思い出をなくした男

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569793597

作品紹介・あらすじ

遊園地に残された一枚の写真、撮影現場から姿を消した斬られ役-「思い出探偵社」が、人生の謎を解きほぐす。乱歩賞作家が贈るハートフルストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 2019.03.02
    記憶と思い出は違う。思い出は気持ちが入っている。
    「自分を励ますための一番の方法とは何か」「それは、だれかを励まそうと努力することである」だから、自分を励ますために誰かを励ましている。
    良いねえ。

  • 可もなく不可もなし

  • 「何よりも大事なものは人間の心だ。」
    「より不幸な人をみて、気持ちを楽にするのではなく、人の苦しみに寄り添うことで、いつしか知らないうちに自分の苦しみを乗り越えていることがある。」
    浩二郎の人生て素晴らしいですね。

  • 魅力的になりそうな気配はあるけど、探偵社内の関係も、依頼人の想いも少し消化不良だった。

  • 鏑木蓮さん、初めて読むかな。
    タイトルを見ているとミステリーのようなのですが、まあ一種ミステリーですが・・・
    思い出を探してくれる探偵社、そこに持ち込まれる様々な探し物をするという、事件性は全くありません。
    思い出ですからほとんどは過去にさかのぼり、ひとの記憶を掘り起こしていくという作業です。
    それに携わる探偵さん、依頼者、その他もろもろの人たち、特に共感が持てたり、感情移入できるということもなく読了。しかし舞台が京都だったり、その近隣の関西の実際の地名などが出てきてその付近在住の私としては親近感をもって読んだのでした。

  • 思い出探偵2作目。四話連作?前作から二年経ち、医者?な新メンバー加入。最初はとっつきにくい人物だと思ったが、読んでるうちにマシに?実相さんの出番が減って寂しい…。あと由美さん苦手ってのはなんとなくわかる…続編あるのかな。

  • H28/1/3

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    遊園地に残された一枚の写真、撮影現場から姿を消した斬られ役―「思い出探偵社」が、人生の謎を解きほぐす。乱歩賞作家が贈るハートフルストーリー。
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    表題作のほか、「雨の日の来園者」 「大芝居を打つ男」 「歌声の向こう側に」
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    今回も、大きな流れに乗ってゆるやかに流れているような連作である。各章のタイトルが、思い出探偵社が受けた依頼に、担当者が真剣に考えてつけたファイル名でもある。この名前を考える時点で、すでに依頼者に寄り添おうとする心意気が見て取れる。今作では、俳優に専念することで探偵社を抜けた本郷雄高の代わりとして、他者とのかかわりを自ら避けようとする医者の卵・平井真がメンバーに加わったことで、依頼者に寄り添うことの意味をより考えさせられる一冊になっている。

  • 思い出探偵2作目。前作よりも悲しい思い出の話が多かったような感じだけど、だからこそ心を打つ話だった。新しい所員も増えたので続編期待できそう…

  •  鏑木 蓮著「思い出をなくした男」を読みました。鏑木作品は初見です。

     犯人を追うのではなく、思い出を追う。犯罪の謎を解くのではなく、人生の謎を解きほぐす「思い出探偵社」のお話。要所要所に出てくる京都の地元グルメも必見です・・・たとえば出町柳ふたばの豆餅・・・

     作品中の言葉を引用させてもらえば、

     「生きるとは、ゆっくり誕生することだ」

     「『自分を励ますための一番の方法とは何か』って訊かれたある作家が、こういったんだそうだ。『それは、だれかを励まそうと努力することである』ってね。つまり、探偵社のみんなは、自分を励まし続けるために、人を励ましているんだ」

     うーん、なかなか心に沁みる部分が多くある作品です。

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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