発酵食品の魔法の力 (PHP新書 670)

制作 : 小泉 武夫  石毛 直道 
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569772035

作品紹介・あらすじ

あなたの健康を支える究極の食べ物たち。身体へのメリットから世界の食文化、まだまだ秘められた可能性まで。4人の発酵の第一人者が、体へのメリットから世界の発酵文化までを存分に語る。

感想・レビュー・書評

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  • 発酵と腐敗は同じこと。腐敗菌ではなく乳酸菌が入るとヨーグルトになる。
    甘酒は夏の飲み物=点滴と同じ栄養豊富。季語は夏。

    みそ汁を飲むと胃がんになりにくい。
    酢酸=食酢は酒からできる。糖尿や肥満にきく。

    中国のお酒は蒸留酒の白酒と蒸留していない黄酒。紹興酒は黄酒。氷砂糖を入れて飲んだのは日本人。

    発酵漬物と無発酵漬物。
    たくあん、ぬかずけ、麹漬け。

    腎臓の酵素が血圧を調整している。
    蕎麦の中にも含まれる。
    カルピスのアミールS。

    同じものを続けて食べない。アレルギーになる。

    魚の自己消化酵素による劣化は鮮度にかかわる。
    細菌によるものは腐敗にかかわる。

    くさや汁の中には、抗生物質が含まれる。
    高濃度の塩辛は、食中毒を起こさない。

  • 読書録「発酵食品の魔法の力」4

    編著 小泉武夫、石毛直道
    著者 鈴木健夫、藤井健夫
    出版 PHP新書

    p104より引用
    “ リスクゼロの食品などはマスコミがつく
    りあげた幻想にすぎませんが、食品を提供す
    る企業は、リスク&ベネフィット、つまり
    「利益もあるけど、リスクも抱えている」と
    いうようなことは口が裂けてもいえませ
    ん。リスクがありますよ、などと公表すれば、
    消費者にそっぽを向かれてしまいます。”

    目次から抜粋引用
    “発酵は人類の知恵
     国民の盛衰は食べ方にあり
     魚介類から多様な発酵食品をつくった日本の伝統
     発酵の世界地図”

     発酵や食生活の研究に携わる著者たちによ
    る、発酵食品が持つ力と可能性を記した一冊。
     発酵そのものについての解説から世界の発
    酵食品についてまで、写真や地図などととも
    に書かれています。

     上記の引用は、食品のリスクについて書か
    れた項での一節。
    ほんの少しの不利益ばかりを見て、そっぽを
    向いてしまうような消費者になると、いずれ
    自分たちの食の選択肢を狭めることになるの
    ではないでしょうか。
    大声で宣伝される事の後ろには、隠しておき
    たい何かがあるのかもしれませんね。利益と
    不利益を比べて、自分にとって良い方向に向
    かうように、食べ物を選びたいものです。
     昔ながらの方法が廃れて、科学的な大量生
    産で発酵食品の中身が変わっているものもあ
    るようです。経済のチャンスロスを恐れて、
    人が食べる量より常に多く作っておこうとす
    るから、そのようなことになるのではないか
    なと思います。

    ーーーーー

  • 発酵と腐敗は同じ作用で微生物の力によって食べられるのが発酵で食べられないのが腐敗。カビ、酵母、最近が発酵の主な担い手。日本酒であれば、コウジカビがデンプンを糖に変える。糖を酵母がアルコールに変える。アルコールを酢酸菌が酢に変える。ペニシリンなどの抗生物質も発酵によって作られている。

  • 発酵食品ってほんとにうまいよね。微生物さまさま、なのである。
    本書は発酵食品礼賛のお手軽本で、食欲をそそられるのがいい。ただ一点、どこだったかな、第2章くらいだったと思うけど、のけぞるくらい非論理的な「論」が展開されていて、そこが残念。

  • 発酵食品にまつわる知識がぎゅっと詰まった本。
    製法から、含まれる栄養、ルーツなど、様々な観点で発酵食品を紐解いている。
    読後、思わず鮒ずしを買いに行ってしまった。

  • 醗酵食品関係の本色々読んでるが、ま、普通の部類かな。
    美味そう。
    んで、醗酵食品は素晴らしい。

  • 石川県の名物に、フグの卵巣のぬか漬けというのがあるですが、死ぬ前に一度で良いから食べて見たいんです。

    元々、フグの卵巣なんかは猛毒を含んでいて、青酸カリの180倍の強さを持つそうですが、それを食べるとは!
    さぞかし、美味しいんでしょうね。

    フグの卵巣の毒がどうやって解毒されるかというと、次のように書かれています。

    「ひとつは、塩に浸けたあと塩抜きするときに、ある程度毒が抜けるということ。もうひとつは、糠漬けしたときに、卵巣を覆う薄い膜の傷から乳酸菌がどんどん侵入して発酵することです。また、デバリオマイセスという酵母もいます。これらがテトロドキシンを水と炭酸ガスとアンモニアに分解して無毒にしてしまいます。これを『解毒発酵』と呼んでいます。」(p.41)

    人間の知恵というのはすごいですね!
    と知恵の恩恵に与れる我々は幸福です。

  • 発酵は食物を消化しやすくするという意味で加熱と同様の効果があり、他の微生物の繁殖を防ぐことによって保存することができる。人類が長年の経験で獲得してきた知恵であり、地域の環境や生活にあった技術が、簡単にできる料理が増えたことで失われつつあるのは確かに残念なことだ。

    旧来から乳搾りを行っていた地域が中央アジアやインドから西に広がり、東アジアや東南アジアでは行われていなかった。逆に、東アジアや東南アジアでは大豆発酵食品や塩辛、魚醤、ナレズシなどの文化がある。発酵食品という切り口で見ても、東西の生態学的な違いがはっきりと見て取れるのはおもしろい。

    ・日本人の死亡原因の内訳は、生活習慣病65%、感染症10%、事故・自殺25%。
    ・生活習慣病の予防法は、禁煙、適度な運動、清潔、食の健康。
    ・ドロドロ血液に効果的な食品は、「おさかなすきやね」お茶、魚、海藻、納豆、酢、きのこ、野菜、ネギ。

  • 様々な発酵食品について基本的な知識が得られ、複数の方の記述により、製法・食品別・世界各国別・食文化・歴史などの観点からも整理されていて非常に読みやすい。

  • バルカン半島に長寿の人が多いのはヨーグルトを食べているから。
    日本には漬物という有名な発酵食品がある。韓国のキムチ、インドのナンもそう。
    お酒もほとんどが発酵。

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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