- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569767352
作品紹介・あらすじ
彩加の任された取手店が閉店を告げられる? 一方、伸光は担当作品のアニメ化の話が舞い込み……。書店を舞台としたお仕事小説第六弾。
感想・レビュー・書評
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田中くんがしっかりしていて、じーん。
伸光が仕事でどんどん追い詰められる様子に、一緒に腹を立てながら、伸光の事を心配し、亜紀がそっと伸光の味方をするところで、いい夫婦だなとじんとくる。
彩加が大事に大事に育ててきた取手店。閉店すると聞かされて号泣する彩加。
そらそうだよな。かける言葉もない。そこで出会った「世界はあなたのためにはない」という言葉。彩加と一緒に衝撃を受ける。
いつでもどこでも登場人物と一緒に喜怒哀楽を感じられる。
これが本だよな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界はあなたのためにはない。
なんて厳しくて正しい言葉何だろう。
努力しても成果を出せてもどうなるのかは自分以外の誰かに決定されてしまうのが仕事だったりする。
けれども、主人公の私の論理で生きたいは、これから彼女の仕事はどうなるのかその続きを読むのが楽しみなのと、これが言えるのは今まで逃げてこなかった人が言えるセリフだな、、、と。
登場人物が応援したくなる人ばかりです。 -
伸光編集長のトラブル対応を、まるで自分のことのようにハラハラしたり、同じようにカッとなったり、彩加店長の閉店に対する皆への気遣いに心が苦しくなり悲しくなり....。読むのに気持ちが辛い...。でも面白い...そして最後は涙....。はあ〜気持ちが忙しく楽しい時間でした。
本の周りにいる人達にとっては、
本がモノではなく、ヒトなんだな。
私も本との出逢いを大事にしていこう。 -
いい本だった。読んでよかった。
彩加が店長を務める取手店が閉店してしまう!
まだ始まったばかりという印象だったので、私も少なからずショックを受ける。
開店準備から書店員の確保、棚の工夫、お客の確保、売り上げなど、つい5巻でやったばかりではないの!!
閉めると聞かされた彩加の悲しみと、そこからの閉店準備を思って心が傷んだ。
閉店とはこんなにつらい作業だったのか。
そして小説のアニメ化、コミック化がこんなに大変な作業だとは想像もしなかった。
原作者、担当編集者、アニメーター、漫画家。意地と作品への愛情のぶつかり合い。
これからノベライズ本や映像に触れる時に重みを感じそう。 -
好評のお仕事小説シリーズ。
同じ書店員の世界ですが、主人公は途中で変わっていきます。
これは前作に続く内容で、読みやすく、わかりやすい。
宮崎彩加は、取手の駅ナカ書店の店長になって1年半。
吉祥寺店とは勝手が違い、小さな店でバイトも少なく、何かと制約も多い。
それでも成果をあげようと工夫していましたが‥
突然、社からもうすぐ閉店と告げられます。
閉店とわかるとバイトも集めにくいので、直前まで話してはいけないという辛い立場に。
ここでバイトを続けている田中くんは、実はめでたく作家デビューしています。
ニートな若者だった彼も、だんだんしっかりしてきてますね。
編集者の小幡伸光が担当なのですが、伸光は1作目の主人公(ダブルヒロイン)の亜紀の夫。
なんと、このデビュー作のアニメ化が決まり、これは素晴らしいこと。
ただ何かとトラブルが起きて、伸光は対処に追われて苦労します。
作者の勤務経験が反映しているせいか、リアルな迫力がありますね。
彩加には、別に気になっている問題もありました。
ちょっと素敵な男性がいるのだが、進展しそうでしない‥?
書店の閉店が相次ぐという現実を踏まえたシビアな問題を描きつつ、夢のある展望も見せて。
読後感はスッキリ。
彩加のあこがれの書店員・かってのダブルヒロインの理子もちらっと登場しました。
特別出演、という感じ?(笑)
7作目も出たようです! -
小さな本屋さん気にかけてみようと思いました。書店がなくなるのはさみしい
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待ち望んでいた『書店ガール』の6冊目。
今回は何と、前作で開店したばかりの取手店が閉店するという話!?
どういう結末になるのか、一気読みになりそう(笑)
確かに、10数年で3割の書店がなくなるというのは、ほかの業種では考えられない深刻で異常な事態。
書店員が主人公の話ならば、避けて通れないテーマともいえる。
さらに、閉店問題と並行し、小説のアニメ化における原作者、出版社、アニメ制作会社それぞれ相互間の問題も取り上げられる。
一般読者には知りえない、本に纏わる業界情報小説ともなっていて、書店の憂うべき現状を描いたこのシリーズ、次はどういうテーマで書かれるか、今から楽しみである。
また、閉店予定の取手店に、シリーズ1・2で主役だったあの西岡理子が顔を出す。シリーズ愛読者には、嬉しい場面がある。 -
書店ガールシリーズ第6弾
今回は、取手駅の中にある書店、本の森チェーンの店長を務める、宮崎彩加のエピソードと、出版社で、若者向け小説「疾風文庫」の編集長を務める、小幡伸光のエピソードが、2本のストーリーとして交互に出てくる。
最初はそのつくりに戸惑ったが、彩加のストーリーは、まだオープン1年半、新米店長として頑張ってきたのに、会社の経営方針が変わり、突然の閉店を告げられるというつらい展開。
無力感と、この先の人生の航路変更を考えなくてはいけない心細さなどが女性視点で描かれている。
伸光の方は、コミックのノベライズで、漫画と小説の見せ方の違いで原作側と揉めたり、担当していた作品がアニメ化される運びになったことで、映像と小説、コミカライズという作り方の違うメディアミックスでの、今度は原作側として、また揉めたり。
緊迫する会議のシーンのやり取りなど、まさに戦いで、男性的な雰囲気だ。
「迷い」と「戦い」が交互に描かれることで、メリハリが付いている。
そして、2つのストーリーを繋げるキーマンとなるのが、作家・原滉一こと、彩加の書店のアルバイト田中幹(つよし)だ。
5巻から登場した彼は、オタクっぽくてコミュ障、引きこもりからやっと脱した感じの少々情けない青年だったが、アルバイトとしての責任感にも芽生え、作家としての立場も自覚し、めざましい成長を遂げた。
学校司書になった高梨愛奈の、読書離れしていく子供たちに、どう、本の面白さを教えてあげたらいいのかという悩みも深刻だ。
徐々に主役が交代していく感じのこのシリーズ、毎回、真剣勝負な仕事の場を紹介してくれる。
次回も楽しみ。