科学者の責任

著者 :
  • PHP研究所
3.75
  • (2)
  • (2)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569801766

作品紹介・あらすじ

大震災、原発事故を前に、なぜ科学者は立ち尽くしたのか?遺伝子工学の世界的権威が説く、新時代への提言。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • サイエンス

  • アカデミックポストを定年退職した後に、ようやくこれから社会人だ!という言葉には驚いた。老後はゆっくりしたいと思うのが大半の人の考えだと思うけど、この著者は引退後も精力的に働いているので感銘を受けた。そして科学というものに熱い気持ちを感じた。「研究とは偏差値ではなく、早起きだ」はすごい名言だと思う。

  • podcastの「ラジオ版学問のススメ」で知った本。

    科学は真理の追究、技術はそれを応用して活用する、科学と技術は本来別のもの。出来ること(科学)とやる(技術)判断は別であるべき。50年生命科学を研究してきた著者も生命が何であるかはいまだにわからないといいます。生命というコードを書いた存在をsomething greatと表現していますが、科学と技術を扱う者はsomething greatに対する謙虚さを忘れてはいけないのでしょう。

    神の火とよばれた原子力を性急に発電に使用した姿勢も謙虚さを忘れたことによるものだという意見に共感。

    遠地から祈ることで、回復を祈られた患者が(祈られていることを知らなかったにも関わらず)、祈られなかった患者よりも回復度に優位さがあったという実験もにわかには信じがたいけど、きっとなにかあるのかな、と信じたくなるエピソードでした。

  • 成功を勝ち取るためにはその先に答えがあるかどうかわからなくても35000個の脳下垂体をむいたりするアクションが必要なのだなぁと。それは科学者でも普通の人でも変わらない。

  • 筑波大学名誉教授であり、遺伝子工学の研究者である村上和雄先生の著書。非常に素晴らしく、一気に読んでしまった。
    著者は、サムシング・グレートという存在の提唱者である。非常に含蓄の深い言葉であるが、この存在を意識して日常生活を送る事が大事であると気付かせてくれるだけでも一読に値するのではないか。
    現代社会は科学と技術が一緒にされ、絶えず即物的な利益を上げるような技術に力を入れざるを得ない状況になっている所に現代科学の病巣があると指摘する。研究には金がかかるが、その事で政治や権力におもねるような御用学者になってはいけないと科学者に対して警鐘を鳴らしている。
    本書の内容には、世界的に有名な物理学者や生物学者のエピソードがちりばめられてあり、非常に面白くて分かりやすく書かれている。また、そのエピソードから色々元気づけられる事もあった。
    「科学者もスピリチュアリティを知るべき」、「祈る事は無力な事ではない」というのは至言である。最近では祈りにも物理的な効果を及ぼす実験結果があり、自分も驚いた。
    自分を向上させるヒントに富んだ一冊だと思う。

  • 【新刊情報】科学者の責任 407/ム http://tinyurl.com/7pvgpgq 東日本大震災、原発事故を前に、なぜ科学者は立ち尽くしたのか? 科学のあり方や科学者の責任と使命について、遺伝子工学の世界的権威が、新時代への提言を行う。 #安城

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

筑波大学名誉教授。米国オレゴン医科大学、京都大学農学部、米国バンダービルト大学医学部等を経て、1978年より筑波大学応用生物化学系教授。同大遺伝子実験センター長、先端学際領域研究センター長等を務め、99年に退官。83年に高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に初めて成功、世界的な注目を集める。90年、マックス・プランク研究賞、96年、日本学士院賞を受賞

「2021年 『コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上和雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×