桜舞う

  • PHP研究所
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569802954

作品紹介・あらすじ

お願い、助けて…散りゆく桜の下で、亡くなったはずの友が囁いた。江戸の菖蒲長屋を舞台に描く青春「時代」ミステリー第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • おいち不思議がたり シリーズ2

    江戸、菖蒲長屋の名医、藍野松庵を父に持つ、おいちは、父親の医療の手伝いをしながら、密かに、女医者になることを夢見ていた。

    そんな時、おいちの幼馴染、おふねが、高名な流行り医者、山賀貝弦に看取られ、亡くなった。

    後日、貝弦の弟子、田澄十斗が、長崎留学の前に、松庵の弟子にして欲しいと、菖蒲長屋を訪った。

    今回は、おいちの出自や十斗との関係が明かされたが、この先どんな展開になるのやら、楽しみである。

  • おいち不思議がたり シリーズ2

    らしい。
    そうとは知らずに、前作を読まずに読んでみた。
    1作目を読まなくてもスラスラ読めた。

    全体的にあさのあつこさんのお話は、優しい空気が流れる気がする。

    ちょっと疲れた時に、あさのさんを読もうと思う。

  • おいちの幼馴染みの友,おふねが急に亡くなった。どうも妊娠していたらしい。何かしら異常があったのだろう。もう一人の友達,お松とともに駆けつけたその場で息を引き取った。一体こどもの父親は誰なのか。おふねの両親も何も知らないようだ。お松はひょんな事から,お船を孕ませた犯人を知り,妻を亡くしてから酒に溺れるようになった父親の借金のカタに売り飛ばされそうになって,金を作るためにその相手の男を脅迫するが逆に捕らわれてしまう。少し遅れて全てに気が付いたおいちは救出に向かう。
    お船の死に立ち会った後,おいちとお松は破落戸にい沿われそうになるが,そこをお船を看取った医者の弟子・田澄十斗に助けられる。田澄はおいちが松庵の娘と知って松庵を訪ねてくる。そして松庵がかつて自分の母を見殺しにしたと責める。ちょうど当時のことを知るおうたが居合わせて真実を話すことで誤解は解ける。田澄の母は痘瘡で亡くなったのだが,その時実は妊娠しており,松庵の治療中に産気づいてしまったのだった。その負担に身体が耐えられなかったのであろう。
    そしてその時生まれた赤ん坊こそがおいちだったのである。つまり田澄とおいちは実の兄妹だったのだ。兄は松庵を両親の敵として復讐するために医者を志した。

  •   

  • 2020年3月18日
    町娘3人仲良し。
    その内の一人が出血多量で死んでしまう。
    町医者の娘おいちはその前後の出来事に翻弄されながらもう一人の友達お松をなんとか救う。
    自分の出生の秘密も知る。
    ありがちな設定で内容はお約束っぽいけど、展開や会話、人物像がいい感じで最後まで一気読みした。

  • 死者の姿を見、声を聞くことができる娘・おいち。
    医師である父を手伝ううちに、父のような、患者の声に耳を傾けることのできる医者になりたいと願うようになった彼女だったが、周りはみな「嫁にいって幸せになれ」と言う。
    女としての幸せは嫁に行き、子を産む事だけなのか?
    思い悩むおいちの前に現れた一人の青年。
    彼に惹かれるものを感じるのはなぜなのか。
    大切な友人だったおふねの死の謎、もう一人の友・お松の不審な行動。
    おいちの周囲がさわがしくなってきて・・・。

    というストーリー。

    おいちの出生の秘密が少し明らかになってきましたね。
    まだまだ何かありそうですけれども。
    中身がややミステリ風味のジュブナイル小説っぽいので、大人から見たら味気なさも感じてしまうかな。
    私は嫌いじゃないんですが。

  • 主人公が死んだ人の声が聞こえる、という設定なんだから
    毎回死者が出るのは分かるのですが
    今回は主人公のちかしい人だったので
    読んでいて切なくなりました。
    特に今回は主人公の身近な人の不調もあって気が気ではないというか。

    蘭学の事なども入って来たし
    物語もこの世界の医術の先の事も気になります。
    医者として生きるのなら
    やはり新しい医術への探究心はあるでしょうし
    どういう選択をしていくのか…。
    帰って来たあの人のそばで学ぶ、というのは
    あまりに安易すぎるだろうし
    帰って来たあの人が弟子入りしてくる、なんて上手い話はないだろうし…
    どんな展開になるのか楽しみです。

  • おいちのシリーズ2作目

    今回の事件は友だちのおふねちゃんの「小峯屋」掛かり付け医「山賀貝弦」屋敷

    田済十斗との出会い
    おふねちゃんとの別れ

    友だちとののどかなお花見が思い返すと切ないなぁと…

  • おいち不思議がたりシリーズの2作目。
    おいちちゃんの不思議な能力をからめた謎解きと、松庵&おいち親子の生い立ちのナゾが明かされて、盛り上がってきました。
    登場人物が魅力的で、とくに新吉さんのまっすぐな気性がいい! 応援したくなります。

    以下、心に残った言葉を記録。

    「あのね、世間ってのは、大勢の悪人と、ちょっぴりの善人と、どちらに転がるかわからない人たちで、できてるもんなんだよ」(P-12)
    「他人の言葉は、真摯に聞くべきものと聞こえぬ振りをしても一向に構わぬものがある。聞かずとも構わぬ言葉に惑わされることはない。心を煩わせるだけ損ってもんだ」(P-34)

  • 月刊文庫・文蔵に連載された「当世侠娘物語-ガールズ・ストーリー自立篇」を改題~六間堀町・菖蒲長屋の町医者・藍野松庵の娘・いち十七歳は,幼馴染みのおふねに呼ばれている気がして,呉服問屋・小峰屋へ走った。鼻緒が切れて二人組の破落戸に絡まれたが,下駄を投げつけて走り通し,店前でもう一人の幼馴染みの松と出逢って裏口に回ったが,生臭い血が流れている。友は死産の上に自らの命を落とした。医師は有名な山賀貝玄だが打つ手はないらしい。医師を目指すいちは友を救えなかったのに消沈して裸足で帰路を辿るが,またも破落戸に絡まれる。急を救ったのは,山賀の弟子の田済十斗という若者で,破落戸でもの肩の関節を外してしまった。伯母・うたは糞詰まりで苦しんでいるが,腹に固い痼りもできている。伯母の元に往診に出掛けると,道端で飾り職人の新吉がぴらぴらの簪を礼として渡してきた。近くにいたのは岡っ引きの仙五朗で,絡んできた破落戸の話も持ち出した。その後,父の留守に十斗が長屋にやってきて弟子にしてほしいのだという。新吉は又喧嘩をしたのだが,飲み屋で破落戸がいちを惜しくも逃した話をしていたからだった。破落戸二人は大川端で心臓を匕首で刺されていたが,血が少なすぎると仙五朗が松庵に検屍を依頼してきたのだ。いちが夢枕に立ったふねに請われて出掛けた長屋に松の姿がなく,妹たちは父親が松を売る相談を始めて,松は医者の所へ行くといって飛び出していったのだという。意気消沈して帰ってきたいちは,松庵と十斗の言い争いを耳にする。十斗は松庵が父母を見捨てた仇だと詰っているが,訪ねてきた伯母・うたの真相話が決着を付けた。痘瘡に罹った母は子を身籠もっていたのだ。夕方になっても長屋に帰って来ない松は,山賀の屋敷に行ったのだと知ったいちは,隣に越してきた新吉に仙五朗への伝言を頼み,山賀の屋敷に忍び込んで,物置小屋で十斗と松を見つけたが,いちも閉じこめられて火が放たれた…~なるほど,雑誌に連載していたから,こういう滅茶苦茶な展開になったのかぁ…納得。しかし月刊文庫ってのは何だろう? 一作目は文庫化する時に改題され,この二冊目もガールズ…も,当世侠娘…も,自立篇も消えている

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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