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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
2010年12月に出版された、宇宙飛行士・毛利衛さんの本です。今年3月の大震災に端を発した原発事故によって揺らいだ日本の科学技術への信頼。みなさんの中にも、原発事故発生後に転換してしまった、戻れない原発観、ひいてはネガティブな科学技術観、未来観を持った方が多いかもしれない。そこまではいかなくても、何かしら、世界観がかしいだ方も多くいらっしゃるでしょう。3月以前の世界がどうだったか、その空気すらよく思いだせないようなことはないでしょうか。本書は、本当にその直前の空気感から、科学を論じてくれている貴重な本です。3月以前の世界から今へと取りもどせるものは、この本から感じることから取りもどしていけばいい、そう感じさせられる本でした。
毛利さんというと宇宙飛行士という印象を強く持たれている方が多いと思うのですが、元々は科学者だった方でした。大変宇宙飛行士としてもずば抜けて仕事熱心な方だったそうですが、科学館の館長としても大変ご尽力されている様子がよく分かりました。今目の前にある仕事がその先どんなことに発展するかを良く考えていらっしゃるなと感心しっぱなしです。
科学の楽しさは人に伝えて行くべきことなのだと改めて実感しました。
子供の頃からの夢を叶え、宇宙に二度行った著者が、なぜあんなに宇宙に行きたかったのだろうと自問自答するくだりが面白かった。ある意味で宗教的体験だと思うが、宇宙に飛び立つ事に、始祖鳥が羽を持ったような、「生命の意思」を感じたそうな。地球が限界に達しようとしているとういこと? 「科学技術」をワンフレーズで語るのは一理あるけど、「安全安心」を区別しない人が多いというのは、確かに。客観的と主観的、論理と感... 続きを読む »
もともとの思想として科学と技術を分けなかった日本。まだまだ独自の発展を遂げるに違いないと期待している。アートと科学の融合が紹介されていたが、もともと思想として科学は宗教の影響を受けている。だとすれば、「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」で述べられていたように日本では心のきれい、汚いという美的感覚で判断する宗教観を持ってきた。このような潜在的な思想でアートと科学の融合は日本人にとってうまくいくにはずだろう。
目次
第1部 日本人のための科学論(日本の科学技術の現在
日本の科学 これが大問題
科学技術は文化である
日本科学未来館での取り組み
本来の科学リテラシーと、科学館の役割
宇宙からの思索 宇宙への想い)
第2部 科学を伝える‐人材を育てる‐つながりをつくる(高校生が未来館に夢中になる時
科学とアート)
前半が日本の科学の状況についての概観、中盤が科学未来館の位置づけの説明、後半が科学コミュニケータや大学の人との対談。
前半の日本の科学の状況については、「理科系冷遇社会」と比べてポジティブな書き方で、日本において科学や技術が発展した背景を説明している。「理科系冷遇社会」にも書かれているが、science だけでなく technology をも早いうちから大学で扱うことで、技術的な発展を促した。また、日本語での授業を行なうことで、広い人材に対して教育ができたとも。
中盤の科学未来館の位置づけでは、未来科学館は先端科学技術を社会に知ってもらうことが目的であり、他の科学館のように理科教育の延長とは異なることが示されている。そのための科学コミュニケータであり、これを読むとその必要性がわかる。
耳が痛すぎてもげそう!大学院や研究職に固執していたことを猛省。サイエンスを学んだことをどう社会へ役立てていこうかという方向で考えられるようになりました。
『日本人のための科学論』(毛利衛、2010年、PHPサイエンス・ワールド新書)
現在の日本の科学技術の現状と課題を全般的に述べた後、毛利さんが館長を務める日本科学未来館の取り組みや使命について述べている。
毛利さんの自然科学への探究心というか愛というかが伝わってくる。特に宇宙から地球を眺めた時に感じたことの下りに感動した。
(2010年12月22日 大学院生)






