- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569774770
作品紹介・あらすじ
はたして基礎は重要なのか-有無を言わさず型にはめたがる日本的指導法。しかしそれでは一線を越えた創造力ある人材が育つはずもない。職場の息苦しさはどうすれば解消できるのか?日本ラグビー界の牽引者が語る現場の理論を、企業研修でも人気の経営学者が解読。見えてきたのはコーチングの常識を覆す教訓の数々。「指示待ち部下は上司がつくりだしている」「自分の教え方の前に相手の聞く力を高める」「やる気は裏切りから生まれる」…。「やらなければならない」から「やれる」「やりたい」へと人を導く法。
感想・レビュー・書評
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平尾さんと金井さんのリーダーシップ・コーチング論。
お二人とも神戸にゆかりのある方で神戸で育った私は大好きですね。
いくつかフレーズを抜粋。
自分のことが好きで、自分にプライドがあれば、
だれかがミスをしても、自分には何が出来るかという思考になる。
これは一人ひとりがリーダーシップを発揮するということですから、
こうなったらその組織は最強ですね。
好きでたまらないか、やりがいを感じているか、
少なくともやっている意味がわかっている人間でないと一流になれない。
そして、そういう人間だけが集まれば日本一になれる。
教育には「教える」と「育てる」の両面があるのに、
日本には「教師」はいても「育師」がいない。
極端な言い方をすれば、やり方を教えるだけで
質問はさせないのが日本の教育なのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラグビーコーチの平尾さんの考え方に触れる最初の一冊として良かった。
教育で教師はいるけど育師は?
わがことのように喜ぶのがもっともポジティブなコーチング。
強い組織には強い個が必要。
状況判断ができる自立した個人を育てるべき。
連帯責任は得てして無責任につながる。
個人を指名し、その人が使命感を感じて反応する関わり合い。
攻守が常に入れ替わるゲームでは、現場の裁量権を思い切って与える方が強いチームができる。
チームワークではなくチームプレー。
鬼ごっこがなぜ楽しいのか?誰もが真剣だから。→楽しい鬼ごっこのように夢中になって生きていたいなあ。
他者との関係があって初めて存在する日本の個人は決して特殊ではない。
マネージャーの持論がそのまま反映されて職場ができる。よって、マネージャーは自分の持論を常にチェックする必要がある。
必ず疑ってかかる。
教えるプロに年齢はない。
リーダーの第一条件はアクティブリスニング能力。
発信機ではなく受信機の精度を上げる。
コーチングのスキルには二種類ある。教え方と受け手の聴く能力の向上。
相手の受信機を高めるために自分の受信機を高める。
コーチのアドバイスの三つのポイント。ポイントを絞って簡略化して伝えること。頑張ったらできることしか言わないこと。できたら状況が激減したことを実感できること。
モチベーションに関しては、何をしたいかを自覚すること。そしてしたいこととしなければならないことを近づけること。
吉野家の安部社長。金銭的な報酬よりも感謝の実感の方が仕事のモチベーションを上げる上で重要。
意味を伝えられない人はコーチになれない。
働く動機なんて十人十色。
あらゆる組織に通用する普遍的なリーダーシップなどない。
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反応速度
日本人はこれが遅いそうです。
たしかに息子のプレーを見ても自分の仕事を思い出しても誰かがやってくれるやろって一瞬が遅くなることがあります。
これは傍観者効果と言うそうです。
反応をよくする
やっぱり受ける方が受け入れやすく伝えることって大切ですよね。
コーチングは相手の受信機が受け入れる周波数で投げてやらないと受信してもらえません。
これは送信側の工夫なんですよね。
僕自身またラグビーに携わりたいなと思いますがコーチは本当に難しいと思います。
良かれと思ってやっても伝わらないこともありますし。
相手の耳ではなく心に届かないと意味ないんですよね。
コーチも日々精進やなと思います。 -
傾聴。
チームのビジョンとメンバーのビジョン。
人なので、自ら考えて試す、
様なキッカケをひとつ示唆。
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相手側の受信装置に敏感になること。こちらの発信機ばかり強くしても解決にならない。(平尾さん)
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教える相手の受信器の精度を高める。そのためには、教える側の受信機をまず高める。守破離。チームのビジョンと個人の目標が共有できるような「湿り気」のあるチームを。
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自分の言葉で端的に刺さるように動かすコーチングスキルの重要性。
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自分の考えを言語化する大切さ
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ラグビー日本代表監督の平尾氏へのインタビューをまとめたような作りの本。
「個の弱さを組織力で補うという発想では世界では勝てない。強い組織には強い個が必要である。」
「精度の高い技術だけではなく、状況判断ができる自立した個人を育てるべき」
すぐに読める本なので、たまに読み返すが良し。 -
読了