- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569795232
作品紹介・あらすじ
国譲り神話の裏側、武士誕生の秘密、徳川幕府滅亡の原因、大本宮発表の心理など、目からウロコ!の12講義。
感想・レビュー・書評
-
まさに目からウロコの日本史の話が続々。そう言えば、となんかコツンと引っかかっていたあれこれが次々に解き明かされ、その気持ちのいいことったら!とても面白い一冊でした。
学生時代、史学科の友だちと話していると、たとえば19世紀後半のイタリアの制度史をやってるんだ、とか、平安時代の○○川を中心とした経済の発展が専門だとか、なんか、すっごく狭いところを掘り下げて勉強しているんだなぁ、とは感じていたんですが、そして、それはもちろん大事なことなんでしょうが、他の時代のことは全然わからない、なんて言われると、“通史”というものをやる人はいないの??と言いたくなってたんですよね。
○○時代にこういうことが起こったのは、その前のこれこれが遠因で、その結果、現代にもまだ影響を与えている、ということが、歴史に学ぶ、っていうことなんじゃないか、と思うから。
その意味で、この「日本史の授業」は、ホントに面白い一冊でした。
江戸時代の三大改革に“田沼の政治”が入れてもらえなかったのはなぜ?
黒船が来たくらいでなんで大騒ぎになっちゃったの?
種子島に“たまたま”来たポルトガル人は、どうしてそこで商売を始められたの?
菅原道真の怒りを鎮めるべく神様に祭り上げたのはわかるけど、そんな怒っている人になんで自分たちの幸せを祈願するの?
平家物語はなぜ琵琶で語られなければならなかったの?しかも盲目の法師限定ってどういうこと?
そして、なぜあの昭和の無謀な戦争を日本人は始めてしまったの?という問いに対する答えには、
日本人の精神史が深くかかわっていること、歴史に何も学んでいなかったこと、が冷静に指摘され、
また、縄文人から第一次弥生人、第二次弥生人と変遷する大陸からの流れの話の面白かったこと!
井沢さんって、「逆説の日本史」で有名な方だったんですね。そちらもぜひ読んでみたいです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本史を考える視点が面白く、なるほど思わせる。しかし、なんか論理に飛躍があるような気もする。邪馬台国のところで、当時の中国の読み方で読むべきで「ヤマド」と読むというのはびっくりした。昔、学生の頃の日本史が、わけわからんというか、好きになれなかったのは、私にばかり責任があったのではないのだろうと思えた。勘違いして学んでいることは多くて、わけがわからんことが多いのだと思う。
-
-
それは確かに興味深いですね!(*^_^*)
なぜそうなのか、考えてみたこともなかったけど、私もなぜなのか、知りたいです。それは確かに興味深いですね!(*^_^*)
なぜそうなのか、考えてみたこともなかったけど、私もなぜなのか、知りたいです。2011/11/18 -
2011/11/18
-
-
2011年2月発刊
邪馬台国 中国の当時の発音ではヤマド→どう考えても大和の事
織豊時代(ショクホウ) 安土桃山時代 桃山=秀吉晩年の居城伏見城の場所→大坂の名を出さない(江戸時代、戦後東大・京大学閥学者の戦略)
生類憐みの令 それ以前は人殺しを厭わない空気→ショック療法→人々の考え方が変化
江戸時代 貴穀賤金(キコクセンキン) 武士の給与はお米→農業生産性アップ=武士はお米を貰い換金して生活→米の価格は低下、実質的に武士の給与が減る事と同じ
江戸の3大改革 江戸時代・既に○○の治 江戸時代の価値観で農業重視政策を〇/商工業重視の田沼は×
1716~45年享保の改革 8吉宗 新田開発奨励 足高の制 倹約令 目安箱
1772~86年田沼意次 専売制度 株仲間 長崎貿易制限緩和 蝦夷地開発
1787~93年寛政の改革 松平定信 旧里帰農令(出稼ぎ制限) 人足寄場を石川島に設置 出版統制令 倹約令 朱子学以外を禁止
1841~43天保の改革 水野忠邦 倹約令 株仲間解散 人返し令
織豊時代は貫高性→徳川は石高制(尾張は商売中心/三河は農業中心、中国から朱子学、開国=商売をするのを嫌う、中国明=貿易嫌う・日本人のふりをした倭寇)
朱子学→商業蔑視、王者と覇者の二分、尊王
江戸時代 平和な260年間・武器の改良は全面的に禁止
世界は植民地を持つ大国(英仏、スペイン、オランダ)、植民地、植民地を持たない大国(アメリカ・ロシア)の3種
1792年林子平「開国兵談」海防の必要性を説く→処罰された ロシアのラスクマン根室へ(大黒屋高太夫を返還)
1808年フェートン号事件(イギリス船がオランダ船のフリをして長崎で暴挙)
1825年異国船(無二念)打ち払い令 アヘン戦争で清破れる→1842年に撤廃
1837年モリソン号事件 日本の漂流民を助けた船を撃退
1842年薪水給与令
1846年アメリカ使節ビッドル
1851年ジョン万次郎帰国
1853年ペリー ロシアのプチャーチン長崎へ
1854年米英ロと和親条約
1858年日米修好通商条約 安政の大獄
1863年生麦事件
1863年5月馬関戦争 7月薩英戦争
1864年馬関戦争
1868年明治維新
日本の外交下手・愚劣 アメリカから安く商品・イギリスの暴挙からの国防交渉もできたハズ・ロシアはシベリア開発のために食糧必要だった
薩長の間を取り持った坂本龍馬 福岡藩の月形洗蔵(福岡藩が佐幕派になったので歴史から抹消された) 戯曲の月形半平太のモデル
日本人は争いが嫌い…銀行の護送船団方式、入札の談合、総理を決める自民党派閥の持ち回り人事、薬害エイズの稟議書(責任が曖昧)…
604年十七条の憲法 和を持って…話し合いを重視
日本の三大建築 雲太・和二・京三 出雲大社・大和の大仏殿・平安京の大極殿
2000年出雲大社で大柱発見
古代の国譲り 狩猟民の縄文人が鉄器を持った大和人に征服される
競争する和が乱れる→敗者の怨み→怨霊化
崇徳上皇 保元の乱で後白河天皇に敗れ、讃岐へ・天皇家を呪う・1164年「日本国の大魔王となり、皇を取って民とし民を皇となさん」→武家政権が誕生してしまった・明治維新まで続く☆坂出市の白峰御陵
御霊(ゴリョウ)信仰 鎮魂 遷都(天皇の死という大きな怨霊、穢れから逃れる)
672年㊳天智天皇崩御後、壬申の乱(㊴大友皇子vs弟の㊵大海人皇子)→大海人皇子が㊵天武天皇へ
710年平城京 天智天皇系の㊸元明天皇
天武天皇系の㊹元正天皇 天武天皇の孫の長屋王は藤原氏によって冤罪・自決 長屋王の変→藤原氏に不幸・怨霊の仕業か!
㊺聖武天皇 741国分寺建立の詔 743年大仏建立の詔→752年大仏開眼 4年後に㊺聖武天皇崩御
㊻孝謙女帝→すぐに退位 重祚し㊽称徳天皇へ
㊼大炊王(オオイオウ)・淳仁天皇
㊽称徳天皇 愛人に譲位しようとした道鏡事件(唐の禅譲の考え方が影響)
天智天皇系の白壁王(㊾光仁天皇60歳)→㊿桓武天皇 長岡京(不幸が続く)→平城京遷都(風水 北に船岡山、南に巨椋池(オグライケ))
明治時代に追号された㊼淳仁天皇(天皇に政権が戻った時、怨みを持っていそうな人を慰め日本の守護を期待)
平安時代 関白(あずかりもうす・関かり白す・敬称は殿下)
天皇から姓を賜った人々・賜姓源氏 52嵯峨天皇系の嵯峨源氏(右大臣、左大臣を出す臣下にするため)
武家の源氏は56清和天皇の子孫
源氏物語が書かれた時代、源氏は敗者→藤原氏が源氏の怨霊鎮魂のために編集 古今和歌集の六歌仙(藤原氏に冷遇された人々の鎮魂)
平家物語 慈円、仏教思想がベース、諸行無常(仕方がなかったと慰霊、平家鎮魂は国家の一大プロジェクト)、読み書きできない人のために琵琶法師(怨霊と目を合わせないように盲目)
映画・羅生門→平安朝政府の荒廃ぶり、地方は無法状態 兵部省・刑部省から人材減→地方の豪族・有力農民は武装して自警
検非違使(中流以下の貴族が行った穢れた仕事)律令にない職=令外官
日本人が感じる穢れ 自分のお箸・茶碗(汚れとは違う存在を感じる) 日本に革製品のブランドなし(動物の血) 大和政権が狩猟民族ではない証拠・縄文人と異なる(部落人は縄文人の末裔では?)
穢れ=毛枯れ(作物を枯らす・忌み嫌われた)
平忠盛 刑部省のトップ刑部卿(ギョウブノカミ)・穢れでやりたくない役職→平氏の勢力拡大のきっかけ
自覚しなければならない日本人の弱点 言霊(ネガティブな事を言う事は悪い)縁起が悪い
がん告知→先進国で悩むのは日本だけ・自分の生命を知る権利
日本人の希望的観測・論理的予測 新聞記者の良心とは別物
朝日新聞 筋金入りの親北派 朝鮮戦争に中国の義勇軍?…正規の軍であるが印象操作のため
日本の近現代史の権威藤原彰・一橋大教授(陸軍軍人・中国侵略の反省か?)
南京大虐殺30万人→腐臭は?遺骨は?
小沢一郎が記者から嫌われる理由→記者クラブだけでなく自由にオープンにしたから
日本は情報操作がしやすい国 世論調査も誘導 -
冒頭の挑戦的な文章に惹かれて購入。
通史として学ぶこと、宗教的側面から見ることの必要性については同感。
ただ、ある歴史の筆者の解釈については、そこまで断定してしまうのはいかがなもんかというのが正直な感想。 -
日本の成り立ち、日本人の根源にある宗教が良くわかった。
怨霊思考や穢れ、そして言霊信仰が、日本人の行動規範に大きく影響していることに大きく納得。 -
著者定番の怨霊信仰、穢れ思想、言霊信仰、そして歴史学者の痛烈な批判。
-
普段は楽しいものを読書の本として選ぶことが多いですが、教養の一部としてこういうのを読むのも良い刺激になります。
こういう見方、考え方もあるのか~!と、「へぇ~」を心の中で連発してしまいました。難しい言葉を使わず説明しているのも良いですね。