰け反る。

  • この文章のすごさはわかる人にしかわからないと思う。がっつりハマる人と全くツボらない人にはっきり分かれる気がします。
    言ってみれば、どうでもいいことを、些末なことを、人が気にも止めないようなことをこれだけ手間隙かけて格調高く(笑)この長さで紡げるというのは特別な才能だと思います。
    くだらないという人は同じことをできるのか?と思う。
    笑いのツボを押さえるということの難しさは結局センスなんだなと感じます。
    タイトルも秀逸。こんなタイトルの話の中身があんな話とは想像つくまい、というものばかり。
    私は共感するあまり「ぞるぞる」の数ページを音読しました(笑)

  • 一体この本をいつ読めば良いのでしょうか
    公共機関で読めば、一人で笑っている変な人だと思われてしまいます

    夜寝る前に読めば、やめ時がわからなくて次の日寝不足になってしまいます

    絶対カフェでは読めません

    なんで、こんなに面白い文章が書けるのですか?
    いつ読むのが正解の本なのか誰か教えてください

  • エッセイというより、コラムと言ったほうが良い位、1話1話が長めに構成されている一冊です。
    「世界でもっとも遠い15歩」が一番好き。
    ほとばしる妄想、溢れ出るユーモア、いつもの言い訳、脳内会話炸裂、といつも変わらぬ安定的な面白さが詰まっています。

  • 何も考えずに読める北大路さんエッセイ3冊目。もう読むのが癖になってる。心のリハビリなので定期的に読まないといけないレベル。本作は身辺雑記。主軸は納豆、鍋の蓋、お風呂、カップ麺等々が独自の手法(話法的な)で綴られている。本当の意味での見事な身辺雑記でまた心がほぐれる不思議。やめらんない。

  • 北大路さんのエッセイ。相変わらず笑える。どうしたらこんな面白いように書けるんだろ。

  • 相変わらず面白いな~。東京の夏を湯せんに例えるとことか、どうして奇抜かつ絶妙な例えが出てくるのかな~。

  • 解説の宮下奈都さん「北大路さんの本の解説など野暮以外の何者でもない。解説できるようなら北大路さんの本じゃないとさえ思う。」その通り、説明できないけど、今回も笑ったり脱力したり楽しませてもらいました(解説は勿論面白かったです)。酔っ払いエピソードが減って来たのはちょっと寂しい。「人妻界の秘密」は、本当にそういうもんなのかしら。。衝撃。

  • 読み物としては面白い。けれど、同時に呼んでいた本があまりに格調高く、こちらは別に読まなくてもいい内容かと思い、途中までで図書館に返却してしまいました。

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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