新版・実践経営問答 こうして会社を強くする (PHPビジネス新書)

著者 :
制作 : 盛和塾事務局 
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569794952

作品紹介・あらすじ

あまたの困難、経営課題を乗り越え、一代で京セラを世界的大企業に育て上げた稲盛和夫氏。リーダーとしての日々の実践の中で培った、「判断力の磨き方」「社員のモチベーションの高め方」「危機に対応する方策」「リーダーたる心構え」など、経営のコツを、自身の実体験をふんだんに盛り込み熱く語る。名経営者の「生きたマネジメント」が学べる本。

感想・レビュー・書評

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  • 京セラを一代で世界的企業まで育てあげた稲盛和夫氏の著書。

    日本を代表する経営者として何を見、何を感じ、どう考え、何をしてきたのか。

    実体験をもとに多くの著書を出版してきた著者がボランティアで悩める経営者に道標を示す盛和塾で塾生の質問にアドバイスをおくる。

    まさに生きた経営学であり、マネジメントの教科書。

    説明
    内容紹介
    自らの実体験を率直に語り、問題解決に導く。稲盛流の「生きたマネジメント」が学べる本。
    内容(「BOOK」データベースより)
    あまたの困難、経営課題を乗り越え、一代で京セラを世界的大企業に育て上げた稲盛和夫氏。リーダーとしての日々の実践の中で培った、「判断力の磨き方」「社員のモチベーションの高め方」「危機に対応する方策」「リーダーたる心構え」など、経営のコツを、自身の実体験をふんだんに盛り込み熱く語る。名経営者の「生きたマネジメント」が学べる本。

  • 学んだこと

    ・真のリーダーとは
    集団を守ることによく考え、公平無私な心で判断ができる人。
    リーダーの第一の資質は深沈重厚。つまり、1番立派な人格とは常に深く考えて慎重で重厚な性格でしかも公平無私であること。

    ・中小企業が中堅企業へと伸ばすためには、実は多角化しかない
    多角化に成功する秘訣は、まず得意技を持ち徹底的にそれを磨くことから始める。
    そして新規事業はその延長線上で勝負していく。

    ・名経営者の条件とは
    └怯むことなく現場に赴き経営者としてではなく人間として何が正しいのかその1点で作業員一人ひとり捕まえて論争を挑んだ。
    徐々に従業員の考え方が変わっていき、従業員の人間としての生き方に対する考え方が変わった結果黒字になった。

  • 盛和塾という稲盛さんが創設した経営者向けの塾の参加者との対話(Q&A)形式で書かれている。
    塾生は中小企業の経営者が多く、生々しい悩みの質問が多く、経営の現場をリアルに感じながら読むことができる。

    稲盛さんの回答を通じて、この人は真の経営者であるということを感じた。会社、仕事、社員、顧客に真摯に向き合う姿が素晴らしい。


    原理原則は何かというと、正、不正の判断基準、または善悪の判断基準、公平、公正、誠実、誠意、愛情、正義、博愛、正直、素直等々のベーシックな言葉で表せる倫理観です。この倫理観を持っていなければ、ともすれば己の欲望が物事の判断基準になるというケースが多くなりがちです。

    会社というものはトップの器以上には大きくはなりません。したがって、人を治めるためには、経理・会計を治めると同時に、貴方の魅力、すなわち人間性・人格をもってしなければなりません。  では、人格でもって部下を引きつける経営者とはどういう人物なのでしょうか。私は、「仁」「義」「誠実」「公平・公正」「勇気」という五つの言葉で代表されることができる人だと考えています。つまり、思いやりがあり、義理人情に厚い人で、陰日向なく努力する人、そして人事に際しては私情を挟まず、事にあたっては決して卑怯な振る舞いをしない人です。しかし、よほどの修行でもしていなければ、このような人格が一朝一夕で身につくはずもありません。

  • 盛和塾でのやり取りがベースになりますが、経営についての悩み事全般がまとまっていて、内容もリアルです。
    また、著者の回答もわかり易く経営者としての心得の書として、有効な一冊だと思います。

  • 本書は、稲盛氏が塾長を務める盛和塾において、塾生である経営者からの質問に稲盛氏が答えていく「経営問答」の内容を掲載しています。

    経営者や組織のリーダーなら必ず遭遇する問題について、稲盛氏がズバリ答えていく様子は、まるでその場にいるような臨場感を味わいます。


    例えば、親の後を継いで二代目社長に間もなくなろうとしている経営者から、『社長とはどうあるべきか』という質問を受けます。

    稲盛氏はご自身の体験から、次のように答えています。

    『社長というのは物事を決める最終の地位ですので、決断の基準となる心の座標軸を持つことが大事だと思います。

    私は京セラ創業の頃、"人間として何が正しいのか"、"原理原則に基づいて経営する"ということを心の座標軸にしてまいりました。

    また、経営目標の達成について潜在意識に浸透するほどの強烈な願望を持ち、従業員から「社長が決めたことなら、必ず達成しよう」と思われるような、信頼され尊敬される人間性を備えていなくてはなりません

    私も京セラ創業三年目にして"全従業員の物心両面の幸福の追求"を理念に掲げ、人のために尽くすということを経営の基本におき、人格を磨きました。

    心を高め、利他の精神をもって経営にあたられると良いと思います。』


    本書で紹介されている質問の内容は多岐にわたりますが、稲盛氏の回答から伺えるのは、"やり方"ではなく"あり方"が土台にあるのだなということでした。

    経営のみならず、生き方についても大切なことを学べる素晴らしい一冊でした。


    私も起業したての頃に、メンターから「自分のことを100人の組織のトップだと思いなさい」と教わりました。

    現状に関係なく、自分は組織のトップであるという意識を持つか否かで、行動と結果が大きく変わることを学んできました。

    「有言実行を貫いて、仲間と共に豊かな人生にする」という目標を私も持っているので、それを実現させるためにも、日々ベストを尽くしていきます。

  • 稲盛会長の思いの一端を概観できる。私の故叔母の店にお忍びで来店し、ビール一杯と枝豆に一万円を払って帰るエピソードを聞いたのが懐かしい...。

  • ・同じ目標へ
    経営者は、企業を単なる烏合の衆でなく全員が一つの目標に向かって突き進む集団、一つの意識、考え方を共有する集団にしていく使命がある。
    どういう会社にしたいのか?それが原点である。登山でも小さな丘に登るのとヒマラヤに登るのでは、準備も心構えも違う。

  • 経営者と公務員って全然違うように思われます。
    でも驚くほど共通点もあるんですよね。
    「社長心得」に「公私峻別」を挙げられてます。
    ケジメですよね。

    経営には「無限大の責任感」を持ち「人格意思」を全て注入し「誰よりも努力」して尊敬される。
    これは今の公務員にも求められる資質かもしれません。

    「会社は社長の器以上に大きくならない」
    「全従業員の物心両面の幸福の追求」
    この点はトップに立った時にわかるのかもしれません。
    組織も所属長の器以上に大きくならないですし所属長が部下の幸せの追求を考えて仕事しないと良い結果は生まれません。

    新しい4つの創造
    「需要」「市場」「技術」「商品」
    独立して存在せず渾然一体となることでイノベーションが生まれるとのこと。
    どんな仕事でも意識したい言葉です。

    著者の本を精力的に読んで行こうと思います。

  • カリスマ稲盛さんが、現実的な中小企業の社長の悩みに対して指南する、リアリティが面白い一冊。世の中には、2代目、3代目社長が多く、創業者よりも、苦難が多いことを感じた。企業経営、社長こそが、組織に生命力を与えられるや、人にとって正しいことが判断基準のような、人間基軸で経営を行い、成功している点が感服する。

  • 盛和塾での勉強会の『実践経営問答』トップの器となるには、ひとのためにつくす 現場主義を貫く 値決めは経営 会計が分からなけば経営者になれない 誰にも負けない努力をする 経営という仕事を好きになる

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

稲盛和夫の作品

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