- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569803555
作品紹介・あらすじ
被生活保護者を担当するケースワーカーとして、大津市役所に勤める石坂壮馬。彼は、いっこうに自立しようとしない者や、保護費を詐取しようとする者、そして被保護者を食い物にする「貧困ビジネス」の存在に、生活保護制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、大津市内では、あくどく稼いでいると評判の者から盗みを働き、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題になっていた。ねずみ小僧に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺される事件が起こり…。「生活保護制度」の矛盾を突く問題作。
感想・レビュー・書評
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生活保護の担当者が主人公。ケースワーカーの大変さが伝わってくるし文章も読みやすいのにそこまで入り込めない、主人公および登場人物の魅力がないから全体的に印象が薄い
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生活保護受給者に盗んだ金を配布する「ねずみ小僧」を巡るミステリ。
ミステリとしても面白かったのだけれど、生活保護という社会のセーフティネットの在り様も考えさせられる一作でした。現実にいろいろ見ていると、あまりに甘すぎると思う面も多々あるのだけれど。線引きが難しいですね……。そしてケースワーカーさんって本当に大変なんだなあ、と思うことしきり。 -
生活保護担当の職員と生活保護者の話。やっぱり職員は大変だなぁって思っただけ。
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比較的面白く読めた。軽いタッチで現代版ねずみ小僧を描いている。
市の福祉課で生活保護担当の新人と上司が殺人事件に巻き込まれる。
生活保護の問題点をクローズアップさせながら、事件解明を物語る。謎解き要素が多く、刑事も深く係わってキャラクターが笑いも誘う。
本来、この作家はこのスタイルが合っているように感じる。
登場人物がすべて過去に犯罪に巻き込まれているのもこの作家の流儀。
だが暗くならないのもこの作家の手法で、そこが好まれる要素でも有る!! -
主人公がおしゃべりすぎて丸潰れになった感じ、もったいない…
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現代のネズミ小僧。でも話しはそれが中心ではなく進んでいくが…
2014.1.20 -
石坂壮馬は大津市役所に就職し、生活保護担当のケースワーカーとして働き始めた。しかし希望する者と面談をしたり、実際にその人の生活しているところへ行って調査したり、受給者からの相談を延々と聞かなければならなかったりと、その仕事内容には早くも嫌気がさしていた。ある日、駅でホームレスを保護した後によく住まいとして紹介していたあすなろ荘で、奇怪な話を聞く。ねずみ小僧を名乗る何者かから、突然3万円をもらった生活保護受給者がいるというのだ。
ちょっと期待していた方向とは違った話だった。確かに、受給希望の人を全員受け入れていたら崩壊してしまう制度において、調査して可否を決定する仕事というのは必ず必要で、その仕事では揉めることも恐喝に合うことも承知で打ち切りの宣言をしなければならないこともあるだろう。しかしそういう面がかかれているのは割合としてはそんなに多くなく、それよりも突然現れた、生活保護受給者に対してお金をばらまくねずみ小僧(現代で話題となった伊達直人のような感じ)が誰かという話がやはりメインとなってしまう。そういうのではなくて、仕事上生活保護受給者と接することも多く、正直疑問も多数ある私は、現場で実感するもっとリアルな問題の追及を期待していたんだけどなぁ。 -
え・・・ 実のところよく解らない。ただ話の始めから伏線があちこちにあったことだけは解った。
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・近所の市民センター図書室でタイトル借り。ケースワーカーが主人公って随分マニアックな所狙っていくなあって思って読んでたけど作者の思惑通りに2回引っ掛けられてそれなりに楽しく読んだ。結構都合いい所が多くて不自然な感じなんだけども、ギリギリ許せる範囲。